公益財団法人日本ユニセフ協会
【2022年5月18日 ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)と国際移住機関(IOM)は、本日、移民の子どもの権利を保護するため、両機関の連携を強める新たな戦略的協力枠組みに署名しました。
2006年、ユニセフとIOMは、人道危機における両機関の主な協力分野を定めた覚書に署名しました。それ以来、世界中の移民の子どもたちが抱える喫緊の課題に対処しつつ、この協調関係はいっそう強化されてきました。
ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは、「世界中で、移民の子どもたちは、外国人を嫌悪する風潮の高まりや、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる社会経済的影響、必要不可欠なサービスを受けられない状況に苦しんでいます。このパートナーシップ強化により、こうした子どもたちが生活を充実させるために必要なサービス、支援、保護を届ける能力が向上するでしょう」と述べました。
この新しい枠組みは、国際移住レビューフォーラム(5月17~20日の日程で開催)の一環として開催されたマルチステークホルダー・ダイヤログに先立ち、ニューヨークのユニセフ本部で署名されました。移民の子どもたちの安全と幸福に対応する優先事項を設定することにより、当該パートナーシップの先見性と対応力を強化するものです。
今般の合意は、制度的枠組みを提供するものであり、現場における両機関のパートナーシップの経験から始まり、構築されてきた協調関係を、改良し、かつ強化するものです。同枠組み内で示された主な優先事項は以下の通りです。
直接支援を担当する機関、関係者のための能力を強化すること
移民や帰還民の子どもが直面する保護リスクや、権利侵害などの傾向を特定するためのデータ収集・発信をすること
子どもに配慮した保健・教育サービスの受け入れ能力を強化し、各国の制度において、これらのサービスがすべての子どもに包括的に届けられるようにすること
移民の子どもを支援するため、人道支援関係者らの協力を強化すること
子どもの保護や社会保護制度を強化することで、すべての移民の子どもが対象となるようにすること。また、ケースマネジメントと、子どもに配慮した帰還・再統合のプロセスを強化すること
各地域レベルから国際レベルに至るまで、政策や制度に影響を与え、関連する人道支援機関や開発機関、各国政府当局との協力を促すこと
ユニセフとIOMは現在、世界が直面する喫緊の課題に対処しており、移民の子どもたちの安全と生活を確保するために、他の人道支援機関やそのパートナーに対しても、同様の協力体制を確立するよう訴えています。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/