アナウンサー時代は確かなアナウンス技術に知性とキュートさがミックスされたビジュアルで人気だった秋元優里さん。何かと周辺が騒がしかった彼女のことを、私たちもニュースや報道で知るだけで実はどんな女性なのか知らないのかも?そこで今回、フジテレビ内で部署異動して立ち上げたポッドキャストが今大きな話題になっている秋元さんを直撃!キャリアの転向からプライベートのあんなことやこんなことまでズバリ、聞いてきました。
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★ 前向きな異動も、周囲には気を遣わせてしまったかも
★ 娘と過ごす時間が少なく「ママよりもばあばがいい」と言われ一人で泣いた夜も
予定調和にならない“ぶっちゃけトーク”がしたくなったんです
アナウンス室から異動してゼロから立ち上げたポッドキャスト番組 「ねーきいてよ」では殻をどんどん”脱いで”行きたい!過度に気を遣いすぎる空気感を変えたいんです!
2019年にアナウンス室からコンテンツ事業部に異動し、初めて自分で手がけたプロジェクトがこの秋ようやく形になりました。「秋元の船に乗ってもいい」と覚悟を決めてサポートしてくれている心強い仲間たちに助けられてここまで来られて感無量です。新しく始めたコンテンツはポッドキャスト番組「ねーきいてよ」(毎週月曜日20時最新話配信)です。
テーマを設けてポッドキャストをやりたいなと思った時に、真っ先に頭に思い浮かんだのは、考えすぎない雑談の場があったらいいなということ。学生時代は友達同士でフランクに「ねえ、聞いてよ〜」「こんなことがあってね」と軽くおしゃべりできていたのに、大人になると気楽に話せる場が狭まっているなあと感じていて。今の時代、SNSもあるし、発信しようと思えば自由に発信できる機会はが多いはずなのに、逆に自由度が低くなっているような気がしていました。
35歳を超えたころから、女性は特に、各々の選択に基づいて生きる環境や立場が大きく変わってきますよね。ちょっとした不満や愚痴も立場が違うと受け取り方も考え方も変わってくるので、「こんなこと言うと違う環境の方に配慮が欠けていると思われるかな」「ザワつくかな」「叩かれるかも」と、日常的に発言に慎重になりすぎて自分で自分を息苦しくさせている様な気がしていて。過度に気を遣いすぎずにお互いの意見や立場の違いを尊重しつつ思ったことを率直にポーンと話せるような場があったら、この空気感を変えられるんじゃないかなと思い、「ねーきいてよ」を立ち上げました。
友達とカジュアルに話す雰囲気を大事にしたかったので、一緒におしゃべりするお相手も、私自身が話やすくて、かつ、枠にハマらないような、率直な方がいいなと思った時に浮かんだのが、私が父の仕事でロンドンに住んでいた時に現地で一緒に過ごした、今は作家の鈴木涼美さん。小学生当時は仲良くさせていただいていたとはいえ、ここ30年ほどは連絡をとっていなかったので、勇気を出してダメもとでSNSのダイレクトメッセージを送ったらOKのお返事が!
9月から配信が始まっていますが、型破りな独自路線の人生を送ってきた方なので本当に話がいい意味で予定調和にならずに、“ぶっちゃけトーク”で限界突破しています(笑)。鈴木さんは41歳で出産されたばかり。番組では子育てや家族、仕事のことまで幅広く井戸端会議しています。
気を遣いすぎて何も話せない空気感を打破することが番組のテーマなので、「ねーきいてよ」では、私もなるべく殻を破りリラックスしたトークをするように心がけています。カフェでお茶しているママ友の会話を聞くような、もしくは仕事の合間に同僚の愚痴を聞くような感覚で、気軽に聴きに来てください!
前向きな異動も、周囲には気を遣わせてしまったかも
アナウンス室から他部署に異動になったのが5年前の2019年。アナウンサー採用でフジテレビに入社したので、周囲からはフリーになるという選択肢もあるのでは?との声もありました。でも私には会社を辞めるなんて考えはゼロでした。
当時は一人で娘を育てるシングルマザー。娘のために、今、会社を辞めるわけにはいかないと思っていました。私自身は異動に対して前向きでしたが、周囲にはいろいろと気を遣わせてしまったかもしれません。でも母として生活を守りたい一心でしたから、周囲がどんな目で見ているかは気にしない、と決めました。これまでと仕事の内容が全く違い転職したみたいに分からないことだらけだったので「皆さん、教えてください!」という気持ちで、とにかく必死でした。そういうところは割とスパッと切り替えられる方かもしれません。
でも、心臓に毛が生えているメンタル強めの人間ではなく、気にしないように心がけているだけなんです。小さなことでも人並みに傷つきますよ。
娘と過ごす時間が少なく「ママよりもばあばがいい」と言われ一人で泣いた夜も
長女で「優里ちゃんは一人でできるでしょ」と言われて育ち、もともとは完璧主義。人に頼ることも甘えることも苦手で、つい一人で背負い込みがちなタイプですが、母になって子育てをしていくうちに、どんどんものの見方が変わっていきました。
自分一人で見ていた世の中と、子どもの視点、親としての視点も加わって色々な角度から考えられるようになりました。絶対的に必要とされている感覚や、自分が自分以上に大切に思う存在を目の前にして一人の時には味わえなかった感情、景色が広がって、人として生まれ変わったような気がしています。
シングルマザーとして一人で娘と向き合っていた時期は、「絶対この子を幸せにしなきゃ」とか「理想のお母さんでいたい」と自分自身にプレッシャーをかけていました。
仕事でどうしても平日一緒にいる時間が少なくなってしまう分、休みの日はできるだけ娘を楽しませたい!と思い、頑張ってあちこち連れて行きました。私は運転が苦手なので、大きな荷物を抱えて電車で湘南の海に行ったり、娘が好きなヒーローショーを見に行ったり。帰りは眠ってしまった娘を抱っこしながら荷物を持って歩いて、翌日腰痛になっても、それでも頑にまた翌週はどこかに連れて行って。
この11年間、“理想の子育て”からは程遠かった気がします。特に別居して実家で生活していた時期は担当番組との兼ね合いで、子育ては母にサポートしてもらっていました。当時娘は3歳から4歳になるころ。母に助けられてはいるものの、精神的には苦しい時期でした。と言うのも、専業主婦である母に育てられた私の“理想の子育て“”理想の母親像“は、いつも一緒にいてくれる母だったのです。学校から帰宅したら必ず家で待っていて、おやつは手作りケーキやプリン。仕事をしていたらそんなの無理だとわかっていながらも、そうじゃなきゃいいお母さんじゃない気がしてしまうという、ある種の呪縛ですよね。現実は、平日帰りが遅いママと、いつも一緒にいてくれるばあば。一緒にお風呂に入ろうと娘に言ったある日、「ママよりも、ばあばがいい」と言われたことがあって。今では笑い話ですが、その時はとてもショックで夜、一人で泣きました。
カーディガン(カデュネ)ベスト パンツ ともにハイク/ボウルズ)フラットシューズ(ツル バイ マリコ オイカワ)ピアス バングル(ともにウノアエレ/ウノアエレ ジャパン)リング(ココシュニック)
撮影/浜村菜月(LOVABLE )ヘア・メーク/陶山恵実(ROI) スタイリスト/吉田麻衣子 取材/柏崎恵理