仲直りをしたと思ったら、舌の根の乾かぬうちにまたどちらかが喧嘩の原因を作る……。 夫婦喧嘩は負のスパイラルに入ったらエンドレス。そんな夫婦が一体どうやって対話していったのかでしょうか
薫里奈さん(仮名)/41歳
’77年兵庫県生まれ。京都の大学を卒業後、 損害保険会社に入社。30歳で円満退社し結婚。 35歳で長女、38歳で長男をもうける。真面目でやると 決めたことはとことんやりぬく性格。 香里奈似のスタイル抜群の美女。
夫
’67年兵庫県生まれ。大学卒業後は 大手電機メーカーに技術職で就職。38歳で転職、40歳で再転職。現在はIT企業に勤務し、単身赴任中。優しくて思いやりがあり、誰からも信頼される人柄。
第1話 お見合いを十数回繰り返し見つけた相手と、交際4か月で結婚にこぎつけるも⁉
結婚12年目の変化
今年の誕生日には「いつもありがとう。輝いている妻へ」というカードを添えてピンクの花束をくれました。結婚12年目でやっとお互い を思いやれる夫婦になってきましたが、結婚したときから波瀾に満ち溢れ、何度離婚を考えたかわかりません。
そもそも大学卒業後は損保会社に入社し、自動車保険の事故処理や保険金の支払いに携わっていました。長年付き合っていた1歳年上の彼と結婚の約束をし、お互いの両親への挨拶まで進んでいたのですが、元彼は長野の農家の長男で、そこに嫁ぐ予定が、実際挨拶に行くと現実が押し寄せ、ちょっと無理かなと思ったんです。それがきっかけで自分を抑えていたことにも気がつき、話し合って、お別れしました。それが28歳のとき。母がとても心配して、お見合い話を次々と持ってきて、気づけば十数回していたものの、「この人」という方に巡り合えずにいました。まだ30歳でしたがほとほと疲れて、もう結婚はないなと早々にあきらめていました。
そんなとき、あともう1回とお見合いしたのが、10歳年上の夫でした。大企業の電機メーカー勤務で技術系。ぱっと見は地味ですが年齢より若々しく、何よりも話したときに力が入らず、一緒の空間にいてもすごくラク。それまでは私の性格からか自分を作ってしまうんですね。でも夫は前からよく知ってる人みたいで、何よりも優しい人。お互いに好感度が高く、とんとんと話が進み、5月にお見合いして9月に結婚式を挙げていました。しかし、交際期間が4カ月しかなかったことが、結局は良くなかったんです。
結婚生活
結婚生活が始まると、夫のことを全然わかっていなかったことに啞然とし、最初からぎくしゃくしていました。優しいけど無口。全然しゃべらない人で、コミュニケーションが取れないし、足りない。朝早く家を出て、夜9時には帰ってきますが、すぐに寝てしまいます。 ゆっくり話をする時間がなくて、何を考えているのか全くわからないのに、私もそれを言い出せず、どんどんストレスが溜まっていきました。2人になるとピンと張りつめたような空気感、彼も気持ちがしんどそうだし、私はいい子ちゃんの姿を被って一生懸命家事はしてしまう。お互いものすごく気を遣い合っていました。
気持ちがもやもやして耐えられなくなって、 結婚4カ月で実家に帰りました。そのときに辛い自分の気持ちを伝えたのですが、夫は全然理解できない様子。今思うとそれくらい仕事が忙しく、妻のことまで構っていられなかったんですよね。私もこれくらいのことで馬鹿だなと反省して家に戻りました。それからは仕事を早めに切り上げて帰宅してくれるようにはなりました。