文京区立森鴎外記念館
期間:2022年4月23日(土)- 7月31日(日) プレス内覧会:4月22日(金)18時~20時
明治の文豪・森鴎外を敬愛する小説家・平野啓一郎が選出した作家や研究者8名(青山七恵、コリーヌ アトラン、宇佐見りん、ロバート キャンベル、永井愛、中島隆博、平出隆、村田喜代子)とともに鴎外を読み解きます。また、鴎外を語った作家たちや、鷗外訳『即興詩人』が現代まで読み継がれてきた変遷も展覧します。
森鴎外(本名 森林太郎(1862-1922)は、小説『舞姫』『高瀬舟』『雁』『山椒大夫』、翻訳『即興詩人』『ファウスト』はじめ1,300以上の著述を遺しました。幼いころに漢学を、大学では医学を学び、 陸軍軍医として衛生学を修めにドイツへ留学。医学のみならず西欧文化を日本に広め、晩年は 帝室博物館総長兼図書頭を務めるなど、近代日本を代表する知識人のひとりです。
鴎外は、明治・大正には文学者たちに師と仰がれ、昭和・平成を通しては文芸に加えて多分野にわたる業績についても見直されるなど、時代状況に従って、さまざまな関心で読み継がれてきました。そのたびに、作品や人物像について新しい面が表れてくるのが、鴎外の魅力であり強さです。
本展では、鴎外を敬愛し、現代を代表する作家・研究家らとともに鴎外を読み解き、取り上げた作品の関連資料などもご紹介します。大きな節目の年に、鷗外をよく知っている方も、まだ読んだことがない方も、鴎外との新たな出会いが楽しめる特別展です。
■ 読み継がれる鴎外-現代を代表する表現者9名が鴎外作品を繙きます。
・ 巻頭論考 鴎外を今読むこと 平野啓一郎(小説家/当展覧会企画協力)
・ まじないとしての『雁』 青山 七恵(作家)
・ 決断と結末 宇佐見りん(作家)
・ 現代も語る普遍的な物語『山椒大夫』 コリーヌ アトラン(翻訳家・小説家)
・ 『ヰタ・セクスアリス』 ロバート キャンベル(日本文学研究者・早稲田大学特命教授)
・ 鴎外の哀しみ 村田喜代子(作家)
・ 鴎外と大逆事件 永井 愛(劇作家・演出家)
・ 森鷗外と陽明学 中島 隆博(東京大学教授・哲学者))
・ 鴎外の時間と空間-河原温への連想 平出 隆(詩人・多摩美術大学名誉教授)
会期等概要
□ 展覧会名 生誕160年没後100年記念「特別展 読み継がれる鴎外」
□ 会期 2022年4月23日(土)~7月31日(日)
□ 主催 文京区立森鴎外記念館
□ 会場 文京区立森鴎外記念館 展示室1・2
□ 休館日 毎月第4火曜日、5/23(月)6/27(月)
□ 開館時間 10時~18時(最終入館17時30分)
□ 観覧料 600円(20名以上の団体480円)
□ 企画協力 平野啓一郎(小説家)
監修 山崎一穎(跡見学園女子大学名誉教授、森鴎外記念会顧問)
出品協力 県立神奈川近代文学館、世田谷文学館、たばこと塩の博物館、多摩美術大学図書館
□ 展示関連講演会(当館講座室にて、定員30名、事前申込制、本展観覧券が必要)
・ 演題「森鴎外と陽明学」 中島隆博(東京大学教授、哲学者)
日時 5月28日(土)14:00~15:30
・ 演題「鴎外と大逆事件」 永井愛(劇作家、演出家)
日時 6月19日(日)14:00~15:30
□ 展示解説(当館学芸員によるギャラリートーク)
5/4/、6/15、7/13 いずれも水曜日14時から
□ 関連イベントとして、文京区主催
鷗外没後100年記念シンポジウム「読み継がれる鴎外」の開催を予定しています。
日時:7月3日(日)14時 会場:東京大学伊藤謝恩ホール
内容:当展示企画協力、平野啓一郎氏による基調講演ほか、パネルディスカッションを予定しています。詳細 が決まり次第、文京区Webサイト等でご紹介いたします。
□ 参考広報画像
キャプション 上から・森鴎外46歳(1908年 陸軍省医務局長室にて)
・鴎外著作の数々
・安野光雅『繪本 即興詩人』
(講談社、2002年)『口語訳 即興詩人』(山川出版、2010年)