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Prtimes調査レポート

専業主婦であることへの罪悪感に世代間格差/子どもいる・いないでも違い30代以下「罪悪感ある」7割

ビースタイル

50代以上は45.7%、子どもいない主婦は69.6% ~しゅふJOB総研調査~

主婦に特化した人材サービス『しゅふJOB』(事業運営者:株式会社ビースタイル/本社:東京都新宿区、代表取締役:三原邦彦)の調査機関しゅふJOB総研は『専業主婦への罪悪感』をテーマに働く主婦に行ったアンケートについて、専業主婦・主夫経験者のみを抽出して年代別等の追加分析を行いました。以下にご報告します。(有効回答数815件)

■調査結果概要

1.<前回調査より>専業主婦・主夫であることに、後ろめたさや罪悪感のようなものを覚えたことが「ある」25.4%、「少しはある」31.2%、「ない」41.7%

2.子どもいる・いない別集計:子どもいない「ある・少しはある」69.6%

3.子どもいる・いない別フリーコメントより

◇「子どもいる」と答えた人のフリーコメント(年代)

<後ろめたさや罪悪感のようなものを覚えたことが「ある」「少しある」と答えた理由より抜粋>
・子どもの希望による専業だったことと、収入が無いことの間で気持ちが揺れていた(40代)
・子育てや家事、地域の活動など、それなりに忙しくしていましたが、収入がないことは後ろめたい気持ちになる原因だと思う(30代)
・子供が幼稚園から小学校に上がった時に自分の想像よりも共働きの方が多く、親しくなった時に『夢の専業主婦だね』と言われることもありました。また、毎日何をしているのか?等詮索されることも多かったです。あとで聞いた話ですが、働くお母さんで集まった時に健康なのに働かないなんてと言われていたようです(40代)
・仕事を辞めて、息子と2人夜遅くまで起きていた時、主人が俺が働いたお金で遅くまでテレビを観てると言われた(50代)
・保育園に子どもを預けて働くママが素敵に見えた(40代)
・子供も小学生になったしそろそろ働いた方がいいかなっと思う(30代)
・周りのお母さん方が働いてるのを見たり知ったりした時に後ろめたさを感じた。働いてないと、家庭が裕福に思われがちである事。たまにランチに誘われたり、学校の茶話会や懇親会に行くにも、自分の稼ぎが無いと、主人に対して後ろめたさを感じる。自分の欲しい物や子どもにもお小遣いをあげたりしたいと思うから(50代)
・何かを購入する時は、必ず夫に聞かなければ悪い様に思う。それが、子供のことであってもだから(50代)
・収入がなく養ってもらっている事実。社会的地位がない事。家事育児は子供によっても雲泥の差であり、家事は人によってスキルもやるやらないのボーダーがバラバラなので大変さも努力も理解されない事(40代)
・子どもを妊娠する1年前から専業主婦です。子どもが幼いころ、子育てを第一にしたい気持ちがありながらも、夫に養ってもらっている、自分は非生産的な毎日を送っていると自己肯定感が低かったと思います(40代)

<後ろめたさや罪悪感のようなものを覚えたことが「ない」と答えた理由より抜粋>
・主婦は、なかなか評価されづらい環境だが、子供の成長を通じて仕事の大事さを実感することができたから(50代)
・3人の子育てと家事で手一杯だったので(50代)
・自分の子供を自分で育てるのは理想的な事なので悪いことと思った事がない(40代)
・子育て後仕事に復帰して、同僚の方が小さい子を預けて仕事しているのをみて、子育てを楽しむ時間が無いことを可愛そうに思った(50代)
・自分に収入がないぶん、節約、やりくりも仕事だと思っているし…うしろめたさ、罪悪感と言うのが意味が分からない(40代)
・実家が遠方なので子供の体調が悪くなったときのことを考えると働くのは不可能だったので、後ろめたさは感じなかった(40代)
・子育て中の専業主婦は、主人の希望でもあった(40代)
・子どものために必要な期間であった(50代)
・周りにも子育てに専念している人がほとんどだったから(50代)
・逆に何が後ろめたいかがわからない。子育てに専念して何が悪いのでしょうか?保育園に入れて働く方が、皆の税金を使ってるので、後ろめたい気になるかもと思う(40代)

◇「子どもいない」と答えた人のフリーコメント(年代)

<後ろめたさや罪悪感のようなものを覚えたことが「ある」「少しある」と答えた理由より抜粋>
・夫にばかり、経済的負担をかけさせていたから(40代)
・欲しいものがあった時、買って貰っている、という後ろめたさがある(40代)
・時間がもったいない感じ(50代)
・子どももおらず、自由に時間を使っているが、この時間に何か少しでも収入があれば、もっと金銭面で余裕が出てくるのではないかと考えるため(20代)
・何の存在意義もないと感じてしまう(50代)
・定期的な収入があったので働く必要がなかったのですが、子供が居ないのに働きもしてないことに「税金は納めているとしても、それ以外に社会の役に立っているのか?」と罪悪感を感じました(40代)
・子供もいないので、時間に余裕があり、少しは働かないと申し訳ないなぁと(40代)
・特に子供がいないので、家事をしているだけになる。効率的に動いて、毎日掃除をしていれば、暇な時間が圧倒的に多い。学歴職歴もあって健康なのに何も生産していない、夫の収入を自分のことに使うのが本当に罪悪感だった(30代)
・子供もいなくて、旦那に働けと言われるので(40代)
・子育てもしながら起業したり管理職に就く女性の記事を読むと、自分の日常の時間の過ごし方が有意義でないもののように感じてしまった(50代)

<後ろめたさや罪悪感のようなものを覚えたことが「ない」と答えた理由より抜粋>
・家事をしっかりとしているので(40代)
・主婦業は、大変だったから(50代)
・今は独身ですが結婚していた当時、初期は元夫が就業を望まなかったので専業主婦しておりました(50代)
・夫の仕事の時間が不規則でそれに合わせる為に仕事を辞めたので、夫や姑からは感謝された。周りの子育てしながら働く友達からは羨ましがられた(40代)
・家の事に専念できるし、何より家事は仕事よりも大変です。夫にも至れり尽くせりできることにより、夫からはもう仕事せずにずっと家にいて欲しいとまで言われました(40代)
・家事の方が夫婦ともに苦手で「嫌なことを引き受けてやっている」と思っていたので。逆に夫に「養ってやってる」といわれて、速攻で仕事を見つけて働き始めました(40代)
・家事も仕事なので罪悪感は無い(30代)
・地方転勤だったので、主婦の仕事を見つけにくかった(50代)
・元々、働かなくてもいいといわれている。若しくは自分で企業しろといわれている(40代)
・金銭的には、それまでの貯蓄があったから。家の事もゆっくり出来た(50代)

4.年代別集計:30代以下「ある・少しはある」70.1%

5.<考察>専業主婦に対する罪悪感の世代間格差について

専業主婦に対する罪悪感の世代間格差について/しゅふJOB総研 所長 川上敬太郎


 女性の就業が促進される一方で、敢えて働かないことを選んだり、働くことができない人が肩身を狭くしている可能性があるのではないかという観点から、以前「専業主婦であることに、後ろめたさや罪悪感はあるか?」(※)という調査を行い発表しました。しゅふJOB総研ではその調査データをもとにさらに分析を進め、お子さんがいるかいないかによって罪悪感の有無に違いがあること、年代によっても傾向があることを確認しました。

 お子さんがいるかいないかで罪悪感の有無に違いがでるのは、フリーコメントに「特に子供がいないので、家事をしているだけになる」とあるように、子どもがいる人の方が負担をより強く感じるからではないかと推察されます。一方、罪悪感の有無が年代の違いによっても傾向が見られるのはなぜなのでしょうか?独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表している2つのデータを参照しながら、考察したいと思います。

■年代別比較のグラフとフリーコメントより
 専業主婦・主夫であることに対する罪悪感を年代別で比較したグラフからは、年代が低いほど罪悪感を持ちやすく、年代が高いほど罪悪感を持ちにくい傾向があることがわかります。アンケートに寄せられたフリーコメントから、罪悪感が”ある“と答えた20・30代及び罪悪感が”ない“と答えた50・60代の声を抜粋して、以下に比較してみます。

<後ろめたさや罪悪感のようなものを覚えたことが「ある」「少しある」と答えた理由より抜粋(年代)>
・生活はできるものの何かあるとすぐにお金に困るので(20代)
・勤務していたときの同僚が昇進したり、ワーキングマザーとして活躍している話を聞いたとき、入社したときは同じスタートラインだったのにこんなに環境が違うのか、それに比べて自分は何も成長できていないと感じたから(30代)
・同い年の方がバリバリ仕事をしているから 家計は決して余裕があるわけではないから(30代)
・身近なママ友はほとんど仕事復帰をしているから。自分の趣味や欲しいものに気持ちよくお金を使えない(30代)
・いいご身分だねと言われた(20代)

<後ろめたさや罪悪感のようなものを覚えたことが「ない」と答えた理由より抜粋(年代)>
・お金を自由に使っていましたし、余裕があったので楽しい毎日だった(50代)
・当たり前だと思った(50代)
・家庭を大事に思っていることは、当然なので、専業主婦であったことは、むしろ誇りです(50代)
・時代背景がまだ共働き家庭がいまほど多くないときだったから(60代)
・専業主婦は過酷労働でもあると思っています。企業戦士である夫の健康維持に努め、食事、睡眠等々、細やかに、ある意味管理しなければならない。育児にしても、三つ子の魂百までと言われるよう、しっかりと抱きしめ、無添加の良質な食事やストレスの無い環境づくりに夫同様、もしくはそれ以上に気を遣ってきた。達成感を感じることはあっても、誰に対しても後ろめたさや罪悪感なぞ感じたことはない(60代)

 罪悪感が“ある”と答えた20・30代のコメントを見ると、「同い年の方がバリバリ仕事をしている」「身近なママ友はほとんど仕事復帰をしている」「いいご身分だね」など、働いていない状態自体が特別視されている印象を受けます。一方罪悪感が“ない”と答えた50・60代のコメントには、「当たり前」「専業主婦であったことは、むしろ誇り」「共働き家庭がいまほど多くない」と、むしろ働いている状態を特別視している印象を受けます。

■働かない女性が特別視されやすい社会環境
 独立行政法人労働政策研究・研修機構のホームページに、総務省の労働力調査を分析した労働力率の推移が掲載されています。下記グラフを見るとわかる通り、「25~29歳」「30~34歳」「35~39歳」の女性の労働力率は、年々右肩上がりで推移しています。同じく独立行政法人労働政策研究・研修機構が公表している統計表「年齢階級別労働力率の推移」をもとにさらに詳しく見てみます。



 今回しゅふJOB総研が行ったアンケート回答者の最年少は21歳であったことから、 「20~24歳」 「25~29歳」「30~34歳」「35~39歳」と4つの労働力率の平均を「30代以下」として10年ごとに集計すると<図表1>のようになります。

 最新のデータである2017年の結果を現在とした場合、その10年前の2007年の結果は、現在の40代が30代以下だったころのデータとみなすことができます。その時の非労働力率は、現在より7.3ポイント高い数値です。非労働力率が高いということはそれだけ働いていない状態を特別視する傾向は低いはずです。さらに10年遡った1997年の結果は、現在の50代が30代以下だったころのデータです。その時の非労働力率は現在より10.7ポイント高いことから、今の40代よりもさらに、働いていなくても特別視されなかったと言えると考えます。

■共働き世帯、10年で10.8ポイント増


 続いて、専業主婦世帯と共働き世帯について確認してみます。同じく独立行政法人労働政策研究・研修機構のホームページに、専業主婦世帯と共働き世帯数の推移が公開されています。グラフを見ると、1997年頃を境に専業主婦世帯と共働き世帯の数が逆転していることがわかります。統計表「専業主婦世帯と共働き世帯」をもとにさらに詳しく見ていきます。専業主婦世帯と共働き世帯を合計した上で、専業主婦世帯と共働き世帯の比率を年ごとに算出し、2017年・2007年・1997年のデータを抽出して比較したのが<図表2>です。

 現在の40代が30代以下だったころと想定される2007年の専業主婦世帯比率は、今より10.6ポイント高くなっています。現在の50代が30代以下だったころの1997年は14.2ポイント。専業主婦世帯と共働き世帯とが、ほぼ半々です。この時代はそれだけ専業主婦に対する抵抗感が少なく、むしろそれまでは専業主婦であることが当たり前だった時代が長かったことを考えると、主婦層が働くことに対する考え方は、今とは全く異なる状況であったことが推察されます。

■時代背景の違いがもたらすもの


 内閣府の平成30年男女共同参画白書には、女性の年齢別労働力率の推移のグラフが公開されています。結婚・出産を機に一時的に労働力率が減少することからM字カーブと呼ばれていますが、その凹み部分が年を追うごとに右上へと上昇していっていることがわかります。およそ40年前に当たる、昭和52年データの凹みのピークは25~29歳。およそ20年前に当たる、平成9年データの凹みのピークは30~34歳。そして、直近の平成29年データの凹みのピークは35~39歳。その範囲は25~39歳の範囲内であるため、専業主婦期間のピークは、概ね30代以下であるとみなすことができると考えます。

 「女性の労働力率推移」と「専業主婦世帯比率」を見て分かるように今の30代以下の女性と、今の40・50代の女性が30代以下だったころの環境は異なります。専業主婦が当たり前だった時代から、徐々に共働きが当たり前とみなされる時代へと移っていく過程において、“働かない”専業主婦であることに対する罪悪感が次第に強まっていった可能性が考えられます。

■家庭内の役割分担としての“しゅふ”業
 上記に見てきたように、専業主婦であることへの罪悪感にはその人が専業主婦期間を過ごした時代ごとの社会一般の価値観が影響しているようです。そしてその価値観は年々“働かない”ことへの罪悪感を強める方向に推移しています。かつて、専業主婦である方が一般的だった時代には、女性が“働く”ことに対する世間の風当たりの方が強かったと考えられます。しかし今では共働きである方が一般的と言える時代。今の30代以下の世代は、上の世代よりもより強く罪悪感を覚える傾向にならざるを得ないことを認識しておく必要があります。

 しかし、そもそもの問いとして、専業主婦であることに罪悪感を覚える必要はあるのでしょうか。自分が収入を得ていないことで買い物を躊躇するようなケースは、収入を得ている夫から養われているという一方的な関係性に縛られているような印象を受けます。「専業主婦であったことは、むしろ誇り」というコメントにもあったように、主婦業そのものに価値があることもまた事実です。家庭を運営するためには収入を得ることが必須であるのと同じように、家事もまた家庭運営にとって必須であるはずです。収入と家事とのバランスを夫婦間でどのようにとっていくかは、家庭ごとに当然異なります。家事を行うのが妻であれば主婦業であり、夫であれば、主夫業になります。それら“しゅふ”業自体の価値・尊さに改めて目を向けたとき、そこには罪悪感ではなく、家庭運営のために収入を得る者と家事を行う者とが互いが支えあう感謝の気持ちが芽生えるのではないかと考えます。

※前回調査/専業主婦であることに、後ろめたさや罪悪感はあるか?:https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/news-14837/

<参考資料>
1.独立行政法人労働政策研究・研修機構/早わかり グラフでみる長期労働統計/II労働力、就業、雇用
 A‐(図3-3)年齢階級別労働力率の推移:https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0203_03.html
 B‐(図12)専業主婦世帯と共働き世帯:https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html

2.内閣府 男女共同参画白書 平成30年版/本編/I/第2章
 (第3図)女性の年齢階級別労働力率の推移:http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h30/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-02-03.html

<しゅふJOB総研について>


「結婚・出産などのライフイベントに関わらず、もっと多くの女性が活躍できる社会をつくりたい」
そんな志のもとにつくられた研究所です。「女性のライフスタイルと仕事への関わり方」に対する社会の理解を高め、女性の働きやすい職場をより多くつくっていくために定期的なアンケート等の調査を実施、結果を社会に発信しています。
※過去の調査結果はこちら⇒https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/
※しゅふJOB総研は、東京大学SSJDAに過去の調査データを寄託しています⇒http://bit.ly/2n8jHIJ

<株式会社ビースタイルについて>

企業理念は「best basic style」。時代に合わせて新たなスタンダードをつくる会社です。この理念に基づき、2002年の創業以来、働きたい主婦に対して就業支援を行って参りました。約16年間に生み出してきた主婦の雇用数は、10万人以上。女性がそれぞれの価値観、ライフスタイルに合わせて働くことができる社会の実現に向け、派遣・在宅・ハイキャリアなど、様々な『しゅふJOBサービス』を提供しています。

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