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ヴァレンティノ 2026-27年秋冬コレクション ‘インテルフェレンツェ‘ 広告キャンペーンを発表

ヴァレンティノ ジャパン 株式会社

メゾン ヴァレンティノ(Maison Valentino)は、クリエイティブ ディレクター アレッサンドロ・ミケーレによる2026-27年秋冬コレクション ‘インテルフェレンツェ‘ の広告キャンペーンを発表いたしました。

Courtesy of Maison Valentino

’インテルフェレンツェ(INTERFERENZE)’ キャンペーンは、モンテマルティーニ美術館にて撮影されました。20世紀初頭、テヴェレ川左岸に建設されたこのローマ初の公営発電所は、1997年にカピトリーノ美術館の分館として生まれ変わりました。古代彫刻と産業考古学が共存するその特異な性質こそが、本キャンペーンの創造原理となっています。ここで描かれるイメージは、単なる背景としてこの場所を用いるのではなく、その内在する論理をさらに発展させています。こうしてモンテマルティーニ美術館は既成概念を超えた想像力の舞台となります。一見すると相容れない世界の要素が互いを排除することなく共存し、新たな物語を解き放つ空間です。

Courtesy of Maison Valentino

モンテマルティーニ美術館は、形而上学的な場所です。そこは、神々の時代と機械の時代、神話と進歩、記憶と創造が、もはや異なる時間軸に属するものではなくなる狭間の領域です。ここでは、ローマ彫像の持つ古典的な美が産業近代を支えたタービンやボイラーの圧倒的な壮大さと共鳴します。あらゆる分類を拒む空間において、テクノロジーの大聖堂の間から異教的な永遠性の断片が姿を現します。モンテマルティーニ美術館は単なる美術館ではありません。そこは、異なる世界同士の豊かな交錯が絶えず繰り広げられる錬金術的な空間なのです。この出会いがもたらすのは、個々の要素そのものの変化ではなく、それらの間に生まれる力場の変化です。そこから、それぞれを単純に組み合わせただけでは生まれない新たな何かが形成されていきます。

美術館における年代順の枠組みから切り離されたとき、古代はもはや過去だけに属するものではなくなります。また、本来の機能を奪われたとき、機械も単なる近代性の残渣ではなくなります。両者は並置されることにより歴史の直線的な時間軸から解放され、新たな意味を帯びるのです。このような観点から、モンテマルティーニ美術館は、アビ・ヴァールブルクの『ムネモシュネ・アトラス』を想起させます。それは記憶のアーカイブというよりは、むしろモンタージュの装置であり、異なる文脈から抽出されたイメージ同士が並置されることにより共鳴し、新たな解釈の可能性を創出するのです。

女神フォルトゥナやミューズのポリヒムニア、女王クレオパトラは、巨大なディーゼルエンジンや発電機、重厚なフライホイール、そして天井クレーンが立ち並ぶ機械室のなかにその姿を現します。ここでは古代彫刻と産業遺産との対話が双方を変容させています。大理石の青白さは鋳鉄の不透明さと出会い、人体表現の完璧な美しさは機械の力強さと対峙し、彫刻の均衡は工学のモニュメンタルな壮大さと響き合います。それぞれの存在は互いの見え方を変化させながら、時間が出来事の連なりとしてではなく、異なるものが同時に存在する論理として立ち現れる風景を生み出します。

Courtesy of Maison Valentino

Courtesy of Maison Valentino

‘インテルフェレンツェ’ キャンペーンは、この原理をさらに発展させ、映画的な表現を想起させる視覚的構図へと落とし込んでいます。光は鋭く、瞬く間に空間を切り裂きます。身体の断片、大理石の横顔、そして巨大な鉄の骨格が浮かび上がります。衣服の軽やかさと鋼鉄の重厚さが対峙する一方で、生身の身体が見せる身振りは、石に刻まれた姿の延長であるかのように映ります。背景には巨大な機械群が静かにそびえ立ち、それらを包み込む闇の中に溶け込んでいきます。そこでは、何ひとつとして永遠に静止しているように見えないにもかかわらず、実際には何ひとつ動いてはいないのです。

Courtesy of Maison Valentino

Courtesy of Maison Valentino

この宙吊りのような状態において、それぞれのイメージは、身体、衣服、彫像、そして機械が互いに緊張関係を結ぶ場を形成しています。視線はひとつの焦点に留まることなく、ある要素から別の要素へと絶えず移りながら、反響の織りなす連なりをたどっていきます。そこでは、意味はもはや個々の対象そのものに宿るのではなく、それらの間に生まれる関係性の中に立ち現れるのです。この点において、セルゲイ・エイゼンシュテインのモンタージュ理論は、極めて豊かな解釈の視座を与えてくれます。構成を直線的かつ付加的なものと捉える考え方に対し、このソビエトの映画監督は、意味とは要素の単なる足し合わせから生まれるのではなく、それらの衝突、つまり異なる象徴的秩序がぶつかり合う瞬間から生まれるのだと主張します。個々の構成要素へと還元することのできない新しい知覚の構成を可能にするのは、まさにそうした衝突によって生み出される火花です。

おそらくこれこそが ’インテルフェレンツェ’ の描いていることなのでしょう。いかなる形象もそれ自体だけで意味を語ることはありません。イメージは他のイメージとの出会いによって浮かび上がり、物質は他の物質との関係性において存在し、時間は異なる時間との干渉によって立ち現れます。意味はそのものの中に宿るのではなく、それらの間に広がる空間にこそ存在します。従来の分類が揺らぐその狭間において、目に見えるものは単なる世界の表象であることをやめ、世界をふたたび想像可能なものとする力を取り戻すのです。

アレッサンドロ

補足:
アビ・ヴァールブルク:ドイツの美術史家・文化評論家。
現代の図像学(Iconography)や文化研究の先駆者として知られる。

ムネモシュネ・アトラス(Mnemosyne Atlas):アビ・ヴァールブルクが晩年に構想した未完のプロジェクト。
黒い布を張ったパネルに、古代の占星術図像からルネサンス期の絵画、現代の広告や報道写真まで、約2000枚にわたる図版を貼り付けて再構成したもの。 今日のビジュアル・カルチャー研究やイメージ研究の原点のひとつとされている。

#ValentinoInterferenze
#ValentinoGaravani

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