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【報告書】NPO法人E-BeC、2020年度『乳房再建に関するアンケート調査』結果報告書を公開

NPO法人 E-BeC

「乳房再建手術」に関心を持つ乳がん患者さんを中心に319名の意識を調査。術式選択の悩みや術後の満足度、地域格差など今年も多くのリアルな当事者の声を掲載。

NPO法人エンパワリング ブレストキャンサー(所在地:東京都目黒区、理事長:真水 美佳、以下E-BeC)は2020年度『乳房再建に関するアンケート調査』結果報告書(以下、報告書)を公開いたします。この報告書は「乳房再建手術」に対する社会認知や理解の向上を図ることを目的に「乳房再建手術」の経験者を含む乳がん患者さんたちの意識を把握するために2013年から毎年実施しているもので、今回で8回目となります。
本アンケート調査はE-BeCが2020年中に開催した会場セミナー(1月/東京・六本木)、オンラインセミナー・ミーティング(5月~12月、計9回)の参加者にネットアンケートを実施し、その結果をまとめたものです。アンケート協力者は319名で、このうち乳がん経験者は304名でした。
2020年版『乳房再建に関するアンケート調査』結果報告書はこちらから URL:https://www.e-bec.com/wp-content/uploads/2021/06/reconstruction_report_2020_final0629.pdf

調査結果の概要(抜粋)

再建で重視するのは「自家組織・人工物の別」、「医師との信頼関係」、「医師の実績」。「費用」を挙げる人も依然として多い

NPO法人E-BeC 2020年度『乳房再建手術に関するアンケート調査』結果報告書
乳房再建手術を受ける際に考慮する項目として、最も重視する項目は例年通りの結果となった。「費用」については、一次再建を選ぶ人にとっては、乳がん手術と乳房再建手術と同時に行うことで費用の圧縮を図ろうとしていることが推測される。また、インプラントのリコール問題を受けて、脂肪注入など、保険適用外の術式を検討する人が増加した可能性もある。

再建にあたって望む条件は「左右のバランス」、「安全性」、「乳房のかたち」の順

NPO法人E-BeC 2020年度『乳房再建手術に関するアンケート調査』結果報告書
左右のバランス」と「安全性」は毎回最も多い条件で今回も上位を占めた。インプラントリコール問題の影響もあり、「安全性」に対する関心が高い状態が続いている。乳房の左右バランスについては、今後は健側の修正手術についても保険適用になることが望まれる。

術式では「脂肪注入」増加傾向。今後の保険適用への期待も高い

2020年は、脂肪注入による再建を選ぶ人の割合が増加しており、自由回答では脂肪注入による乳房再建が保険適用になることを望む声が多く見られた。脂肪注入による乳房再建に対応している医療機関は全国的にもまだ少なく、そのメリット・デメリットに関する情報も限られているのが現状であるため、今後の正しい情報発信・啓発活動が求められる。

乳房再建手術に関する地域格差が依然として課題

アンケート回答者の居住地域をみると、東京・神奈川を中心とする関東圏で約8割を占めるなど、依然としてと地域偏向が見られる。自由記述回答においても、地方における情報格差や術式選択における影響などへの指摘も見られ、乳房再建手術のさらなる普及のためには、地域格差の解消が必至であると伺える。

引き続き求められる、主治医や医療機関からの丁寧な説明。リスク情報開示への要望も

乳房再建手術の際に病院で欲しかったサポートとしては、例年同様「再建手術経験者の話を聞く機会」「主治医の術例写真をみる機会」「アドバイスがもらえる看護師の存在」があげられた。また自由回答意見としては「リスク情報開示」に関するコメントもあり、ここでもインプラントのリコール問題の影響が伺える。

乳房再建手術の時期について、「一次再建」選択者の割合は微増にとどまる

2013年の調査以降、乳がん手術から再建手術(エキスパンダーの挿入を含む)までの期間について「同時」と回答する人の割合は、特に首都圏では、乳房再建までも視野に入れて乳がん治療に臨むことが一般的になっていることを背景に年々増加傾向にあった。2019年から2020年までは微増にとどまっており、その一因としてはインプラントのリコール問題の影響を受けた人が一定程度いた影響が推測される。

インプラントのリコール問題:術式選択や費用負担、満足度に影響

2020年度の調査結果は、2019年7月に突如発生したインプラントのリコール問題を色濃く反映しており、特に「術式選択」において保険適用となるインプラントがなかったことから、費用への懸念増、さらに乳房再建手術の満足度を低下させるなどの悪影響が見られた。また、自由記述回答では、限られた情報の中で不安に陥った人が「リスク情報が適切に開示されるべき」と回答するなど、その情報発信のあり方に課題を残すことになった。

基礎データおよび記述式回答の詳細につきましては2020年度『乳房再建に関するアンケート調査』結果報告書をご参照ください。URL:https://www.e-bec.com/wp-content/uploads/2021/06/reconstruction_report_2020_final0629.pdf

【サンプル特性の留意点】

「乳房再建手術」に関心のある人々が対象
地域によるサンプルの偏り
乳房再建用エキスパンダーおよびインプラントのリコール問題による影響

※本報告書の内容の無断転載・複写はご遠慮ください。内容を引用する際には必ず出典を明記してください。

NPO法人E-BeC 理事長 真水 美佳 コメント
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が断続的に続いた2020年は、私どもにとって従来の方法にとらわれない新たなセミナーのあり方を模索する1年となりました。奇しくも上記リコール問題のタイミングと時を同じくしたこともあり、オンラインの特性を生かし、「乳房再建手術」に関するタイムリーで正確な情報発信と、専門医による詳細な説明を多くの患者さんに届けることができ、E-BeCのミッションである「時代の変化を正しく見極めながら、いま患者さんたちが最も必要とする情報を広く提供していく」ことの重要性を改めて強く認識することとなりました。
おかげさまで、今回もこの調査を通じて多くの方々の「乳房再建手術」に対する意識を知ることができました。この調査結果が、「乳房再建手術」を実施する医療機関並びに医療従事者、また乳がんや乳房再建手術に関連する商品・サービスを取り扱う企業の活動に寄与するものとなり、「乳房再建手術」のより良い環境づくりやさらなる理解の拡大、ひいては乳がん患者さんのQOL(生活の質)の向上に結びついていくことになれば、私どもとしてもこれに勝る喜びはありません。

特定非営利活動法人エンパワリング ブレストキャンサー
エンパワリング ブレストキャンサー(E-BeC)は、乳がんを宣告され混乱の渦中にいる方や手術によって乳房を失い喪失感にとらわれている方に、乳房を取り戻す「乳房再建手術」について正しく知ってもらい、希望と自信をもって生きていくきっかけを提供することを目指して活動している患者支援団体です。
ウェブサイトや出版物による、乳がんおよび乳房再建に関する科学的根拠に基づいた情報提供活動、地域や自治体、医療機関、企業等での講演会やシンポジウム、アンケート調査、イベント等の開催を通じた啓発活動により、乳がん患者さんの悩みや不安、孤立感を解消するとともに、大切な人を支える周りの方にも乳房再建という選択肢に対する理解の拡大を目指します。
E-BeCの活動に関する詳細はhttps://www.e-bec.comにてご覧いただけます。

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