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【京都】次世代の育成支援のための文化プログラム「五感から知る言葉にならない日本の美」(全5回)が2024年秋から本格始動。460余年の歴史をもつ京友禅の老舗・千總を母体とした千總文化研究所が主催

一般社団法人千總文化研究所

大人が日本の文化芸術を学ぶワークショップ&講演会。第1回は、創業300余年 香老舗・松栄堂の代表を迎えて11月16日(土)に開催。収益は次世代育成事業の運営に充当し、次世代への文化継承を目指す。

一般社団法人千總文化研究所(所在地:京都市中京区、代表理事:西村總左衛門)は、2024年秋から、次世代育成支援のための文化プログラム「五感から知る言葉にならない日本の美」(全5回、場所は京都市内・京都市近郊)を開催します。

本プログラムは、日本の第一線で活躍する表現者・技術者による五感を切り口としたワークショップ&講演会です。日本の美を五感からたどり、人の感性に立ち返った文化芸術の伝承をテーマに展開します。本プログラムの収益は、当研究所が企画・開発を進める次世代育成プログラムの運営に充てられます。次世代に伝え遺したい日本文化を共に考え、大人の学びが子どもの学びの支援となる「学び」のバトンを繋ぐことで、文化継承の新たな形を社会に創ります。

第1回は、創業300余年の香老舗・松栄堂の代表を迎えて、11月16日(土)に開催します。

五感がつなぐ日本の文化芸術
日本には、世界に誇るべきさまざまな文化芸術があり、そこには数えきれないほどの卓越した技術が凝縮されています。日本のものづくりにみる息を呑むような繊細な美や技術が、どのように伝承されてきたものか、誰もがその物語を知りたいと願っているのではないでしょうか。
一方で、歴史的・地理的な背景から重層的に構成された知識や概念を紐解き、深く理解することは容易なことではないでしょう。しかしそれが、日本の繊細なものづくりや長い伝統を持つ文化芸術を難しくする一つの要因かもしれません。

そうした背景から、本プログラムでは、日本の第一線で活躍する表現者・技術者による五感を切り口としたワークショップと講演を設計いたしました。
世代や時空を越えて受け継がれ完成されるもの、材料に見られる唯一無二の特性、修練を重ねて体得された表現に、五感を研ぎ澄ませる体験を提供いたします。
これは、人のプリミティブな感性に立ち返った文化芸術の伝承であり、デジタル技術によって様々な事柄を容易に他者と共有できる現代への問いとして、共有と共感の次元を転換する試みでもあります。

第1回 プログラム内容
「五感のバランスの再構築ー香りがうつす日本の感性ー」  
畑 正高 氏(株式会社 松栄堂 代表取締役社長)

日時: 2024年11月16日(土)13:30~16:15 (受付: 13:00)
会場:株式会社 松栄堂(京都市中京区烏丸通二条上る東側)
参加費:30,000円
定員:先着30名
お申込方法:千總文化研究所公式ウェブサイトイベントページよりお申し込みください。

[ タイムテーブル ]
13:30~14:20  講演
14:30~16:15  ワークショップ お香席での聞香体験とお茶席でのお呈茶

香りと人との関係は、どのようなものでしょうか。
香りは、空間に緩やかに広がり、人はその存在を目で確かめることはできず、同じ空間で同じ香りを知覚し続けることもできません。しかし香りは、抽象的な余韻を残し、人の記憶や感情の深くに働きかける存在でもあります。
古来、香りを焚く文化は、洋の東西を問わず広く用いられ、日本には仏教と共に伝来しました。以来、国内では香りの素となる天然素材を収穫できないにも関わらず、種々の香料を配合した「薫物」、香木そのものを焚く「聞香」といった香りの文化が日本において独自に発達しました。密教や禅宗の教えに影響を受けた作法、陰陽学に導かれた香りの分類、種々の景物に着想を得た香りの名付けといった香りの文化を形づくる体系は、香りという移ろいやすい存在と向き合うための手立てなのかもしれません。
では、香りの価値とは何でしょうかー。皆様と共に考えてみたいと思います。

ワークショップでは、掌の聞香炉に心を傾け、一片の香木のかすかな香りを心ゆくまで鑑賞します。この繊細な所作を「聞香(もんこう)」香を聞く、という美しい言葉で表現します。聞香に用いられる香木は、天然の木質香料です。香木にはそれぞれに個性があり、一つとして同じ香りはありません。そして、香りの生成の秘密は未だ正確に解き明かされておらず、人工的に作り出すこともできないとされています。この度、席主をつとめる畑 正高 氏自身が、本プログラムのために厳選した香木の香りをご案内いたします。

【インタビュー動画】畑 正高氏によるお香の文化史解説と次世代へのメッセージ

「五感から知る言葉にならない日本の美」
ー全プログラムー
第1回 2024年11月16日(土)畑 正高 氏(株式会社 松栄堂 代表取締役社長)
   「五感のバランスの再構築ー香りがうつす日本の感性ー」
第2回 2025年2月22日(土)福與 伸二 氏(サントリー株式会社 チーフブレンダー)
   「ウィスキーの香りと味わいの世界ー日本のものづくりー」
第3回 2025年4月19日(土)小西 寧子 氏(漆芸家)
   「漆の艶と螺鈿の煌めきー素材がもつ光を求めてー」
第4回 2025年7月26日(土)黒田 正玄 氏(竹細工・柄杓師 14代 )
   「自然から紡ぐ佇まいー見て触れて知る竹の姿ー」
第5回 2025年10月11日(土)大倉 源次郎 氏(能囃子小鼓方大倉流16世宗家)
   「五感で楽しむ五人囃子ー音を観て時空の旅へー」

*開催場所 京都市内・京都市近郊(会場は回により異なります)
*開催時間 午後の時間帯2時間程度(開始・終了時刻は回により異なります)
*参加費:30,000円/回
*定員:30名/回

ー登壇者プロフィールー

畑 正高(株式会社 松栄堂 代表取締役社長)
1954年、京都生まれ。同志社大学卒業後、渡英。1977年、松栄堂入社。1998年、代表取締役社長就任。社業に加え、香文化普及発展のため国内外での講演・文化活動に取り組む。2022年、文化庁長官表彰受賞。2024年、旭日双光章受章。アメリカにおいては、20年にわたる文化交流活動に対し、2004年ボストン日本協会よりセーヤー賞を受賞。著書に『香三才』(東京書籍、2004年)、『香清話』(淡交社、2011年)、『香千秋』(松栄堂、2023年)などがある。

福與 伸二 (サントリー株式会社チーフブレンダー)
1961年、愛知県生まれ。名古屋大学農学部農芸化学科卒業。1984年サントリー株式会社(当時)に入社。白州ディスティラリー(現在の白州蒸溜所)、ブレンダー室を経て、1996年に渡英。ヘリオットワット大学(エジンバラ)駐在や、モリソンボウモア ディスティラーズ(グラスゴー)への出向勤務の後、2002年帰国。2003年に主席ブレンダー、2006年にブレンダー室長を経て、2009年に5代目チーフブレンダーに就任。山崎の各種限定シリーズをはじめ、数多くのサントリーウイスキーを手掛けている。

黒田 正玄(竹細工・柄杓師 14代)
1967年、京都生まれ。生家の黒田家は400年以上続く竹細工の家として、千家十職の竹細工・柄杓師を務める。同志社女子大学学芸学部英文学科卒業後、航空貨物会社勤務を経て家業に従事。2006年より千家に出仕。2014年に「14代黒田正玄」を襲名。2015年から2016年にかけて、「襲名記念 十四代 黒田正玄展」を全国6カ所で開催。2016年、「茶の湯の継承千家十職の軌跡」展(日本橋三越本店)に出品。

小西 寧子(漆芸家)
1968年、奈良生まれ。京都女子短期大学部文化国語専攻卒業。1992年、結婚を機に実家の家業である漆工芸を始める。父・北村昭斎(人間国宝)に師事。2006年、文化庁文化財修理技術者講習修了、2009年「螺鈿の系譜 人間国宝北村昭斎展」(高島屋大阪店)に出品。ギャラリーきのわ(奈良市)にて個展開催。2012年、国際漆芸玩飾展(北京 QIAO GALLAERY)出品、2013年、「北村繋・小西寧子二人展」(高島屋大阪ギャラリーNEXT)開催、2015年~2017年、「工藝を我らに」展(資生堂アートハウス)に出品。受賞歴として、2001年日本伝統工芸近畿展近畿支部奨励賞受賞、2011年第40回日本伝統工芸近畿店にて奈良県教育委員会長賞。

大倉 源次郎(能楽小鼓方大倉流16世宗家、重要無形文化財保持者)
1957年、大阪生まれ。父15世宗家・大倉長十郎に師事。1964年独鼓「鮎之段」にて初舞台。1981年甲南大学卒業。1985年能楽小鼓方大倉流16世宗家を継承(同時に大鼓方大倉流宗家預かり)。新作能、復曲能に数多く参加。能楽DVD「大和秦曲抄」「五体風体」を制作。1991年大阪市咲くやこの花賞、2015年観世寿夫記念法政大学能楽賞を受賞。2017年に重要無形文化財保持者各個認定(人間国宝)。公益社団法人能楽協会理事。一般社団法人東京能楽囃子科協議会理事。一般社団法人日本能楽会会員。著書に、『大倉源次郎の能楽談義』(淡交社、2017年)、『能から紐解く日本史』(扶桑社、2021年)

【千總文化研究所の次世代育成プログラムとは】
 千總文化研究所は、2021年より次世代育成のための教育プログラムの開発を、教育工学の専門家の指導のもと進めて参りました。2022年には、染織技術、色や模様など着物に関わる事柄を学校で学ぶ科目と結びつけ、学問分野を横断した学際的な学びを提供する課外プログラム「きもの科学部」を京都市教育委員会の協力のもの設計・実施いたしました。次世代を担う子どもたちには、学問と社会と文化のつながりや自然界と人間界の関係性から、未来を考える力を身につけてほしいと考えています。

 今回の収益により、中学生・高校生のための課外プログラム「きもの科学部」を実施するのほか、国内外の教育機関・専門家と連携した異文化交流や教育教材開発への展開を進めます。着物以外の分野への応用も視野に、文化芸術を題材とした次世代の創造力や思考力育成プログラムの社会実装を目指して参ります。
「五感から知る言葉にならない日本の美」は、大人から子どもへの「学び」のバトンです。大人は五感から、子どもは学校の科目から、アプローチは異なりますが、どちらのプログラムも文化芸術の新しい伝承の方法論がテーマです。「学び」と「伝える」のバトンをつないでいただきたく、ご案内申し上げます。

次世代育成プログラム開発のストーリーはこちら
中高生のための課外プログラム「きもの科学部」2024年の詳細はこちら
一般社団法人千總文化研究所
1555年に京都で創業して以来、様々な染織品手がけてきた千總(現:株式会社千總ホールディングス)を母体として設立されました。千總の有形・無形の文化財を「美」「技術」「京都」をテーマに調査研究、教育活動を行なっています。

[概要]
団体名:一般社団法人千總文化研究所
所在地:京都市中京区御倉町80
代表理事:西村總左衛門
事業内容:有形・無形文化財の調査研究、教育普及活動
設立:2017年
公式ウェブサイト: www.icac.or.jp

【掲載・取材に関する問い合わせ】
千總文化研究所イベント事務局 info@icac.or.jp
京都市中京区御倉町80
TEL 075-211-2531 (平日:午前10時~午後5時)
担当:加藤結理子

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