入学や新学期の環境変化で忙しない4月を走り抜けたら、5月は〝母の日月間〟ということにして自分ファーストで過ごしませんか? 大好きな【デニム】も、いつもより少し遊びをきかせてラフに。ご機嫌でいられる一着とともに、好きな場所で、好きな時間を。それが自分への最高のギフト! 作家・ 山本理沙さんコラムと共にお届けします。
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好きなデニムを穿いて、今日は「お母さん」お休み!
子どもが生まれてから、デニムはずっと〝動くための服〟だった。走れてしゃがめて、汚れも気にしないでいい。オシャレというより、母として一日を乗り切るための 制服になっていた。
本当はデニムが好きだったはずなのに。いつの間にか「ラクだから」「無難だから」で 選ぶようになり、〝好きな服を選ぶ時間〟が、すっぽり抜け落ちていた。
だから、こんなデニムは久しぶり。大胆にレースが印象的な攻めのデザイン。歩くたびにさりげなく肌がのぞく。まるで隠していた自分が、顔を出すみたいに。
「今日は、お母さんを休もう」
そう決めたなら、とことん自由でいたい。似合うかどうかじゃなく、自分が着たいかどうか。高揚感が身体をめぐる一方で、でも少しだけ寂しかった。あんなに毎日穿いていたのに。あんなに必要だったデニム。でもきっと、どちらも本当。
あの頃のデニムは強くなるためのもので、今のデニムは、私に戻るためのもの。
パンツ¥29,700(プランクプロジェクト/プランクプロジェクト 青山店)カットソー¥13,200(ロエフ/エイチ ビューティー&ユース)バッグ¥93,500(MAISON CANAU/ヤマニ)靴¥36,300(ファビオ ルスコーニ/伊勢丹新宿本店 本館2階 婦人靴)ストール¥28,600(アソース メレ フォー コンテ/コンテ 青山店)サングラス¥36,300(ロンハーマン/ロンハーマン)ピアス 片耳・各¥37,400リング¥72,600(すべてビジュードエム/ビジュードエム六本木ヒルズ)
服にトキメク気持ちを取り戻す
久しぶりにデニム売場で 立ち止まったとき、何を選べばいいのかわからず戸惑った。似合うものはわかるのに、「好き」がすぐに出てこない。これまで長いこと、〝正解〟ばかり選んできた気がする。
無難で失敗のない、母として浮かないもの。いつからだろう。好きなものを後回しにしていたのは。誰にどう見えるかを優先するうちに、自分の本心に鈍くなってしまった気がする。
でも、本当はもう知っている。少しくらい外しても誰も困らないことを。パールがついた可愛らしいデニムを手にとったとき、似合うかどうかより先に、「これがいい」と思えた。
そんな直感が芽生えたことが嬉しい。正解じゃなくてもいい。他人でなく、自分の基準で選び直す。そんな小さな買物ひとつで、目の前の景色が、ほんの少しやわらいだ気がした。
パンツ¥32,000(Cygne/シーニュ)シャツ¥29,700〈THIRD MAGAZINE〉キャミソール¥22,000〈ATELIER EDITION〉(ともにTHIRD MAGAZINE)ネックレス¥330,000(ベッティーナ ジャヴァエリ/ロンハーマン)リング右手¥206,580 左手¥222,200(ともにMAAYA)バッグ¥61,600(COOLT/トレメッツォ)靴¥38,500(ファビオ ルスコーニ/伊勢丹新宿本店 本館2階 婦人靴)
デニムでオシャレを次のステップへ
昔からコンサバな服が好きだった。とにかく綺麗に見えること。私にとってそれがいちばん大事だった。
結婚してからは、その傾向がもっと強くなった。母として、妻として、誰かの前に立つときはいつもきちんとしている必要があったから。わざわざカジュアルなデニムなんて絶対に選ばない。
でもあるとき、ウィンドウに並ぶワイドデニムに目が留まった。だぼっとしたシルエットは、スタイルも悪く、だらしなく見える気がしてずっと避けてきたのに。
でも、この日はなぜか試着室に入った。「似合わないに決まってる」そう思いながら。すると、鏡に映った自分は見違えるほど軽やかで肩の力がすとんと抜けて見えた。そんな自分の姿に、気持ちまでほどけていく。
以来、私はどんどんデニムが好きになった。試着室でこれまでの自分の枠から飛び出したような、あの高揚感が忘れられない。60歳、70歳になっても、デニムコーデを楽しめるおばあちゃんでいたい。
パンツ¥33,000(ネイル/エストネーション )ジャケット¥59,950(エイチ ビューティー&ユース/エイチ ビューティー&ユース)カットソー¥22,000(プランクプロジェクト/プランクプロジェクト 青山店)バッグ¥52,800(COOLT/トレメッツォ)靴¥36,300(ファビオルスコーニ/伊勢丹新宿本店 本館2階 婦人靴)腰に巻いたストール¥12,100(イウエン マトフ/エイチ ビューティー&ユース)ネックレス¥411,400パールチョーカー¥145,200(ともにビジュードエム/ビジュードエム六本木ヒルズ)
挑戦の春は、いよいよサロペットを導入
サロペットなんて、正直これまで選択肢に入らなかった。40代の私にとっては、ちょっと奇抜で気後れする存在。間違いのない服のほうが断然安心だし、わざわざ崩す理由もなかったから。
でも本当は、「私には無理」と線引きするほうが楽で、ただ守りに入っていたのかもしれない。
でも最近、気分が変わった。ちゃんとしていないわけじゃないのに、どこか力が抜けて見える人に惹かれるようになった。サロペットには、その〝ちょうどいい抜け感〟がある。気合いを入れているわけでもなく、でも適当に見えるわけでもない。少しの遊び心があるだけで、装いも気持ちも、軽やかに自由になれる。
たぶん、これまで積み上げてきた〝きちんと〟があるからこそ、あえて崩すことも楽しめるようになったのだと思う。そんな感覚がわかってきた今だからこそ、この春は、もっと新しい自分を試していきたい。
サロペット¥33,000(プランクプロジェクト/プランクプロジェクト 青山店) ニット¥26,400(エストネーション /エストネーション )バッグ¥11,000(ハートメイド)、靴¥24,200(オデット エ オディール) 共に(オデット エ オディール 新宿店)ピアス¥82,500リング 左手ダブルフィンガー¥270,600〈MAAYA〉(ともにMAAYA)リング 右手ドラリング ¥213,400(ビジュードエム/ビジュードエム六本木ヒルズ)
撮影/今城 純 モデル/中越典子 ヘア・メーク/KIKKU(Chrysanthemum) スタイリスト/亀 恭子 コラム/山本理沙 取材/小仲志帆 ※情報は2026年6月号掲載時のものです。













