◯ 答えてくれたのは......「りぼん」編集部 編集長・相田聡一さん 編集・上原天洋さん
「りぼん」 集英社
1955年創刊以来、乙女のバイブルであり続ける。40代ほとんど誰もが「りぼんっ子」。『ときめきトゥナイト』『有閑倶楽部』も懐かしい!
少女マンガの世界こそ
娘たちの恋愛事情の手がかりです
娘たちの恋愛事情の手がかりです
少女マンガでの描写に対して、読者の親御さんから「子どもに何を見せるの!」とか「あのシーンはどうなの!」とお電話をいただくことも稀にあります。ただ、その多くは一部のシーンだけを切り取った意見なので、ストーリー全体を読んでもらえれば納得してもらえます。小6女子が主人公の『ハツコイと太陽』では、編集部に来た小学生のハガキやアンケートなど、生の声を参考にすることもありました。
「男の子と両想いっぽいのに喋れない」「『好き』って言えないまま、小学校を卒業しちゃいます」など結局、昔と変わりません。抱き合ったり、キスをしたりするシーンも出てきますが、どんな恋愛作品も同じ。ストーリーの自然な流れで入っているだけです。
違いと言えば、昔は男女2人が「両想い」だけで終わっていたことが、今は「好きです、つきあってください!」までがワンセットになっている感じ。スマホで男の子との距離も近くなり、昔より直接的になっているのかも。
少女マンガ全体の傾向として、今は恋愛モノ以外のマンガが減少しています。その結果、恋愛要素が目立ってしまうのですが、「りぼん」としては〈少女マンガ=恋愛〉にしたいわけではありません。読者に対してリアルなものからシビアなもの、憧れやファンタジー、さまざまなものを見せていきたいと思っています。でも、恋愛に憧れるヒロインに憧れる、というのは子どもが読むマンガとして、いちばん大事なところです。
◆ 小学校高学年に人気の恋愛モノCOMIC
<右から>
『ハツコイと太陽』 ©木下ほのか/集英社
「最初の恋は一度だけ」。小6のさばさばした小春子と、男前男子一条くんとの一途な初恋が描かれる。まっすぐな表現が素敵。恋愛だけでなく、友達との絆「片想い同盟」の友情もジーンと涙。担任の先生もいい味出てます。
『小学生のヒミツ』 ©中江みかよ/講談社
小学生女子のトリセツ漫画。女子だからこその悩み事が解決できると人気に。体の変化や気になる男子にドキドキする……そんな小学生のリアルな悩みがたくさん。揺れる年頃の恋のいろいろ、詰まってます。かつて「なかよし」で連載していました。
『ハニーレモンソーダ』 ©村田真優/集英社
小学生女子が憧れる恋がここに。累計850万部突破! 髪はレモン、性格はソーダな男の子と、昔「石」と呼ばれいじめられていた女の子との高校生青春ラブストーリー。去年Snow Manのラウールくん主演で映画化され話題に。「りぼん」で連載中。
『千紘くんは、あたし中毒。』 ©伊藤 里/講談社
「ずっと探してた。あんたが俺の女神(ミューズ)だ」。いきなり言われたら「惚れてまうやろ~!」セリフから始まる! 超マジメで超強引な高校生デザイナー千紘くんにひとめぼれされ、主人公が変わっていくラブキュン話。「なかよし」で連載中。
◯ ニュー速少女マンガ雑誌といえば、この2誌も元気です!
「なかよし」 講談社
かつて夢中で全プレに応募した。『あんみつ姫』『セーラームーン』など、ヒット作も多数。今も豪華付録は健在です!
「ちゃお」 小学館
昔は『ピンクなきみにブルーなぼく』『天よりも星よりも』が人気だった。これを読めば今の小学女子がわかる。
撮影/清藤直樹 取材/東 理恵 ※情報は2022年4月号掲載時のものです。
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