素朴な“マンマの味”もいいですが、
気鋭の日本人シェフたちによる工夫や技巧を凝らした
芸術的なパスタに嘆息するのもいいものです。
イタリアの魂と日本の素材で独自の世界を構築する「レストラン ラッセ」の村山太一シェフ。
「ラルテ沢藤」の沢藤隆シェフは、看板(ラルテ=芸術)どおりの芸術家肌。美味なる作品の虜となること請け合いです。
愛知県刈谷市の「ラ・フォンテ」は、古民家を改装したイタリアンレストラン。オーナーシェフの杉浦幹雄氏が作る料理は、旬の地元食材がたっぷり。それらの美味しさを引き出したやさしい味付けが特徴です。
昨年移転拡張し、ノルディックでスタイリッシュなフロアに生まれ変わった「スペッロ」は、関西クリエイティブ・イタリアンの最高峰の一つ。若き気鋭シェフ・飯塚宗則氏の天才肌のセンスは、この春さらに鮮烈な輝きを増しています。
〈東京分〉撮影/田村浩章 取材・文/伊藤由起
〈名古屋分〉撮影・取材・文/永谷正樹 〈大阪分〉撮影/岩本浩伸 取材・文/寺下光彦
デザイン/豊田セツデザイン事務所
Tokyo
レストラン ラッセ
日本の極上素材で
純度を高めた
ラヴィオリの傑作
生みたての卵で作る、つるっと滑らかな生地の中身は、自家製リコッタ、熊本産マスカルポーネ、北海道産モッツァレラと、パルミジャーノのクリーム。添えられたチーズソースと相まって、さぞやコッテリとした味に…と思いきや、どこまでもピュアで清々しい味わいです。ランチ¥4,400〜、ディナー¥7,700〜のコースより
レストラン ラッセ
東京都目黒区目黒1-4-15 ヴェローナ目黒B1
☎03-6417-9250
(営)12:00〜13:00、18:00〜21:00(ともにL.O.)
(休)日曜、第1月曜
東京都目黒区目黒1-4-15 ヴェローナ目黒B1
Tokyo
ラルテ沢藤
3種のトマトを凝縮
させた濃い甘みと
香ばしさが印象的
3種類のトマトに揚げた香味野菜を加えた、凝縮感のあるトマトソースと、自家製キターラの幸せな組合わせ。半分はトマトのジャム、イタリアンパセリのペーストを混ぜながら。そして残り半分にンドゥイア(辛いサラミの一種)を混ぜていただき、最後にトマトのシャーベットを。ランチ¥1,500〜、ディナー¥4,860〜のコースより(要確認)
ラルテ沢藤
東京都港区南青山3-4-12-1F
☎03-5775-4980
(営)12:00〜13:30、18:00〜20:30(ともにL.O.)
(休)日曜ディナー
東京都港区南青山3-4-12-1F
Kariya
ラ・フォンテ
ハマグリのほろ苦さと
春野菜の濃厚な旨み。
新緑の季節をひと皿に
竹炭を練り込んだ自家製生パスタと大粒のハマグリのコントラストが美しい「桑名産ハマグリと春野菜のペペロンチーノ 竹炭のタリオリーニ」。ハマグリの滋味とほのかな苦み、春野菜の濃厚な味わいをペペロンチーノが見事にアシスト。春の味覚を堪能できます。5月末までランチ(¥2,600〜)とディナー(¥5,000〜)、それぞれのコースで楽しめます。
ラ・フォンテ
愛知県刈谷市小山町1-306
☎0566-28-3903
(営)11:30〜14:00、18:00〜20:30(ともにL.O.)
(休)不定休
愛知県刈谷市小山町1-306
Osaka
スペッロ
コーヒーの苦みで
ピエモンテの
伝統パスタが熱く進化
ピエモンテ伝統パスタ、アニョロッティに少し練り込んだコーヒーは、白アスパラ・ピュレソースの甘みと強烈なシナジー効果を発揮。さらにそぼろ玉子、春トリュフなど、多彩な素材が奇跡的なバランスで一体化し、全身に大音量で響く美味しさの和音。その圧巻の作品性は堂々、現代のグランクリュパスタの金字塔です。¥2,800
スペッロ
大阪市中央区久太郎町1-6-20
☎06-6262-7044
(営)11:30〜13:30、17:30〜22:00(ともにL.O.)
(休)不定休
大阪市中央区久太郎町1-6-20