
リスペクトしてやまない姉・中山美穂さんと共に、更年期対策をしてきたと言う中山忍さん。今は一人で向き合う時間の中で「先輩方のアドバイスが処方箋」だと語ります。
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姉と支え合った更年期
健康優良児と言われて、特に精神的には鋼のメンタルで(笑)、のほほんと50年間過ごしてきた私が、違和感を感じたのが昨年の夏でした。急に耳の後ろがザワザワと熱くなるような不快感とともに、30分に一度くらい、ホットフラッシュのような症状に見舞われ、次に夜中ひんぱんに目が覚めるようになりました(*1)。もともとあった手足の冷えも悪化し、これが先輩方から聞いていた本格的な更年期というものなのか、と自覚しました。
とはいえ、実は数年前から、姉と一緒に婦人科の漢方外来に相談して、来るべき時に備えて漢方薬を飲んだりもしていました。夏ごろのホットフラッシュはひんぱんでしたが、もしこれがピークなら自分はそんなに重い方ではないのかな、と少し安心していました。
でも、姉が亡くなり、年が明けて、症状がぶり返してきたのでもう一度ちゃんと外来に通い始めました。そこで看護師さんに言われたのが「女性ホルモンと自律神経はとても深く関わっているから、もしかしたら今の不調は更年期というよりも、メンタル的なものから来る自律神経の方の不調なのかも。体が勘違いして、カッと熱くなったりしているのかもしれません」ということ。私は精神的には安定している方だと思っていましたが、やっぱりね、いつも通りではないんです。昨年の年末よりも、今の方が不意に涙が出てくることもありますから。
現在地はわからないけど……
— 中山忍さんは現在52歳。実力派俳優として、姉の中山美穂さんとともに数多くの作品で活躍してきました。3歳上の美穂さんと一緒に漢方外来や薬膳中華のお店に通って更年期対策をしてきた忍さんが不調を感じたのは昨年の夏ごろ。その後、最愛の姉が帰らぬ人となり、今は不安定な体調とメンタルが更年期によるものなのか、メンタルから来る自律神経の乱れによるものなのか、自分自身、混乱していると語ります。
更年期の行方がわからなかったところに、姉のことがあって、今の自分の体調のぐらつきが何によるものなのか、正直言ってわかりません。冬から春になるにつれて、暖かくなっては寒くなって、三寒四温で季節が進むように、私の体調も少しずつ前に進んでいると信じたいところですが、こればかりはわかりません。自分のできる範囲で体調を整えつつ、体と心のギクシャク感が少しずつでもいい方に向かえるよう、気をつけていくしかないと思っています。でも、今のような状況になる前に、自分なりに準備していたことが役立っているような気もします。
婦人科の漢方外来に通いながら、定期的に血液検査でホルモン値を調べて、女性ホルモンの動向にも気をつけてきました。ドクターには「まだ、本格的なホルモン補充療法をするほどのレベルではないから様子をみましょう」と言われ、私自身も西洋医学の治療はやめ時がわからないから、と二の足を踏むところがあって、漢方薬で様子を見ています。
でも、少し不安なのは、これが更年期症状の始まりなのか、ピークなのか、それともこれから落ち着いていくのか、わからないところ。今後どうなっていくんだろう、と漠然と思っています。健やかに過ごしてきた私ですが、実は30代後半にちょっとだけ疲れやすい時期があり、肌荒れも治らないことがありました。その時おもに気をつけたのは食生活。というのも姉に「30代から40代に上がる時期、女の人はいろんなバランスを取るのが難しいから、今から食べ物に気をつけて運動もしておいた方がいいわよ」とアドバイスを受けたからです。やはり口に入れるものが体を作っているので、食べるものを見直すことが大切だと再確認。体の内側を温めて元気になりたくて、幡ヶ谷の駅の近くにある「チャイナハウス 龍口酒家本店」によく行くようになったのもこの頃です。
ランチは人気の里麺、その他日替わりランチセット、日替わりの麺セット、ミニコースなどバリエーション豊か。夜はシェフのおまかせ料理のみで、シェフの石橋さんが旬の野菜などを使って腕を振るってくださいます。シェフは『皇帝食 不老不死を求めて』という著書もある料理人。厳しい目で選んだ多彩な食材で、薬・漢方としての効能も期待できる美味しい中華を作ってくださるシェフは頼れる「家庭学の先生」のような存在。忙しくてもう体が限界、という時や、風邪をひきそうな時に、私の体調に合わせた食材で効きそうなメニューを作ってくださる。今の自分にいちばん必要なお料理を出してくださいます。食べると一気に元気が湧いてくるんです。
それから40代になった頃には加圧トレーニングやジムに通ったことも。コロナ禍で足が遠のいてしまい、今は時々家でやるスクワットとプランクのセット、そしてラジオ体操がいちばんいいのかもと思っています(笑)。
姉と共有した対策を一人で続けています
— 気丈にふるまう忍さんですが、もちろん抱えきれない悲しみと向き合い戦いながら、折り合っているだろうことは想像にかたくありません。「まわりの方からは、とにかく食べなさい、と言われています」と笑う忍さんのお人柄があってこそ、周囲の人が気にかけてくださるのでしょう。
有森也実さんから頂いたdiptyqueのオードトワレ「ゼラニウム オドラタ」はゼラニウム、カルダモン、トンカビーンズ、ベチバーがミックスされた、少しだけスパイシーさも感じられる柑橘系の香り。ゼラニウムには女性ホルモンのバランスを整えたり、分泌を促す効果が期待できるそう。「更年期の時期にいいのよ」と言う言葉と共に、私のお守り的な存在となっています。
ニールズヤード レメディーズのロールオンタイプのアロマパルス「ウーマンズバランス」はヘアメークさんに頂いたもの。こちらも自律神経の不調に優しく働きかけてくれるもの。塗るだけで女性らしさを思い出させてくれそうなアロマです。
また、自分ではオフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーの水性香水がお気に入り。愛用しているのは控えめな香りのボディオイル。水性なのでしつこくなくてさらりとしたつけ心地が気に入っています。
また、10年近く愛飲している万田酵素も効果を感じています。ピュレ状のものとドリンクがあって、どちらも果物、穀物、海藻、野菜が3年3カ月以上発酵・熟成した植物発酵食品。きちんとした食事以外にも、こういうサポート食品で補うのもいいと思います。
タンパク質を中心に、野菜や海藻や豆類をバランスよく食べて、適度に運動してよく寝る規則正しい生活。シンプルだけどこれに尽きるのではないでしょうか。
素敵な先輩方の「更年期は 必ず終わるから」という言葉を胸に
きちんとした生活に加えて、私が心の支えにしているのが、素敵な先輩方が口を揃えて言ってくださる「更年期は必ず終わりが来る」という言葉。待っていればいつか過ぎていくと教えてもらったことが心強くて。
今は先が見えないけれど、更年期はいつかは終わる。痛手の終わりは見えないけれど、いつかはきっと…。自分を見失うことがないよう、きちんと食べて寝て、運動して。そんな当たり前の生活を送りながら、いつまでも大好きなお芝居を続けていきたいですね。

〈TOP写真〉ベスト¥80,300シャツ¥38,500スカート¥49,500〈すべてテラ〉バッグ¥42,900〈ヴィアメイルバッグ〉(すべてティースクエア プレスルーム)ネックレス¥143,000イヤーカフ(上)¥81,400イヤーカフ(下)¥84,700リング(右手)¥150,700リング(左手)¥124,300(すべてヒロタカ/ヒロタカ 表参道ヒルズ)〈末尾写真〉ブラウス¥44,000パンツ¥41,800(ともにミュベール)リング¥69,300(ヒロタカ/ヒロタカ 表参道ヒルズ)
撮影/BOCO ヘア・メーク/佐々木博美 スタイリスト/福田亜由美 取材/柏崎恵理 撮影協力/箱根神社、チャイナハウス 龍口酒家本店 ※情報は2025年6月号掲載時のものです。