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夫は”正解”だったのかと思ったら『人間失格』を見てほしい

9月13日から公開中の『人間失格 太宰治と3人も女たち』観ましたか?TVCMもかなり打ってるし、観客動員数も伸びているよう。周囲でも「観たいんだよね~」という声がチラホラ。ズバリ、言いましょう! 面白いです!「死ぬほどの恋。ヤバすぎる実話」というキャッチコピーがついていますが、以下ヤバすぎる個人的見どころです。

見どころ1
太宰役の小栗旬がヤバすぎなクズ男で死ぬほどカッコいい

まず小栗旬がクズ男です、いや、間違い。太宰治がクズ。妻子がいるにもかかわらず、頻繁に女と心中騒ぎを起こすわ、どんどん愛人を作るわ、「書くために」という大義名分があるにせよ、やりたい放題。・・・なんですが、蜷川実花監督からオファーを受け7年、悩みながらも受けることを決意して15キロの減量を敢行し、挑んだ小栗旬の破滅色男ぶりがエロエロ。スター作家だけあって口から出る言葉が文学的でロマンチックでヒリヒリしててなのに顔が甘えんぼ♡ですべてがオールSexy Thank you♡。どんどんに自分を追い込んでいく悲壮感壮絶感、共犯者になってともにどこまでも墜ちていきたい・・・と語り出すと止まらない萌えが200%詰まっている小栗太宰です。もう…抱いて。

見どころ2
二階堂ふみと宮沢りえの演技対決

女は3人登場しますが、愛人静子役・沢尻エリカは問題外の淡泊さ。(ご本人も舞台挨拶で同様の発言)。とにかく最後の愛人富栄役・二階堂ふみと本妻美知子役・宮沢りえの演技の重厚感がすごいです。最後の愛人富栄は今で言う“重すぎる女”で並の男ならドン引きそうな陰キャ。でもさすが太宰はそんな女にグイグイ惹かれ、本妻を捨てる寸前まで行きます。でも本妻は毅然。下の子をおんぶし、ねんねこばんてん姿で上の子の手を引き、買いものへ行った帰りに夫と愛人が道ばたでいちゃついているところに遭遇しても「お父様はお仕事ですから」と踵を返して立ち去ります。THE 妻の美学! そしてラストで「あること」で決着がついた後の妻の蒼い着物と笑顔の晴れがましいこと。結局太宰からは「おまえを、誰より、愛していました」という言葉をもらう妻という存在の確かさゆえの苦しさ、虚しさ。台詞がそんなに多くない宮沢りえはそれを子どもへの接し方、ふとしたときに見せる表情だけで芝居するのです。もう降参です。

見どころ3
蜷川実花監督の美術のこだわり

すみずみまで抜かりなく実花ワールド。上に書いた妻(家)の世界が青、ということもそうですが、静子の世界は原色花柄、富栄はスモーキーカラー、家・本妻は青。それぞれの関係性によってテーマカラーがあって世界観が確立しています。特にラストの方で太宰が書くことに没頭しているシーンで書斎が青の世界になり、ばらけていく様子をあらわしたCGは圧巻。全体通して「どんだけお金かかってんの?」と唸りました。この映画に出演しているある役者さんが「蜷川さんの現場は疲れすぎるから帰宅して風呂に入るな。溺れ死ぬから」と語ったそうですが、確かにすごいテンション高そう。幸雄氏は灰皿投げつける派でしたが、美花さんは全身全霊でエネルギーを放出し、同じ熱量を求めてきそうです。

そして映画の中で太宰の長男が「とある状況」に描かれているのですが、後で調べると実際もそうだったことにビックリ。そこまで忠実に描くのかと驚きました。

 

「死ぬほどの恋。ヤバすぎる実話」とはいえ、見どころは死ぬほどヤバいクズ男演じる小栗旬につきます。今、父である作家・井上光晴と愛人瀬戸内寂聴と母の三角関係を描いた井上荒野の小説『あちらにいる鬼』も話題ですが、作家という人種(の一部)の女性に対するエネルギーの高さ、マメさ、破天荒さは書く情熱に比例するのでしょうか。しょーもなく凡庸だけど妻一筋の男か、才能あふれる魅力的なクズ男か。安定か波瀾万丈か。まさに究極の選択であり、夫を決める上での永遠のテーマ。今この年齢になってみると、“自分の選択”は正しかったのかどうか、『人間失格』を観て我が人生が“人生失格”か合格か、考えてしまいました。

 

 

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