「有働由美子が絵本!?」絵本と一番遠いところにある存在なのに、なぜ？
そんなふうに感じ人もいるかもしれません。
“報道”という仕事に長く携わる中、少しでも社会が変われば—―
そんな風に思い、「選挙に行こう！」と、何度となく呼びかけてきました。
それもあって、多くの人が「選挙には行ったほうがイイんだろうな」と
頭の片隅にはあるはずなんです。
でも、行かないんですよ。
選挙のニュースを読むたび、その投票率に、何度がっかりしたことか……。

大人って、やっぱり根本的には、変わらないんです。
だから、本当に「教育」って大事なのだと実感しています。
今、ここから政治も世界も変わる中、自分も含め、大人は頭が凝り固まってしまって
います。他国の戦争を見ていてもそうだけど、大人は痛い目に遭わないと、
備えることをしません。
それなら、子ども達にミライを託そう。子ども達に、選挙に行く習慣が身につくといいな、と「選挙」をテーマにした絵本をプロデュースすることに挑戦しました。

今までは平和が続いてきたけれど、歴史からみると、
子ども達が大人になる頃には、日常に戦争が起こってもおかしくありません。
そんな世では、選挙がもっともっと重要になります。
自身が選んだ人によって戦争に導かれるなら仕方ない。
でも、自身が選べる幸せ、「選ぶって、楽しい」そのことを、
子ども達には知って欲しいと思います。

私は子どもがいないので、扱いはわからないのですが、友人の家に遊びに行って
子ども達と接する機会があると、子どもも大人もなく、対等に話すんです。
イヤだと思うことをされたら、ストレートに「イヤ」と言うし、楽しいことも同じ目線で楽しむんですね。
まだ体は小さいですが、小学生ともなると、ちゃんとものごとを理解できるんだな、といつも感じます。
大人がふんわりと曖昧にしてごまかしていることも、子どもは案外見抜いているんですね。

だから、今回の絵本も、甘い言葉じゃなくストレートに伝えることが大事だと思い、子ども達を信じて書きました。
「もっと字を少なくしたほうがイイんじゃないか」、「もっとわかりやすく」と、容易に導くこともできたけれど、あえてそうはしませんでした。
その分、子ども達が物語にすんなりと入れるよう、関西弁でダジャレ好きな妖怪を登場させたりと、子ども達が飽きないで本を読める要素をところどころに散りばめました。
関西人のこだわりで、「ねん」じゃなく「やねん」です、と関西弁の修正には、ひときわ時間をかけましたね(笑)。

そして、子ども達に大切なメッセージを伝える妖怪の名前は、”うーどん”！
うーどんが子ども達に伝えたのは、

「『せんきょ』ゆうんはな、自分たちのしょうらいをきめる
大切な大切なチャンスなんや！　ひとまかせにしとったら
どんなこわいしょうらいになるかわからへん。
自分たちのしょうらいは自分たちでつくらんと！
せやから、ぜったいにそのチャンスを
手ばなしたらあかんで！！」

ということ。
メッセージを受け取った子ども達は、町の町長さんを決める選挙を前にし、
言うのです。「パパ、ママ、ちゃんと選んでね」と。

絵本の最後には、「おはなしをふりかえって、もんだいに答えたり、
おうちの人と話したりしてみよう」と、“しんきゅうテスト”をつけました。
その答えに、不正解はありません。
大人は答えられないことも、子どもならきっと答えられるはず。
パパやママ、大人と一緒に読んで、子どものすごい力で大人をも導いてくれるといいな、と思います。

有働由美子さん着用ワンピース(ミラ・ショーン）、ジュエリー（ニナ リッチ）

コドモの大學③
「せんきょに行こう!
～えらぶ たのしさ えらべる しあわせ～」

「選挙ってなに?」「なんのためにあるの?」「どうして大事なの?」といった疑問に、小さな子どもにもわかるように楽しい物語形式になった絵本。「選挙には、選ぶ楽しさと、選べる幸せがある」という有働さんのメッセージを、子どもたちが妖怪の世界に迷い込むドキドキハラハラの冒険を通して伝えています。有働流のダジャレとウィットに富んだストーリーに注目！（7月３日発売　￥1,700）
https://www.hagoromo.com/business/item-shoseki/228-ehon/1577-2025-06-17-07-09-47.html