憧れ時計ブランドのリーダーたちの多くはSTORY世代の女性です。そんな彼女たちが、自分のために選んだ時計とは?キャリアもプライベートも全力疾走する日々をともにしてきた、時計にまつわるエピソードを伺ってみました。
A.LANGE & SÖHNE 山崎香織さん
A.ランゲ&ゾーネ ブランドCEO
今までの人生の偶然や奇跡を時計とともに感じたい
時計を初めて自分で買ったのは、社会人になった直後。女性誌で見つけたフランスブランドのクォーツ時計をファッション感覚で選びました。ですがこの頃から、私にとって時計は自分の気持ちをシャキッとさせてやる気スイッチを入れるためのもの、逆にジュエリーは心を穏やかに落ち着かせるためのアロマのような存在となっています。
今、ビジネスのシーンで日々身につけているのはホワイトの「リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ」。月の満ち欠けを知らせてくれるムーンフェイズ機能が備わった複雑機械式時計です。私自身、ドイツの本社アトリエで機械式時計の磨きや組み立てを体験し、身をもって感じたのですが、時計制作はとても緻密で繊細な作業の積み重ね。ひとつの歯車を組むことも熟練した時計師でなければこなせません。そうして作業を経て組み立てられた歯車が、複雑に組み合わさって告げてくれる時間は、1秒1秒重みがあり、リーダーとして過ごす時間の大切さや責任を気づかせくれるのです。
山崎さんのパワーウォッチ①
サクソニア・ フラッハ
A.ランゲ&ゾーネはドイツ・グラスヒュッテで創業された世界5大時計ブランドのひとつ。すべて本格機械式時計の高品質を追求するため少数生産を貫く。薄型ケースのサクソニア・フラッハは凛とした女性像を引き立てるエレガントなモデル。オフのリラックスタイムには優雅でミニマムな2針時計を。
「オフに買物や食事を楽しむ時は、シンプルな2針の機械式時計「サクソニア・フラッハ」。こちらは、機械式時計の本質的な機能に特化したモデルで秒針がないのですが、その分、伝えてくれる時間も優雅で穏やか、心に解放感を与えてくれます。趣味はヨガで、オフの時にはリゾートで過ごすことも多いのですが、現職になってからは時間を意識しない非日常感を味わいたくて、あえて時計は身につけないようになりました」
山崎さんのパワーウォッチ②
リトル・ランゲ1・ ムーンフェイズ
STORY読者におすすめのウォッチ
リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ
STORY読者には時間の概念を変えてくれる機械式を。夜空のようなミッドナイトブルーの文字盤とダイヤで囲んだベゼルが豪華なジュエリーのようなモデル。
「私自身も感じているのですが、STORY世代は若い頃に感じていた「将来の時間は永遠」という意識が薄れ「人生の後半をどう生きるか」を考え始める時期でもあるかもしれません。そのような世代の方にこそ、時間に対しての責任や貴重性を可視化するためにも機械式時計を身につけることをおすすめしたいですね。電子制御で動かされているスマートウォッチが知らせる時の流れとは一味違う、自分の意思で選び、進めていく時の流れを感じていただくことができるのではないでしょうか」
価格はブティックにお問合わせ。(A.ランゲ&ゾーネ)
撮影/須藤敬一 ヘア・メーク/川村友子 取材/安西繁美 デザイン/大塚將生(marron’s inc.) ※情報は2023年10月号掲載時のものです。