主に45歳から55歳までの10年間といわれる更年期。女性ホルモンの減少によって女性なら多かれ少なかれ、誰もが通り過ぎる不安定な時期をどんなふうに過ごすのか。
STORYでは創刊時からの10年。連載で、ずっとこのテーマに向き合ってきました。
約10年間「更年期のクスリ」を担当してきて…

担当して初めて知ったこと、それは「更年期症状がなくてラッキー」という考えが実は危険だということ。
更年期の不調にあがいてこそ、健康や生活のあり方を見直す良いきっかけになる。アンチエイジングの観点でも、ここで対策しなかったら、〝ひそかに進む顔の骨格の劣化を食い止める大事な時期を見逃してしまう〟と知った時はゾッとしたくらいです。
担当したこの10年間で、更年期に対する世の中の空気感が激変、ひと昔前は、「そんなタブーを話すなんてはしたない」という風潮や、更年期に対しての認識自体も歪んでいる部分がありました。取材した俳優さんから「夫から女性として見てもらえなくなると思うと怖かった」と言われたことも。
でもここ数年はオープンに語ってくださる方がグンと増えました。「更年期はみんなが通る道だから恐れることはない」「家族や仕事の現場で話してシェアしています」という先輩方のお話に勇気づけられることもしばしば。一人で抱え込むのではなく、情報をみんなで共有して乗り切ろうという機運がどんどん高まっているのは素晴らしいことだと肌で感じています。
更年期は素敵な財産、この連載を通して私が得た宝物のような知恵をこれからも読者の皆様と共有していけたらと思っています。
「更年期症状」チェックリスト
動悸や不眠、肩こり、乾燥なども実は更年期症状の代表格。45歳以降で不調を感じたら婦人科受診も候補に入れて。
2016年10月号、有森裕子さんが体と向き合うことの大切さを教えてくれた
私自身も動悸や、寝汗が枝豆の匂いがする(笑)、やる気レスなどで鬱になりかけていました。そんな時、有森さんから「低用量ピルのマーベロンを使用したらすぐによくなり、目からウロコだった」と聞きました。
実はその取材中、穿いていた白いパンツが急な生理で汚れ、椅子にまで染み込む大失敗が。ショックを受けた私はすぐに彼女が診てもらっている婦人科に駆け込み、マーベロンとジェルを処方してもらうと、症状が劇的に改善。その後もパッチを貼ったりするHRTを続けることで、顔をしぼませないアンチエイジングにもひと役買っていると思います。
あの時、いい方法を知らないなんて機会の損失、どんどん発信したいという有森さんのお考えに触れて、更年期に対して一歩踏み込んだ対策が取れたことを今でも感謝しています。(ライター 柏崎恵理)
撮影/田頭拓人、BOCO、森川 昇、吉成大輔、久保嘉範、須藤秀之(TRIVAL)、玉川 清、齋藤 明〈過去誌面〉取材/柏崎恵理、漢那美由紀、内山靖子 ※写真やコメント内容は取材当時のものです。 ※情報は2025年10月号掲載時のものです。
















