丹澤さんのお仕事は…
移動花屋
10年間、パートで勤めた大手花屋で花屋としてのキャリアを積み、「移動花屋なら心ときめく空間を一瞬で届けることができる」と’19年にカフェのイベントに参加。イベントや花屋に来られない場所の方へも出向き出店。丹澤さんの世界観に魅了されたリピーターのお客様も多く、長い列も。一緒に出店してたいた移動カフェをしている方との繋がりでカフェの一角にお店を持つ話が舞い込んできたため、「チャンスを逃してはいけない!」と今年5月に店舗もオープンされました。
好きを仕事にしようと思ったきっかけis…
学童保育の指導員、塾の講師、カフェやレストランの接客、ボトルウォーターの販売の営業、テレアポ、受付、デスクワークなど、あらゆる仕事が長続きしませんでした。「それも悪くない。仕事はお金を稼ぐ手段で、楽しくなくても仕方ない」と“そんな生き方もある”と自分で納得して、旅を繰り返していたんです。私がヨーロッパばかり旅していた理由は、花に溢れる街並みが大好きで、石畳の路地を歩き回ってはその風景を楽しめたから。ずっと憧れのヨーロッパに刺激を受けていました。
私が花に関わるきっかけになった出来事は結婚でした。私に主人が言ってくれた「これからは自分の好きなことをすればいいよ」の一言。一度も仕事が生きがいになったことのなかった私が自分の好きを探し始め、巡り合ったのが花屋の仕事でした。
元々小さい時から花や植物が好きで人よりかは名前も詳しかったんです。そして何かを作ることが好きで、何より人に喜んでもらうことが好き。冬は水が氷のように冷たいのですが、私は初めて仕事が楽しいと思えました。「いつか素敵なブーケが作れるようになりたい」と花に関する勉強や練習も、夢中になれる自分がうれしく思いました。初めて飽きることなく大好きな仕事を見つけて「いつかはお店を」という夢は膨らみました。
美容院で「花屋をやりたい」と話していたら、「あそこでイベントがあるよ」と教えてもらい、それが縁でカフェに移動花屋として出店させてもらうことができました。私の作ったリースを喜んでくれたお客様の笑顔がうれしかったですね。コロナ禍で出店を自粛した期間もありましたが、マンションの生け込みの仕事などをいただき、花に対するワクワクは止まることがありませんでした。
車を買い替えるきっかけもあり、自分好みの色などを指定して改装を委託。少しずつ私らしい形になってきたと思います。イベントで同じ移動販売をしていた方にも声をかけるなど体当たりで営業(笑)し、段々と販売できる場所が広がりました。今年チャンスがあり店舗も構えることができましたが、移動花屋は私のライフワーク。その空間を一人でも多くの人に届けられるように、父のように生き生きと楽しく仕事をしていきたいと思っています。
好きを仕事にするまでのスケジュール
ヨーロッパへ一人旅。
その世界観に魅了され、フリーターとして働きながら資金を貯め、またヨーロッパへ旅を繰り返す
2010年
結婚
2011年
大手フラワーマーケットのパートを始め、花の世界に入る
2012年
第1子誕生
2014年
第2子誕生
2019年
移動花屋としてカフェやイベントに出店
2021年5月
店舗“Hanano”オープン
丹澤さんに3つの質問!
この仕事をしてうれしいなと感じる瞬間はどんなとき?
あとはお客様に「Hananoさん」と呼ばれるときですね。実は店舗の名前を決める時は、フランス語の名前だったり、好きなお花の名前を候補に挙げていました。しかし主人にどう思うか尋ねたら、「どれもいまいちだなぁ!」と言われてしまいショック! そして主人からの提案されたいくつかの名前の中に、“Hanano”があったんです。今は丹澤さんではなく、子どものママでもなく、「Hananoさん」と呼んでくれる方ができてうれしいですね。「Hananoさんの世界観が好きなんです」と言ってくれるお客様の声が本当にうれしくて、やる気に繋がっています。
「Hanano」のこだわりは?
今後の展望を教えてください。
私は“キャトル・リーフ”というNPO法人のボランティア団体で、病院や高齢者施設など、なかなか劇場に行くことのできない方のもとにミュージカルをお届けする活動をしていました。自分が好きなダンスとお芝居が、患者さんやご入居さんの笑顔に繋がることが本当にうれしくてやりがいを感じ、大学を卒業してから20年間近く、全力を注いでやってきました。