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Lifestyle特集

祝・金メダル!男子レスリング乙黒拓斗選手による”お母さんへの手紙”

12歳から家を出た自分を応援し続けてくれた母に、小学生時代から目標にしてきた〝金〟で恩返しを

レスリング65キロ級代表 乙黒拓斗選手(21歳)

優しく、でも時に厳しくずっと見守り続けてくれた母

学生時代レスリングをしていたお父さんの影響でお兄さんとともに練習を始めたとき、拓斗さんはまだ5歳でした。「自宅に8畳ほどの練習場を父が作り、学校から帰ると夜遅くまで基礎練習を積みました。父はスパルタで怖かったですね。正直、レスリングは、好きというより生活の一部で、使命感を持って取り組んでいました」。
そのかいあって、試合では負けなし。小学生で、目標をオリンピックでの金メダルに据えていました。小学校卒業を前に、国がトップアスリートを育成する「エリートアカデミー」から声がかかり、入所を決断。12歳で親元を離れ、ナショナルトレーニングセンターでの寮生活が始まりました。「兄が先に入っていたこともあり、金を目指すなら、これしかないと思って飛び込みました」。寮は4人部屋で、朝練をしたあとに近くの学校に通い、帰ってまた練習という生活。食事は用意してくれますが、洗濯や掃除、補食の買物などは自分でしなければなりません。「洗剤など何を買っていいのかわからず、戸惑いました。家に帰れるのは夏休みと年末年始の数日のみ。ホームシックになり、毎日家に電話をかけていました」。そんなときお母さんは、いつも優しく答えるよう心がけました。「拓斗と話す内容はたわいもないことでした。ときには『おやすみなさい』だけだったことも。でも、頻繁に連絡をとることで、話しやすい環境を作っておきたいと思いましたし、声のトーンで元気かどうかが伝わってきました」。拓斗さんは、とにかく強くなることに必死で、反抗期も意識したことがなかったほどでした。その後、強豪・山梨学院大学に進学し、現在も大学で寮生活を送っています。「実家から車で10分くらいのところなんですが、家には帰りたいけれど帰りません。居心地が良すぎて、いい意味でも悪い意味でも安心してしまうんです」とあくまでもストイック。オリンピック選手に選ばれた今も「ここは通過点。目指すのはあくまでも金です。力を出し切れば手が届く自信があります。女子が注目を集めていますが男子も盛り上げていきたい。優勝したそのときこそ、お母さんにありがとうと伝えたいです」。

「手紙ですか? え、どうしよう?」と考えながら「母はちょっと過保護なんです」と笑う拓斗さん。でも、母親は誰でも、一生息子に対して過保護なものなのです。

乙黒拓斗選手
山梨学院大学4年生。JOCエリートアカデミー出身で全国高校選抜大会3連覇。’18年世界選手権では日本男子として最年少の世界王者に輝き、’20年2月のアジア大会でも優勝。東京五輪では金を狙う。

乙黒さんのこともっと知りたい!

レスリングってどんな競技?

人類最古の格闘技。互いに技を使って相手を組み伏せ、両肩をマットに押し付ける(フォール)か、または技のポイントを競うことで勝敗が決まる。負けていても一瞬の隙をついたフォール勝ちもあり、息を呑む試合展開が魅力です。

弟に続いて、3月に初のオリンピック代表に選出された2歳上の兄・圭祐さんとの幼稚園時代の2ショット。

中学生のころから筋骨隆々です。

撮影/西あかり〈人物〉、坂根綾子〈静物〉 取材/秋元恵美 ※情報は2020年5月号掲載時のものです。

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