美容と健康、どちらにもアプローチできる優秀な成分として欠かせないビタミンC。日差しも強くなる春先からは、紫外線ケアと共に、積極的に取り入れたいもの。でも、そもそもビタミンCってどんな効果が期待できるの?
基礎知識から、選ぶ際のポイントなど、美容皮膚科医・佐藤亜美子先生に教えて頂きました。手軽に購入しやすい、先生オススメのビタミンC化粧水・美容液・サプリメントもご紹介します。
Profile
美容皮膚科医 プリマクリニック佐藤亜美子院長
広島大学医学部卒業。広島赤十字・原爆病院、広島市立広島市民病院、中国労災病院で医師として勤務。2014年エルムクリニック広島院院長を経て、2022年プリマクリニック開院。
女性ならではの肌のゆらぎや悩みに寄り添ったきめ細やかなサポートを行う。
★ 摂取は内から?外から?
★ ストレスの多い現代人にとっても良いことだらけ
★ 紫外線に当たる春夏はとくに摂取するべき成分です
★ 「ピュアビタミンC」と「ビタミンC誘導体」の2種類あります
★ ドラッグストアやネットですぐ買える!オススメビタミンC化粧水3選
★ ドラッグストアやネットですぐ買える!オススメビタミンC美容液3選
★ ネットですぐ買える!オススメビタミンCサプリメント3選
肌にいいと良く聞くけれど、結局どんな効果があるの?
ビタミンCが発見されたのは大航海時代。船乗りさんが野菜や果物を摂取せずに、缶詰などの加工品ばかり食べていた時に、壊血病という病気になり発見されたもの。犬や猫はビタミンCを体内で作れますが、一部のモルモットや人間は、体内でビタミンCを生成できないので、食べ物やサプリメント、肌には化粧品から取り入れていく必要があります。
ビタミンCは美容効果があると言われていますが、それ以外にも疲労回復や免疫力をあげたい人にも効果があります。クリニックの患者さんにビタミンCを処方する際に一番多いのは、ニキビでお悩みの方。あとはシミ、くすみケアを希望する方です。クリニックで受けられる点滴では、疲労回復や免疫力アップ、予防的にアンチエイジングで取り入れる方もいます。ニキビを始め、シワ、シミ、くすみ、ターンオーバーの促進など「思春期の女子から大人世代まで」全員が摂るべき成分なのです。
2.コラーゲン生成を促進させる。ハリを保ちシワ発生を予防
3.メラニンの生成を抑え、シミの原因を防ぐ
4.ターンオーバーを促進し、肌の代謝を促進することで健やかな肌を保つ
5.過剰な皮脂を抑えることで、ニキビの抑制、改善に効果がある
摂取は内から?外から?
日本の厚生労働省の基準だと1日100mgという基準になっていますが、それは不足しないようにするための基準なので、美肌になるといった効果ではなく、いわゆる壊血病にならない、健康的に問題がない量なんです。アメリカだともっとヘルスケアや予防医学が発展しているので、推奨の基準が多く、4000-6000mgと言われています。
抗酸化力として発揮させて、いつもよりいい、ベストな状態にしたいという目的だと、血液中の濃度を上げるために一気に1000mg以上を摂った方がいいと言われています。サプリメントなら高濃度で、一気に摂ることが推奨されていますが、肌に塗る場合は、刺激になって荒れてしまうことがあるので、高ければいいというわけではありません。ご自身に適した濃度で使っていく必要があります。点滴は直接細胞内に届くので、即効性があり、アンチエイジングとしてシミへの効果も発揮できます。
ビタミンCは、内側、外側の両方から継続的に摂るのがオススメです。
ストレスの多い現代人にとっても良いことだらけ
抗ストレスホルモンのコルチゾールは、ビタミンCから作られます。コルチゾールの数値は、朝起きた時が一番高まるので、夜寝る前にサプリメントを飲むと、翌朝の寝起きが楽になり、疲労感が軽減すると言われています。忙しく働くSTORY世代にピッタリ。もちろん男性にもオススメです。
紫外線に当たる春夏はとくに摂取するべき成分です
紫外線への効果を最大に発揮したい場合は、朝と夜とダブルで使うのがオススメ。特に春夏は紫外線が強くなり、皮脂の分泌量が増え、毛穴が詰まり、ニキビの原因にも。体内のビタミンCの消費量も増加するので、朝と夜と両方使うのが良いです。
ビタミンCは、体外に排出される成分なので、健康な方だったら大量に摂取しても問題ないですが、大量に飲むと下痢気味になる方もいますし、人工透析をされている方などは注意が必要です。体内に蓄積されて何か悪さをするとは言われていません。摂りすぎて過剰症になる心配もありません。
「ピュアビタミンC」と「ビタミンC誘導体」の2種類あります
いわゆるビタミンCとは、正確にいうと、ピュアビタミンCとビタミンC誘導体、という2種類に分けられます。
「ピュアビタミンC」は、アスコルビン酸と呼ばれるもので、名前の通り何もついていない純粋なビタミンC。化粧品では付けた瞬間から効果を発揮できるもので、即効型ビタミンCとも言われています。効果が早いところがメリットですが、不安定な物質なので、化粧品の容器の中で酸化して品質が変化したり、肌に届ける時点で、ビタミンCとしての効果が発揮できないこと、水溶性のため浸透しにくいというデメリットがあります。
そのピュアビタミンCを安定化させたのが「ビタミンC誘導体」。水溶性、脂溶性、両親媒性の3種類です。
ピュアビタミンCに科学的に何かをくっつけることで、不安定な物質だったピュアビタミンCを、安定化させた成分。肌に届けやすく、浸透させやすくしたものです。肌に塗った場合は、身体の酵素で化学的な間が外れて、ピュアビタミンCになって働いてくれます。ゆっくりと時間をかけて、身体に働いてくれるので、持続型ビタミンCとも呼ばれています。
ドラッグストアやネットですぐ買える!オススメビタミンC化粧水3選
【医薬部外品】 メラノCC 薬用しみ対策 美白化粧水 170ml ¥990(税込)
医薬部外品で、ピュアビタミンCと水溶性のビタミンC誘導体が入っています。抗炎症作用であるグリチルリチン酸ジカリウムが入ったシンプルな処方。さっぱりしていてべたつかない、夏にはぴったりの商品です。
QUALITY 1st(クオリティファースト) ダーマレーザー スーパーVC100ローション しっとり 化粧水 240ml ¥1,650(税込)
SNSで話題のこちら。4種類のビタミンC(ピュアビタミンC、水溶性、脂溶性、両親媒性)が入っているので、すべてのいいところを網羅しています。ナイアシンアミドも入っているので、シワやハリへの効果もあります。
&be VC ローション5 120ml ¥3,080(税込)
5%の高濃度ビタミンC誘導体が入っていることが特徴。酵母エキスといった天然由来成分が入っているので、STORY世代のゆらぎ肌をいたわりつつ、透明感を出して本格ケアしていきたい人向け。柑橘系の香りも使いやすいです。
ドラッグストアやネットですぐ買える!オススメビタミンC美容液3選
【医薬部外品】メラノCC 薬用 しみ 集中対策 美容液 20ml ¥1,210(税込)
ピュアなビタミンCと油溶性のビタミンEが入っている医薬部外品。抗炎症成分のグリチルリチン酸ジカリウムが入っているので、ニキビ肌の方にオススメです。逆にいうと、殺菌成分が入っているので、肌の常在菌も乱してしまう可能性があります。肌を整える化粧品と一緒に使うと安心です。
オバジC10セラム 26ml ¥7,700(税込)
濃度が5-25%まであるので、普通肌の方は、10%から、肌が弱い方は5%から様子見て使用すると良いです。高濃度なものは効果も出やすいですが、値段も高くなるので、10%くらいが適度。独自の高浸透処方が魅力。ビタミンCで即効性を求める方はこちらがオススメ。
COSRX ザ・ビタミンC23セラム 20ml ¥2,480(税込)
韓国で人気のコスメブランドです。23%と高濃度のピュアビタミンCが配合され非常にコスパが良いです。引き締めとハリ艶に効果的。ピュアビタミンCに加えて水溶性のビタミンCも入っています。抗酸化成分のビタミンEも配合されているため、両方が効果を補いあって高い抗酸化力が魅力の美容液です。
ネットですぐ買える!オススメビタミンCサプリメント3選
ワカサプリ ビタミンC 30包 ¥3,240(税込)
1包で2000㎎のビタミンCが摂れます。イギリス産で品質がよく、粉末なのでほとんどがアスコルビン酸そのもの。すっぱいので、オレンジジュースやヨーグルトに混ぜて摂取するのがオススメ。
Lypo-C Vitamin C 30包入 ¥7,776 (税込)
リポソーム化されていて、リン脂質の中にビタミンCを閉じ込めることで、消費されにくく、身体に吸収されやすいように処方されているのが特徴。オレンジジュースなどに混ぜて飲むのがオススメ。
パーフェクトシーケア 120粒入(30日分)¥3,240(税込)
液体や粉だと飲みにくいという人にはカプセル状のこちらを。1粒が500㎎なので、小分けにして飲むこともできます。抗酸化力を求めるなら、一気に2000㎎摂取が推奨ですが、一気に2000㎎は飲めない方には小分けにできるところが魅力。リポソーム化されているので吸収性がよく、ゆっくり放出される持続型のビタミンC。
取材/宮寺佳愛