Lifestyle私たちのチャレンジSTORY

老犬介護ホームの立場から、ペットの命の問題を考える

コロナ禍で在宅時間が増え、ペットを飼う方が多いと聞きます。でも、中には飼いきれず、捨ててしまう人も。自治体では、殺処分ゼロへの取り組みが実施され、数は減っています。しかし背景には、愛護団体やボランティアが引き取る数が増加したことで、保健所の引き取り数が減ったという実態も。今回は、人と動物がともに生きる社会の実現に尽力する方々にお話をうかがいました。

老犬介護ホームの立場から

小野洋子さん(48歳・福岡県在住) 老犬介護ホーム「Azu(l アスル)」代表

看取ってこそ飼ったと言える。
ただ預かるのではなくプラスアルファのお世話をして老犬の余生を看取りたい

20年以上、動物の保護活動などに関わってきた小野洋子さん。重症度の高い老犬を看てきた経験を活かし、’16年に老犬介護施設「アスル」を立ち上げました。また、殺処分前の老犬で、明らかに疾患がある犬を引き取る“看取りボランティア”も行っています。「アスルはただお預かりするだけでなく、プラスアルファのサービスがモットー。寝たきりの状態だった犬もリハビリをし、車いすに乗せて散歩に行くこともあります。基本、犬たちは部屋で思い思いに過ごし、庭へも自由に行き来しています。日課として大切にしていることは、顔を観ること。介護は一頭一頭違う難しさがありますが、変化等を感じ取ることができます。夜は一緒に添い寝をし、24時間生活を共にしながら体調を見守っています」。

小野さんが活動を始めたきっかけは、難病の娘さんを持ったことでした。「生まれつきの難病でサービスを受ける側でしたので、サービスによる生活の質の向上を感じていました。それなら私は得意としている老犬介護で社会に貢献したいと思ったんです。必要な犬にどの介助補助具がベストかわかる。これは娘の介助経験が活かされています。サービスを受ける側の気持ちが共有できることも大きいです」。犬の介護疲れは愛犬がかわいいが故に1人で抱え込むため、深刻な場合が多いそう。目が離せないため買物にも行けず、社会から隔離されて切羽詰まり、預ける時に泣かれる方も多いといいます。利用者は高齢の方、自身が闘病中の方、年齢が若くても犬から目を離せず一人にしておけない状況の方など。高齢の飼い主が亡くなり、その家族からの依頼も少なくないそう。「最初は泣いていた飼い主さんも、睡眠が取れて1週間も経つと表情が明るくなります。介護はある程度の余裕が大切だと思います」。預かった犬の死期が近いと思えば、飼い主に自宅へ戻す提案をすることも。中には飼い主と獣医師と相談し、安楽死を選択せざるを得ないケースもあるといいます。「看取ってあげられることは実は幸せなことだと思います。うちに預けたとしてもそれまでの間、無責任ではなかった。だから精神的にはつらいけれど最期は看取った状況にしてあげたい。看取ってこそ飼ったと言えるのではないでしょうか。今はコロナ禍でペットブームですが、高齢の方が飼育する難しさを危惧しています。飼う時はかわいいだけでなくいつかは介護が始まることを考慮し、体力があるのかを逆算して検討してほしいと思っています」。

  • 慢性腎不全など疾患がある犬や、食べられなくなり脱水を防ぐ時などに点滴をすることも。
  • 症状に応じて酸素吸入をしています。
  • 介助補助具は犬に合わせた負荷のかけ方を判断して製作。
  • 「 食事の準備は疾患に応じて作り、一頭一頭口に運ぶ必要もあるので時間がかかります」。
  • 先月は3頭の犬を看取ったそう。
  • 飼い主として出会った山本美和さんは現在職員に。「繋がりが深い飼い主さんが多く、それは何年経ってもうれしいです」。

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撮影/BOCO 取材/孫 理奈 ※情報は2021年11月号掲載時のものです。

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