言わずと知れたファッション界のレジェンドの2人、大草直子さんと中山まりこさん。「ムダ買いなんてしませんよね?」という質問に対し「むしろムダ買いだらけです!」と意外なお答えが。2人のエピソードを伺いました!
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大草直子さん & 中山まりこさん
<右>大草直子さん
明快かつ理論的なスタイリング解説、ポジティブ&ナチュラルな笑顔が大人気で各所から引っ張りだこ。ファッション、ビューティ、生き方を発信するトータルメディア「AMARC」編集長。
<左>中山まりこさん
国内外でスタイリストとして活躍後、49歳で「MADISONBLUE」を立ち上げる。ハイカジュアルかつオーセンティックな世界観が洗練された大人を次々と魅了。人生観にもファンが多い。
大草さんのムダ買いエピソード
「いわゆる中年期に入った時、若いイメージを引きずったまま 服を買っていた時期が ありました」
40代ってとても難しい時期。肌や髪、体……、あちこち変化しているのに脳は28歳のまま。そのギャップが受け入れられず、若い頃のイメージで買物をするから当然、齟齬が生じます。かく言う私も今まで好きだった服が急に似合わなくなり、ぎょっとするなんてこともありました。
10年前と比べて似合うものが変わるのは自然なこと。写真や動画を撮って客観的に自分を知ることも大切です。
「買物」って自分を労い、幸福感をもたらすエッセンシャルな行動。物欲があるのは元気な証拠です。痛みを伴わないとお買物にシビアになれない。失敗を重ねながら「好き」と「似合う」がセグメントされていくことがスタイルの確立に通じていきます。
中山さんのムダ買いエピソード
「生涯チャレンジは していたい!けど、挑戦をして結局着られなかった服もあります」
ここぞという大物買いに関しては、今買ってすぐ着るというよりは、1年後に着る自分を夢見て、先行投資するようになりました。憧れ前提で選ぶから、今の自分には当然Fitしないわけで、ことあるごとに挑戦するものの何度トライしても着こなせなくて結果、ムダ買いという経験はあります。
でも「素敵!」「着てみたい!」と心が揺さぶられたり突き動かされることが一番大事だし、いくつになっても新しいものにときめき、チャレンジし続けていたい。1年後にその服がジャストFitした時の嬉しさと言ったら! そんなふうに少し先の自分を思い描き、寄り添わせていくことも素敵に年を重ねていく指針になると思います。
撮影/鏑木 穣(SIGNO)ヘア・メーク/陶山恵実(ROI) 取材/石川 恵 ※情報は2024年6月号掲載時のものです。