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本誌11月号「子どもトラブルのセーフティネット」で紹介しきれなかった 「もっとあるあるエピソード!」の対処法【前編】

STORY11月号で掲載されている「子どもトラブルのセーフティネット」(P.250~P.253)。誌面では、ある中学生のお子さんが巻き込まれたスマホのSNSトラブルを中心に5つのエピソードを紹介しました。
今は本当に、学校だけでは収まらない広範囲に渡ったトラブルが増えています。
学校と親で対処出来ていたものが、警察や弁護士まで巻き込む事件も多数!

本誌では掲載しきれなかった読者さんのエピソードを4つ、前編、後編の2回に分けて、専門家のアドバイスと合わせてご紹介いたします。
ぜひ、子どもに何かあったときの参考にしてください。

ネガティブなレッテルを貼られる(やってもいない不名誉)

EPISODE.6

「小5の息子が友達と遊んでいた際、購入したての『電動シャボン玉鉄砲』を持ってきていたA君がいた。A君はそれを順番に貸して遊んでいたが、家に帰った時には壊れていた。それを最後に使っていたB君の家に、A君とその父親が一緒に訪れて『謝ってください。弁償して下さい』と言いに来た。A君の父親は塾講師をしており、『人のものを壊しておいて、礼儀がなってない!』と言い残して、帰っていったという。
B君の母親は、〈自分の子が壊したかどうかもわからないし、そもそも遊びに持っていくのなら壊れても仕方がないと思え〉と感じたが、結局ネットで注文し、弁償したらしい……」――40歳 Sさん・会社員

弁護士・髙橋知典さんのアドバイス
弁護士・髙橋知典さんのアドバイス
この件では、弁護士を介入させることはあまりお勧めしません。弁償以上に弁護士費用のほうが高くつきかねません。携帯やゲームといった壊れない物を“わざと壊された”という場合は、弁護士を入れた方が良いこともありますが。 ただ、大したことがない理由でキレてくる親には、多くの場合、背景に別の理由があります。例えば、日頃から、お子さんの乱暴な振る舞いに怒りを感じていたり、以前からお子さんに貸したものが返ってこないと気にしていたり……など。 日頃、保護者会のついでや、何かの用事で学校に連絡したときには、念のため「うちの子に苦情が来ていたりしますか?」と軽く聞いてみるのも良いでしょう。 先生は、他の親から苦情が来ていても、自分のところで止めておき、苦情先の親に伝えないことが多いです。学校側も、相手の親を「よく苦情を言う親だ」―と把握している場合もあります。 相手の親が怒るときには、蓄積された嫉妬が背景にあることも多く注意が必要です。 「あの子のせいで自分の息子が活躍できないんだ!」といった不満を抱いていることもあり、「これを機に言ってやろう!」と思う親もいるのです。 相手親がしつこい場合や、怖い場合には、弁護士に相談することも考えましょう。

お金のいざこざ

EPISODE.7

「小6の息子。最近、オンラインゲームで『こんなアイテムを買った!』『こんな服を買った!』というのが過熱気味で、友達同士で“マウントの取り合い”になっている。今は自分のお小遣いで課金しているが、そのうち相手の友達も巻き込んでしまうようなことがあるのではないか……怖いと思っています」(47歳 Aさん・フリーライター)

リスクコンサルタント・石川慶子さんのアドバイス
リスクコンサルタント・石川慶子さんのアドバイス
お金絡みの問題は、親同士で話し合いをし、お互い納得のうえで解決を目指しましょう。 最近は、お誕生日プレゼントにオンラインゲームの課金アイテムをあげる、といったこともあります。 “おごったり、おごられたり”などがあるような場合は、親同士で子どもたちがどれぐらいお金を使っているのかを把握することが大事。 〈どちらかの子どもが一線を越えたら、必ず連絡しようね〉と声を掛け、親同士のネットワークを繋げておくと、何かあったときに便利です。 オンラインゲームで知らない相手と繋がっている場合は、連絡が取りにくいと思いますが、できる限り親の管理内でゲームをしてもらうこと。 あえて、親も一緒にオンラインゲームをして、子どもへの理解を深めておくのもお勧めです。

【後編】はこちら

撮影/西 あかり 取材/東 理恵

◎答えてくれたのはこのお二人です 髙橋知典さん
レイ法律弁護士事務所の学校トラブル部門統括責任者
第2東京弁護士会所属。年間200~300件もの子どもに関わる事件全般、学校関連(いじめ、体罰、学校トラブル)問題を取り扱い、真摯に向き合う。情報番組のコメンテーターとしてメディアにも多数出演。幅広い年代からの支持を集める。

石川慶子さん
日本リスクマネジャー&コンサルタント協会副理事長
2001年危機管理広報の分野で活動開始。2006年から教員研修センターにてリスクマネジメント講習も始め、5000人以上の教員を指導。2娘の母として地域のPTA会長や教育委員も務めた。著書「なぜあの学校は危機対応を間違えたのか」他。
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