Lifestyle特集

子どもには「ゲーム」よりも「マンガ」を読ませてほしい
――学習院大学教授に聞きました

★ マンガを読むことは、正真正銘の読書行為です

学習院大学文学部教授・中条省平さん

1954年生まれ。学習院大学文学部フランス語圏文化学科教授。専門分野はフランス小説でありながら、映画やジャズにも詳しく、マンガ評論家としても活躍中。月に30冊ほどマンガを読む。マンガ批評に関する連載や著者『マンガの教養』『読んでから死ね!――現代必読マンガ101』など多数。2001年より朝日新聞社が主催する漫画賞の「手塚治虫文化賞」選考委員を務める。

昭和育ちの人には 抵抗があるかもしれませんが、 マンガを読むことは 正真正銘の読書行為です。

まず、お母さん方に言いたいのは、ぜひ「ゲーム」よりも「マンガ」を読ませてほしい、ということです。2つの違いは、マンガは「能動的」でゲームは「受動的」だということ。ゲームは向こうから何か起こってくるので、自分で考える時間がなく、反射運動が主で、思考能力はあまり必要ない。

マンガは、主人公になったり別の人物の気持ちに寄り添ったりして、他人の心に入りこむことができます。マンガは自分じゃない人のことを考える機会になるんです。

暴力描写があるマンガは見せたくない、というご両親もいらっしゃると思います。小学生ぐらいまでは、マンガで強烈な「暴力」や「性描写」は見せないほうがいいですが、ある程度は入ってきます。その時に親としてはっきり言えばいい。「うちでは認めないマンガ」だと。

人はみんな価値観が違うので、うちでは認めていない、と子どもが理解すればいいと思います。暴力はあっても、ストーリーの必然として出てくるので、そんなに心配はしなくても大丈夫ですが……。

私も昔、あまり好ましくないと言われていた楳図かずお先生のマンガなども隠れて読んでいました。母親からは、マンガでも本でも何でも読んでいい、と言われていましたが、一応、子どもながらに家の中で読む「うちの本」と「外の本」を分けて読んでいました。

小学生に恋愛モノは早いと思われている方に関しては、何も心配することはありません。子どもは自分がわかる範囲内で理解しています。

中条先生の研究室内にある本棚。音楽関係からジャズ、フランス関係、映画、『AKIRA』まで。ジャンルが幅広い。

ご自分の好きなマンガを読ませたいけど「まだ小さいから読めないかも……」と思っている方は、読み聞かせをするのもいいと思います。特に偉人の伝記マンガや歴史マンガは、大人が読んでも興味深く、最近は韓国をはじめ、海外でも似たようなジャンルのマンガが人気です。

マンガは自分のスピードで読めるところがいいので、スマホののアプリで読むよりは、やはり「紙」で読んでほしいですね。手で紙をめくるという行為が大事で、頭を使うだけでなく、紙をめくるという身体的な行為が記憶を高めるんですね。Webでは情報を眺めるだけで、身についた知識にはならないんです。

私にも、小4の息子と19歳の大学生の娘がいますが、子どもたちは幼稚園ぐらいから手塚治虫の『ブラック・ジャック』や水木しげる、石ノ森章太郎の作品を読んでいました。やはり手塚、水木は古いマンガでも、子どもをうまく引き付けます。最近はコロナの影響もあり、配信アニメからもっと先を知りたいと原作のマンガを読む方も多く、それもいいことですね。アニメよりマンガのほうが内容が多彩ですから。娘も『呪術廻戦』にハマっています。

昔は読んでいたけど、今はあまり読まなくなったという親御さんたちも多いと思います。そういう方は、毎年発表されるマンガランキング(「このマンガがスゴイ!」など)から入るのもお勧めです。自分の好きなマンガの世界が広がりますよ。玄人がお勧めするマンガはいいに決まってる! とりあえず第一歩として試しながら、ぜひお子さんと一緒に楽しんでみられてはいかがでしょう。

 


<例えば、こういうマンガは積極的に読ませていいでしょう>

Ⓒ超高層ビルのサバイバル ポップコーン・ストーリー 文 / 韓 賢東 絵/朝日新聞出版 Ⓒはたらく細胞 清水 茜/講談社 Ⓒコウノドリ 鈴ノ木ユウ/講談社 Ⓒブラック・ジャック 手塚プロダクション

STORY世代のママたちから人気だったというこれらのマンガ、素晴らしいセレクトです。

大きく分けてジャンルは3つ。『はたらく細胞』や歴史・科学マンガは、①情報知識系。日本の学習マンガはレベルが高い。②は『ブラック・ジャック』や『コウノドリ』などヒューマニズム系。①とも重なりますが、医療や出産、性教育の問題に関わってくることもあります。③はファンタジー冒険系。母親世代ならではの素敵なラインナップですね。

<個人的にお勧めしたいのはこちら>

Ⓒ萩尾望都/小学館

萩尾望都先生の『バルバラ異界』や『イグアナの娘』。想像力が搔き立てられます。『バルバラ異界』は2007年の最も優れたSF作品として日本SF大賞受賞。ドラマになった『イグアナの娘』は深い母娘関係の話。

撮影/杉本大希〈人物〉、清藤直樹〈静物〉 ヘア・メーク/里美(竹邑事務所) スタイリスト/関谷佳子 取材/東 理恵 ※情報は2021年4月号掲載時のものです。

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