大王製紙株式会社
生理休暇制度を利用できていない女性は約9割に迫る 一方10-20代の若年層男性は生理への理解意欲が高い結果に~エリスコンパクトガードが生理に関する調査を発表~
生理に関する映画が公開されるなど「生理」が何かと話題となっている中、活動的な女性に向けた超スリムタイプ生理用ナプキン「エリス コンパクトガード」を販売している大王製紙株式会社(住所:東京都千代田区)は、2019年12月、16歳以上の男女624名を対象に「生理に関する意識調査」をインターネットにて実施しました。
【調査結果総括】
今回の調査では、女性の社会進出に伴い生理休暇制度を企業が整備しているにも関わらず実際には生理休暇が取得できていないと答えた人が約87%に達していることがわかりました。さらに、生理について周囲に言えず困っている人が約39%、生理時にナプキンを交換できず困ったことがあると回答した人は約66%にも上るという結果となりました。
また、昨今メディアやSNS、映画などで生理に関する話題が増加していますが、10-20代※の生活者はこの話題について、約51%以上の人がポジティブに捉えていることがわかりました。一方、生理に対して異性と話すことに対しては、10代※は抵抗があると回答した人が約59%いるのに対し、20-40代は平均で約48%と、異性との会話への抵抗感が年代別に異なることがわかりました。また、男性の生理に対しての理解意欲については10代※で約67%、20代で約56%という結果となり30-40代の約48%と比較して、若年層では高い傾向にありました。
※10代は16歳~19歳を対象に調査
【調査結果サマリー】
■生理休暇取得について (女性対象)
・取得したことがない(87.2%)
・就いている職業に関わらず、取得したことのない人が多い
■生理について周囲に言えなくて困った経験(女性対象)
・非常にある/あると答えた人(39.1%)
■生理用ナプキンの交換について (女性対象)
・困ったことが、非常にある/あると回答した人は全体で66.0%
■生理のメディアでの話題について(男女対象)
・10-20代は51.0%以上がポジティブ 40-60代以降は約39.0%がポジティブで約12.0%の差
・60代は21.2%がネガティブ
■生理の異性との会話に抵抗があるか (男女対象)
・10代は58.7%が抵抗あり 20代以降は約44-51.0%が抵抗あり
■生理への理解意欲について(男性対象)
・理解したい、やや理解したい 10代 67.3% 20代 55.8%
【調査概要】
調査名:生理に対する意識に関する調査
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象者:16歳~65歳 男女
調査サンプル数:624名(10代・20代・30代・40代・50代・60代 各104名)
※10代は16歳~19歳を対象
調査期間:2019年12月12日(木)~2019年12月13日(金)
■社会学者 女性に関するテーマを中心に執筆・講演活動している田中ひかる コメント
田中ひかる 歴史社会学者 『生理用品の社会史』(角川ソフィア文庫)、『「毒婦」 和歌山カレー事件20年目の真実』(ビジネス社)、『「オバサン」はなぜ嫌われるか』(集英社新書)などの著書を執筆。
<生理への認識差異>
生理休暇を取得したことがない女性が87.2%と多いのは、鎮痛薬や低用量ピル、高性能の生理用品の普及によって、休暇を必要としない女性が増えたということもあると思いますが、生理休暇として申請せず、通常の有給休暇で対応している女性が多いためだと考えられます。
「生理休暇を取得したことがない理由」に、「上司も男性だったため」と回答している女性がいることから、生理であることを申告せずとも休める環境を整えていくことが必要です。
「生理痛は我慢するもの(中略)痛いなら、薬を飲んで我慢しろと教えられた」という回答が、20代の若い女性から得られていますが、これは、生理痛や月経前症候群の有無や軽重には個人差があるということが、社会的に共有されていないためです。
<生理への対応と社会の配慮>
「生理用ナプキンの交換について」は、衛生上の問題もあるので、どんな職場でも配慮が必要です。しかし、職種や時と場合によっては、どうしても長時間ナプキンを交換できない場面もありますし、
学生には生理休暇がありません。そんなとき、頼れるナプキンの存在は必要 不可欠です。特に、生理中だからといって服装を制限されたくない10代~20代の若い女性にとっては、長時間の使用に耐えるだけでなく、薄型であることも商品選択の際の重要なポイントになると思います。また、 生理用品を隠さないという風潮が広がりつつある今、デザイン性の高いパッケージが好まれることは、言うまでもありません。
生理中に「どんなことで困って悩んだのか」についての具体的な体験談は、身につまされました。生理痛が重く、市販の鎮痛薬が効かない場合は、婦人科で鎮痛薬や低用量ピルを処方してもらうことで、かなりの割合で症状が軽減されることや、生理日をずらすことができるといった「生理をコントロールするための情報」を、女性たちが得やすい環境を作ることが必要だと思います。もちろん、コントロールしきれない面もありますから、学校や職場での配慮は必要です。そうしないと、
生理によって女性が何かを諦めるという残念な状況が改善されません。
<生理の話題共有について>
「生理のメディアでの話題」に関しては、若い年代ほどポジティブに捉えていますが、特に10代男性の「双方向的な意思疎通がしやすくなったりすると思うから」という回答には、月経観の進化を感じます。ほかにも「いつか自分にもパートナーが出来た時に、生理についての理解があれば、的確なサポートができそうだと思うから」「女性社員の労務管理上、体調面のケアは必要だから」といった回答が、生理を隠さず、真面目に語っていくことの重要性を示しています。
しかしながら、「(生理が)話題になったことで一気にオープンにさせようと音頭をとる組織や人が現れると、逆に水を差すこともあるのではと心配」という回答もあり、まったく同感です。「自分のからだのことを話す必要はないから」「恥ずかしいから」という回答もあることから、何のために生理について語るのか、どのように語るのかを意識すること、そして羞恥心は人それぞれだということを念頭に置くことが必要でしょう。
<総括>
今回の調査は、現代日本の月経観を的確に捉えたものとして評価できるデータと言えます。月経観は若い世代を中心に確実に変わりつつあります。昨今の生理ムーブメントを経て、今後は、生理にまつわる問題が、個人で解決しなければならない状態から、社会的にフォローしていく方向へとシフトしていくのではないでしょうか。
【調査結果】
■生理休暇取得について (女性対象)
・取得したことがない(87.2%)
・就いている職業に関わらず、取得したことのない人が多い
今までに生理休暇を取得したことはありますか。n=312
※学生の方は、生理が原因で学校をお休みしたことがあるかについてお答えください。
※学生の場合、アルバイトの経験も含む
生理休暇を取得したことがない理由(自由回答)
・生理休暇があるのを知らなかったから(20代女性 会社員)
・使っている人を見たことがなく、上司も男性だったため。(20代女性 会社員)
・生理痛は我慢するものという、周りの認識が学生時代からあるから。痛いなら、薬を飲んで我慢しろと教えられた。(20代女性 専業主婦)
■生理について周囲に言えなくて困った経験(女性対象)
・非常にある/あると答えた人(39.1%)
困ったことに関する具体的な体験談
・生理痛が酷いけれど、立ち仕事で抜けられないとき我慢しなくてはいけないから(10代女性 会社員)
・すごくお腹が痛いけれど、テスト期間だったから休めず、保健室にも行けなかった(20代女性 学生)
・接客業務の為、自由にトイレに行けない。出血量が多くWで(タンポン+ナプキン)でも漏れる事がありとても困った。(20代女性 会社員)
・若い頃だが、前々から計画していた温泉旅行の日に生理日がズレて当ってしまい、言い出しにくかった。(30代女性 会社員)
■生理用ナプキンの交換について (女性対象)
困ったことがあると回答した人は全体で66%
ナプキンが交換できなかった理由
・事務でのバイトで、トイレまでに距離があり、ポーチを持って移動するとあからさまに生理用品を持っているように感じるため、夜用のタイプのものを使用して、交換しなくても大丈夫なようにしている。(10代女性 学生)
・長時間の立ち仕事のバイトで、なかなか替えることができず、漏れていないかとても心配だった。(10代女性 学生)
・人の家を訪問する外回り中心の仕事なので途中でトイレに行くことが出来ない(30代女性 会社員)
■生理のメディアでの話題について(男女対象)
・10-20代は平均約51%以上がポジティブ 40-60代以上は平均約39%がポジティブで約12%の差
・60代は21.2%がネガティブ
ポジティブな傾向だと答えた理由
<女性>
・生理がどういうものでどれだけの個人差があるのかを男性だけではなく、生理の症状が軽い女性にも知ってもらえれば、対応の仕方を考えられると思うから(10代女性 学生)
・今までが、口にしづらい雰囲気過ぎたと思う。ただ、話題になったことで一気にオープンにさせようと音頭をとる組織や人が現れると、逆に水を差すこともあるのではと心配。SNS等で草の根レベルから広まるのは良い傾向だと思う。(20代女性 会社員)
<男性>
・知識を得ることで、間違った解釈が少なくなったり、双方向的な意思疎通がしやすくなったりすると思うから。(10代男性 学生)
■生理について異性と話すことに抵抗があるか (男女対象)
・10代は58.7%が抵抗あり 20代以降は44-51%が抵抗あり
生理について、異性と話すことに抵抗がある理由
<女性>
・自分のからだのことを話す必要はないから(10代女性 学生)
・恥ずかしいから(10代女性 学生)
・同性でもオープンに話すべき内容ではないと教えてられてきたから。(30代女性 会社員)
<男性>
・タブーな感じがするから。(10代男性 学生)
・セクハラになるかもしれないから。(30代男性 会社員)
・あまり触れてはいけない話題であると意識的に思ってしまっているため。(30代 会社員)
■生理への理解意欲について(男性対象)
・理解したい、やや理解したい 10代 67.3% 20代 55.8%
女性の生理について今より理解したいと思う理由
・男性にも最低限の理解は必要だと思う。(10代男性 学生)
・いつか自分にもパートナーが出来た時に、生理についての理解があれば、的確なサポートができそうだと思うから。(20代男性 会社員)
・女性社員の労務管理上、体調面のケアは必要だから。(50代男性 経営)
■チャレンジし続ける女の子を応援する生理用ナプキン「エリス コンパクトガード」
次世代をつくる10代後半から20代前半の活動的な女性に向けた超スリムタイプ生理用ナプキン「エリス コンパクトガード」を2018年より発売しております。
若年層をターゲットに、「エリス コンパクトガード」は「2mmの薄さで5時間サラサラ(夜用は8時間サラサラ)(*1)」を実現。2mmの薄さで超スリムにもかかわらず、超吸収ポリマーにより、普通のナプキンの2倍吸収(*2)!
経血がドッと出てもすぐ吸収し、表面はサラサラが持続します。さらに、シンプルでかわいいデザインなど、細かなところまで女心をくすぐります。アクティブに動いてもズレないように接着面を強化リニューアル。「エリスコンパクトガード」で、生理中の不安を解消することによって、チャレンジし続ける女性たちに寄り添い続けます。https://www.elleair.jp/elis/compact-guard/
(*1) 当社基準
(*2) 昼用は当社「エリス新・素肌感ふつう~多い日の昼用 羽つき」との比較、夜用は当社「エリス新・素肌感多い日の夜用 羽つき」との比較