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「仕事のつらい経験は、後の人生でぜったいに役に立つ」|40代の女性社長が、人気ブランドを作るまで(後編)

「アルページュ」が新たに立ち上げたブランドは、ちょうど社長である野口麻衣子さん自身の世代である40代向け。そこに至った経緯と、いま何を思って女性の多い会社を引っ張り、何のために洋服を作っていくのか、お話を聞きました。

前編はこちら

アルページュは、女性らしい華やかな装いで人気を集め快進撃を続け、社員200名を超える企業へと躍進していきました。2016年、麻衣子さんは待望の第二子を出産し、2人の男の子のママに。翌年には社長に就任し、現在では4ブランド、280名の社員を抱える企業へと成長。外苑前駅直結のビル内に構えた広々とした本社オフィスは、神宮のラグビー場が見渡せる、最高の環境です。社員の97%は女性というアルページュでは、自身が出産を後回しにし、産後も大変だった経験を生かし、女性スタッフが働きやすい制度や環境づくりを心がけてきました。

麻衣子さんが、もうひとつ大切にしているのが清潔・整理整頓です。「今は近代的なオフィスですが、創業当時は小さくて、古いビルでしたし、さまざまなところを社屋にしてきました。服を作る作業は生地を扱うため、どうしてもほこりが多くなります。材料やサンプルなどのダンボールも常にたくさんある。だから放っておけば、いくらでも散らかってしまうんです。でも、どんなに古い建物にいたときでも、整理整頓して、清潔にして、環境を整えてから、仕事をスタートすることを大切にしてきました。環境を整えて、さあ、仕事をするぞ、と気持ちを切り替えたいんです。ですから、うちの会社では、始業時間後、朝礼のあとに、お掃除タイムを設けてます」。

また、麻衣子さんは、どんなに忙しいときでも、身だしなみを整えることは、欠かさないと言います。「社員の前に出るときは、どんなに疲れていても、きちんとメイクをして、髪を整えています。ファッションは着飾るだけのものじゃない。身支度をきちんとすることで、背筋がシャンと伸びますよね。うちのスタッフには、もちろんそんなことは言いませんが、みな、オシャレして出社してきます。そうやって、環境も自分もきちんと整えれば、”さあ、いいものを作ろう”という気持ちが自然と湧いてくると思うんです」。

昨年、アルページュは、『CADUNÉ』という新ブランドをローンチしました。そこには、STORY世代の麻衣子さん自身の実年齢に沿った、”今着たい服を作りたい”という思いも反映されています。「自分も20代、30代、40代と年を重ね、またスタッフもみな年齢を重ねていく中で、日々の暮らしからインスパイアされるものや、気づくヒントを、服作りに生かしてきました。この新ブランドは、40代の今の自分の思いが詰まったブランドとも言えます。

『CADUNÉ』とは月光の意味。月の満ち欠けによって、女性は、さまざまな影響を受け、体調や、精神的な変化がありますよね。だから、日々心地よいと感じるものは変化する。それは素材であったり、着心地であったり、軽やかさであったり、いろいろあっていいと思っています。このブランドはこうでなくては、といった『枠』にこだわりすぎず、心地よさをキーワードとして、広くアイテムを展開しています。

コロナ禍で、気持ちがふさぎがちな今だからこそ、カラフルな色をまとって、気分を上げられるものがあるといいなと、きれい色も入れています。また、ファッションだけでなく、例えば香りのように、五感に訴えて女性の気持ちを上げ、笑顔にしてくれるような、ライフスタイルグッズへの展開も視野に入れています。

今、日本中、世界中が大変な時期で、働くお母さんたちは職場でも家でもとっても苦労していると思う。でも、私はよくスタッフに言うんです。仕事の辛い経験は、このあとの人生で絶対に役に立つし、自信につながるって。その言葉は、そのまま、自分にも当てはまることです。

ファッションって人の気持ちを豊かにするもの。ファッションからパワーをもらって、ひとりでも多くの女性が笑顔で前に進んでいけるとうれしいと思うのです」。

野口麻衣子さんインスタグラム】@noguchimaiko125

撮影/BOCO 取材/秋元恵美

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