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【40代の副業】好きという気持ちのほかに必要なのは社内制度の充実と周囲の理解

副業が推奨される時代になってきたけれど、STORY世代の実情は?いま、二足の草鞋を履いて輝いてる方を取材しました。

★ 好きという気持ちと〝解禁〟という言葉の後押しだけでは成立しない。
「同時に必要なのは社内制度の充実と周囲の理解」

能村 友美子さん(東京都在住)
株式会社新生銀行 不動産ファイナンス部 兼 通訳

現在、新生銀行不動産ファイナンス部にて秘書業務や部内総務を担当している能村友美子さん。’18年に新生銀行が副業・兼業を解禁した翌年、自身の語学力を生かすべく「通訳業」を副業としてスタートさせました。

「コミュニケーション能力や語学力。通訳者に求められる多くは、秘書に求められるものと共通している気がします。それに、小学生から国際交流に興味を持ち、英語教室に通っていた自分にとってどちらの仕事も魅力的。解禁され活動の幅が広がることにワクワクしました」。

副業としての「通訳業」の最初の仕事は、’19年に開催されたラグビーワールドカップ日本大会でした。能村さんが担当したのは場内セキュリティゲートでのVIP席への案内業務。

「スポンサー企業やそのクライアントのエリアだったため、各社の秘書の方たちの動きを間近で見ることができました。秘書業務は普段、他社の秘書が働く様子を見る機会はなかなかありません。当日、彼らの上司が会場に入る前の動線確認や細やかな声掛けを目の当たりにし、今回の経験が通訳者としてだけでなく、本業の秘書としてのスキルにもプラスに働いていると感じました」。

しかし、“好き”を仕事にしたとはいえ、責任ある2つの業務を両立させるには、会社からの“解禁”という言葉の後押しだけでなく、制度の充実や周りの理解も重要だと能村さんは言います。

「現在、他の秘書の方とペアを組み、お互い休暇取得の際にはペアの仕事をフォローすることにしています。秘書業務はチームで進める形態ではないため、副業で休暇を取得する際、この運用は業務的にも気持ちの面でもありがたいです。また社内インフラの充実も大きなポイントです。私用のPCやスマホから社内システムにアクセスでき、社外でもメールチェックできるので、ペアに任せっきりにすることなく、随時、連絡や対応が可能に。環境が整っていることは周囲の理解を生み、安心して副業することができます」。

現在は、英語のほか、国際イベントでの需要があるスペイン語も習得中。また、入社当初から通う通訳学校では医療の英語通訳コースの受講も修了。医師と外国人患者間の通訳という新たなステージにも踏み出しています。

「語学が私の世界を広げ、副業解禁で小さい頃から興味があった国際交流の道を大きく開いてくれました。日本文化を広めるための私の草の根外交にもますます力が入ります。今後も本業と副業をバランスよく続けながら、成長し続けていきたいと思っています」。

「各種制度ができても、活用できないと意味がない。でも、上司が率先して新制度を活用してくれるので、働きやすい環境作りがスムーズに浸透しています」。
ラグビーワールドカップ日本大会後、自身の業務を振り返るために書かれたスペイン語の日記。

撮影/BOCO 取材/上原亜希子 ※情報は2021年7月号掲載時のものです。

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