公益財団法人ジョイセフ
公益財団法人ジョイセフは国際ガールズ・デー月間の10月に、 SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:性と生殖に関する健康と権利)に関する情報発信と機会提供を行う「I LADY.」 (http://ilady.world/)の一環として、パートナーであるFIATとともにデジタル漫画を制作、公開しました。
さらに、2020年夏、 SNS上でハッシュタグ(#)男女共同参画ってなんですか 付けて日本の10代20代から発信された最も関心の高いテーマ「結婚・パートナーシップ」。これをテーマにタレントのSHELLYさんらと「座談会」を開催し、その模様をYouTubeで配信いたします。
近年、世界各国で性と生殖に関するさまざまな議論が進み、恋愛やパートナーシップについても多様な価値観が提唱されています。一方で、ジェンダーギャップ指数が121位(2019年)とG7の国で最下位の日本では、いまだに性についての課題と対策が見えづらい傾向にあります。
今回制作したデジタルマンガは、4人の登場人物の生活を4話で展開され、日本の女性、男性の恋愛観や性・ジェンダーの意識、さらにその男女差、日常生活をリアルに漫画で描写しました。
この漫画や、座談会を通して、日本で暮らす10~30代が自分自身を見つめ直し、考え、意識が変わり、自ら行動を起こすきっかけになれば本望です。広く周知、報道をお願いいたします。
第一章(1) 17歳 かな テーマは、知ること 高校生の悩み 避妊
性に対する興味と知識の乏しさが同居する、女子高校生かな。彼への想いが募るほど高まる、性に対する不安や動揺。保健室の先生への相談から、避妊に対する正しい知識を学んでいく。
第二章(2) 28歳 まゆみ テーマは、戦う 女性のキャリア
夢に向かって仕事と向かい合う、営業ウーマンのまゆみ。そんなある日、希望していた海外赴任のチャンスが。彼への想いと仕事への情熱の間で揺れ動く、まゆみが選んだ未来とは。
第三章(3) 21歳 みゆき テーマは、自信 ステレオタイプな恋愛観
初めて男性と付き合うことになった、女子学生みゆき。しかし、エスカレートしていく彼のわがままの前で、みゆきは自分らしさを見失っていく。
第四章(4) 35歳 ようこ テーマは、コミュニケーション 夫婦の日常
家族3人で暮らす、結婚式6年目の主婦ようこ。いつの日か、夫とのすれ違いが広がり、修復が困難な状況に。夫婦の溝を埋めるには、一体何が必要なのか。
漫画 イラストレーター 伊吹 春香 Haruka Ibuki
鳥取県出身・在住のイラストレーター。
東京の短期大学卒業後、鳥取に戻り広告代理店にデザイナーとして勤務。
2019年に独立。
レトロな雰囲気を基調に可憐さ、儚さ、切なさが詰まった独創的なイラストを描く。
現在、広告やパッケージデザインの制作など、幅広いシーンで活躍中。
【受賞歴】
第190回The choice(ザ チョイス) 江口寿史選 準入選
第9回青空文庫有名小説表紙絵コンテスト 入選
UNKNOWN/ASIA Reviewer Prize 豊田穂乃花賞
第一話監修者 遠見才希子 Sakiko Enmi
神奈川県藤沢市出身。2005年、聖マリアンナ医科大学在学中より中高生向けの性教育活動を開始。’えんみちゃん’のニックネームで中高生から人気を集め、全国700ヶ所以上で講演を実施。産婦人科医として亀田総合病院、湘南藤沢徳洲会病院などで勤務。現在、筑波大学大学院社会精神保健学分野博士課程に在籍し、性暴力、人工妊娠中絶についての調査を行う。
著書『ひとりじゃない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)DVD教材『自分と相手を大切にするって?えんみちゃんからのメッセージ』(日本家族計画協会)
全話監修 公益財団法人ジョイセフ「I LADY.」
日本においてもグローバルスタンダードなSRHRの意識の向上が急務だと「I LADY.」を始めて早4年が経過しました。日本では、無意識のうちに「ジェンダー」の刷り込みがあり、「男はこうあるべき、女はこうあるべき」といったステレオタイプに左右されているのではないか?という疑念の共感から、 今回、FIATさんとデジタル漫画の企画が生まれました。こうしてリリースできたことに大変喜びを感じています。
I LADY. で発信しているメッセージの1つ、「Decide yourself(自分の人生を自分で決める)」。この漫画を見た一人ひとりが「自分らしい選択・決断ができているか?」を今一度振り返り、考えるきっかけになればうれしいです。
2015年に国連総会で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は前文で「すべての人々の人権を実現し、ジェンダー平等とすべての女性と女児の能力強化を達成することを目指す」とし、人権とジェンダー・女性の視点が明確に示されています。世界ではスタンダードである人権としての「SRHR」を日本でも普及すべく、国際ガールズ・デー2020を機に生まれたこのデジタルマンガ、そして「座談会」が、日本のSRHRの意識向上のための新たな第一歩、布石になることを願っています。
小野美智代 Michiyo Ono
ジョイセフ(公益財団法人)市民社会連携グループ長。2003年よりジョイセフの広報・ブランディングに携わる。国際協力NGOだからこその視点でジェンダーやセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの課題を捉え、日本国内で意識向上やアクションの促進を目的とした「ホワイトリボンラン」 や「I LADY.」をスタート。世界中すべての女性が健康で、自分の人生を自分で選択できる社会を目指して、FCAをはじめとする多くのパートナー企業と連携し事業を実施している。1974年静岡県生まれ、在住
ティツィアナ・アランプレンセ (写真中央)
イタリア・ナポリ東洋大学で日本政治文化経済学を学んだのち、奨学生として来日し、九州大学大学院を卒業。卒業後はイタリアに帰国し、日本の自動車メーカーの現地法人で勤務。1992年にフィアット グループ オートモービルズS.p.A(当時)に入社。2005年には同日本法人フィアット グループ オートモービルズ ジャパン(当時)のマーケティングディレクターとして再来日。現在はアルファロメオ、フィアット、ジープ、アバルトの4つのブランドを国内で展開するFCAジャパンのマーケティング本部長。#ciaoDonnaプロジェクトの仕掛け人でもある。
EVENT REPORT:
国際ガールズ・デー2020 スペシャル座談会
「男でも女でもなく『私』でいたい!」
2020年7~8月に展開された #男女共同参画ってなんですか SNSで日本の10代20代の若者が寄せた1000件以上の意見をとりまとめ、橋本聖子男女共同参画大臣に直接、提言書を手渡しました。その中で、最も多かった意見は、「パートナーシップ」について。特に多かった選択的夫婦別姓と、同性婚、この2つのテーマで座談会を実施しました。
登壇者プロフィール
THEME 1「パートナーシップ 選択的夫婦別姓」
櫻井 彩乃 Ayano Sakurai
日本の若年女性のエンパワーメントを目的としたTorch for Girls代表、誰もが生きやすい社会のため、世代(10代~80代)を超えたアクションを目的としたCouleur代表。
高校2年生の時に「女は黙ってろ」と同級生に言われたことがきっかけで、ジェンダー平等のために生きると決める。
大学在学中、国連女性の地位委員会 (CSW) や JICA のプロジェクト(ラオス)にも参加。東京都葛飾区男女平等 推進審議会委員、葛飾区女性のための防災対策等検討 委員会委員を務める。
ボーダレスジャパン(JOGGO)にて2年半勤務後独立。現在、#男女共同参画ってなんですか代表としてプロジェクトを進めている。
SHELLY
タレント、I LADY.アクティビスト
THEME 2「パートナーシップ 同性婚」
みたらし加奈 Kana Mitarashi
東京都生まれ。臨床心理士。SNSを通して、精神疾患の認知を広める活動を行っている。大学院卒業後は、総合病院の精神科にて勤務。現在は、フリーランスの活動をメインに行っている。女性のパートナーと共に「わがしChannel」というYoutubeチャンネルを運営。6月30日には初のエッセイ『マインドトーク-あなたと私の心の話』を出版。性暴力や性的同意に関する情報を専門家と発信するメディア、mimosasの理事も務める。
I LADY.動画チャンネルは、こちらからご覧になれます。
10月31日(土)12:00 配信スタート
Youtube でご覧ください。
■「I LADY.」について
恋愛、セックス、避妊、妊娠、産む、産まない―。
自分らしい人生を、自分で決める”ライフスキルを
I LADY. は、国際協力NGOジョイセフが、グローバルな視野で特に日本の10~20代を対象にSRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:性と生殖に関する健康と権利)に関する幅広い情報提供を行い、一人ひとりのアクションのきっかけをつくる活動です。
全国各地でのワークショップやピア・アクティビスト養成研修により、発信者を増やしています。著名人や専門家にアクティビストとして一緒に活動してもらうことで、信用できるプログラムを構築し、活動を普及しています。
インターネット上の情報が氾濫するこの時代だからこそ、一人ひとりが一度立ち止まって自分と向き合う機会を提供し、自分の人生を自分で決めて行動する後押しをしたいと考えています。
公式サイト: http://ilady.world
■SRHR(性と生殖に関する健康と権利)について
セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスとは、性や子どもを産むことに関わるすべてにおいて、身体的にも精神的にも社会的にも良好な状態であることです。
セクシュアル・リプロダクティブ・ライツは、自分の意思が尊重され、自分の身体に関することを自分自身で決められる権利のことです。
■国際協力NGOジョイセフについて
ジョイセフは、世界でセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)を推進する、日本生まれの国際協力NGOです。1968年創立。
国連、国際機関、現地のNGOや地域住民と連携し、アジアやアフリカで、保健分野の支援活動を行っています。2017年に第1回ジャパンSDGsアワードのパートナーシップ賞を受賞。1968年創立、2018年に創立50周年を迎えました。
ウェブサイト:https://www.joicfp.or.jp/