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女優清水美沙さん「心と体が整えば更年期も当たり前に」

結婚して海外生活が長かった女優の清水美砂さん。引っ越しのたびに、環境変化から不調に陥ることのあった彼女を支えたのは家族でした。そんな清水さんにお話を伺いました。

◯ 清水美砂さん(51歳・女優)

1970年9月25日、東京都生まれ。1987年、映画で女優デビュー。1989年に連続テレビ小説「青春家族」のヒロインをつとめ、様々なドラマや映画で活躍。1998年に結婚後は海外と日本を行ったり来たりしながら女優としての活動を継続している。


アートやサウナ、家族とのスキンシップ...
心と体が整えば更年期も「当たり前」に

昨年の10月、日本に帰国しました。1998年にアメリカ人の主人と結婚してからはアメリカ、日本、ハワイ、アメリカ・メリーランド州、そして2016年からはオランダ、2019年にまたアメリカへ戻り、2021年帰ってきたところです。

夫の転勤に付き添って海外で暮らす間にはダイナミックな環境の変化で心身ともに不調を感じることもありました。最近では帰国直後、たまに体がカッと熱くなって、メンタルもかなり落ち込んでいたので「これがホットフラッシュ(*1)? 更年期?」 と思ってマネージャーの男性に相談したんです。実は彼は男性更年期(*2)の経験者なのでいろいろ教えてくれました。

【 *1・ホットフラッシュ 】 卵胞から分泌される女性ホルモンの一つのエストロゲンが急激に低下することが原因の症状で、顔のほてりや発汗などの症状をともなう。
【 *2・男性更年期】 テストステロンの低下による男性更年期は最近よく話題にのぼるように。疲れが取れない、仕事の意欲がわかない、などメンタル部分に影響が出ることが多く、鬱症状とよく似ているため、混乱を招きやすい。心当たりがあったら、男性更年期外来、もしくは泌尿器科の受診を。

 
— 清水美砂さんと言えば1990年代の日本のドラマに欠かせない代表的俳優の一人。28歳でご結婚されてからはご家庭優先という決断をされました。

が、昨年親日家のご主人の転勤でようやく帰国がかない、またお2人のお子様も大学生以上になられるということで、今後は日本でお芝居のお仕事を本格的に再開されるよう。

そんな清水さんがもしかしたら更年期? と不安になったときに助けてくれたのは男性更年期経験者のマネージャーさんの経験とストレッチやウォーキングなどの運動とサウナ、そしてアートと音楽だったそう。

私をサポートしてくれている男性マネージャーさんがちょうど数年前から男性更年期の症状があり、更年期外来に通い、サプリや生活習慣改善に取り組んでいるのを知っていたので、自分に症状が出始めたときも慌てずに彼にいろいろ聞きました

そしてわかったのは、更年期は男女問わず、遅かれ早かれ誰にでも訪れるもので、40代~50代という心身の変わり目に巡り合う「季節」だということ。そしてそのときの私が引っ越し直後ということで更年期のきっかけはメンタル的なことがあるのかなと思いました。抗わずに受け止めようと心を決め、体を動かし始めて自然に元に戻りました

確かにアメリカにいたとき、ドクターが「50歳前後はホルモンのバランスが崩れてくるから歩くだけでもいいから運動しなさい。それでも治らないようなら低用量ピルの服用もオススメ」と言ってらっしゃいました。アメリカはピルに対して日本ほど抵抗感がなく、避妊やホルモン治療の一環としてピルを飲むケースも多く、私も更年期症状が加速したら治療の選択肢として考えもいいのかなと思っています。

2016年、オランダに引っ越した直後も、一時期ネガティブスパイラルに陥りました。見知らぬ国で終日家の中でずっと1人、メンタルが崩れそうになったんです。そのときに主人と一緒にデビューしたのがサウナ。オランダのサウナって皆さん全裸。生まれたままの姿で外を歩いてプールで泳いでその後サウナ。そんな開放的な空間にいたらネガティブな気持ちがあっという間に吹き飛びました

そこで目覚めたのはサウナの効用。汗をいっぱいかけば体の疲れも取れるし、脳もリセット。日本では皆さんガウンやタオルを巻いてらっしゃいますけど、日本でも私だけは自然な姿で(笑)、開放感を味わえるように自分流を貫いています。

また、更年期対策としては自分の好きなことをするのが効果的。まずは朝のゆったりとした時間の中でいただく食後のコーヒーが最高の日を予感させてくれる大好きなひと時。コーヒーのあとは家の掃除。家が片づいていないと私自身も気分が滅入り、元気になれない気がします。

あとは好きな音楽を聴いてアートを見ること。帰国して念願のアーティゾン美術館を訪れ、その空間の素晴らしさ、所蔵美術品のセンスの良さに感動しました。(4月29日~7月10日①6F 「写真と絵画―セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」②5F「Transformation 越境から生まれるアート」他)。

アートで好きなのは印象派で、昔はゴヤやレンブラントに傾倒していました。各国で美術館巡りをしていますが、実は世界中でいちばんのお気に入りは徳島県にある大塚国際美術館。徳島で撮影があったときにお休みが二日間あったので、何気なく訪れたのですが、あまりの所蔵品の素晴らしさ、空間の見事さに心奪われ、時間が許す限り入り浸りでした。

 
— サウナやアートや音楽を愛してやまない清水さんですが、豊かな感受性の根底には愛を求め、敬う気持ちがあると言います。 

それは幼少期、あまり愛情に恵まれなかった生い立ちや、16歳から大人の世界で仕事をしてきた稀有で過酷な経験から感じているものだそう。 

2年前に母が亡くなったので実家にあった人生教訓の札を引き取ってきました。私はなぜ母の元に生まれたんだろうと思いつつ、恨むのではなく感謝を持てたのは母のおかげと思って生きてきました。いろいろあったけどありがとうと言って看取ることができたのは良かったと思っています。

その母が持っていた人生の教えは10代から心に刺さっていました。読むたびに、人間というのは魂を磨いて生きなければいけないと感じたものです。16歳から仕事を始めたので、大人に囲まれながら背伸びをして生きてきて時には文句を言いたいこともありました。でもそんなとき、苦しいのは自分に甘えがあるからだよという言葉が響き、考えを改めたりしました。

また愛についても昔からとても深く心に刻んできました。16歳のとき、「青春家族」という朝ドラで1年半ご一緒したいしだあゆみさんに言われたんです。「愛するということはその愛を貫き通すこと。自分の中で崩れるのであればそれは愛じゃない。一途に貫くのが本当の愛なんだから、そういう風に愛する人を見つけなさいね」という言葉をあかりとして進んだ中で主人と出会いました。

18歳でショーケンさんとご一緒した時に「お前、いしだあゆみに似てるな。芝居まで似てるからやめろ」なんて言われましたけどね(笑)。でも愛とはやはり究極に尊く大切なものです。「愛することは愛されること」というジャン・コクトーの言葉は本当にその通りだと思います。

また私には主人がいますので、彼との間の愛情表現をきちんと交わすことも自律神経の安定に大切だと思っています。年齢関係なくパートナーがいたら、スキンシップを惜しまずに。これは交感神経と副交感神経の上手な切り替えにマスト。主人だけでなく子供たちとのハグやキスも大事。パートナーの有無は人それぞれなので一概にはいえませんが、もしいらっしゃるならば年齢など関係なくスキンシップが必要だと思います。

愛することはエネルギーが要ることですが私は愛情も会話も惜しまないようにしています。もし話したくない場合は「その話聞きたくないの」とはっきり言いますし、主人も言ってくれます。自分が何が好きで何が嫌いなのかは伝え合うべきですね。私も本格的な更年期はこれから経験すると思いますが、怖がりすぎず、何とかなる!を合言葉に皆さんとともに一緒に頑張っていきたいと思っています。

掃除をすることで家族にも気持ちいい雰囲気や元気を与え、それがまた自分に返ってくるので掃除は私の趣味になっています。

TOP写真:デニムジャケット¥79,200デニムバッグ¥83,600(ともにPINKO)カットソー¥31,900(19.70)パンツ¥60,500(CÂLLAS MILANO)(すべてサン・フレール)ネックレス¥53,900(セシル・エ・ジャンヌ青山店)靴、イヤリング(スタイリスト私物) 末尾写真:プルオーバー¥102,300スカート¥74,800(ともにCÂLLAS MILANO/サン・フレール)ルームシューズ(スタイリスト私物)
撮影/BOCO ヘア・メーク/土橋大輔 スタイリスト/勝俣淳子 取材/柏崎恵理 撮影協力/アーティゾン美術館(会期、休館日などの情報はホームページをご覧ください) ※情報は2022年5月号掲載時のものです。

 

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