こんにちは、Ritaと申します。今年3月末に大人留学を決意し6月からスペインで生活しています。当初知り合いは一人もおらず、ただただ住居と語学学校を黙々と往復、街中は一人でこっそりと覗きに行くような生活でした。その後クラスメイトと話せる仲になり、食事に行く機会があったりと、徐々に交流の幅が広がることに……。今回はそんな友達作りの実体験を、段階を追ってお伝えさせていただきます。
最初の初級クラスは、全員違う国のクラスメイトでした。ヨーロッパ諸国の留学生が多く、ドイツ・フランス・イタリア・ノルウェー・デンマーク・カナダ・スイス・韓国の計9名20代~60代。私以外は全員、英語が堪能。休憩時間になるとドッと英語が溢れ、手招きで呼ばれても中学生英語の私は10分の休憩すら英語で過ごすことができず、次第に輪に入れなくなり、孤独を感じることに。宿題の相談も休日の約束も、すべて英語。もう少し英語力があったら友達は何倍にも広がったと思いますが、留学初期の友達作りはきっぱり諦めることにしました。「今は1人でもいいや、少しでも意思疎通できるようにとにかくスペイン語を覚えなくては!」と、自分に言い聞かせて。
スペイン語で会話なんて成り立たない!話す仲間もいない!
「どこに住んでるの?」「兄弟はいるの?」クラスメイトと少し話せるようになっても、会話はすぐに終わってしまい、笑い合える仲には到底なれません。また既に母国でスペイン語を学んできたクラスメイトは超初級の私とでは勉強にならず、2人組で行う授業では私を避ける人も出てきました。“発言もせず何を考えているか分からない日本人”そんな存在だったに違いありません。「ここでも友達作りは無理だな……」と諦めつつ1人休憩にも次第に慣れ、英語を話さなくちゃ!という圧迫感からも解放され、気ままに居心地良くさえも感じました。でも、ふと気がついたのです。このままじゃ、せっかく学んでいるスペイン語を使う相手もいないのでは……?
もしかしたら友達と呼べる人ができたかも!
クラスのレベルが1つ上がり、スペイン語のみでの会話を心がける仲間が増えてきました。正確な文章は作れなくても、会話の内容を楽しみながら話すことが、たまにできるように。そんな中「帰り路に皆でランチへ行かない?」隣席の女性から声がかかり、迷わず着いて行くことに! 私以外はみんな英語が堪能なメンバー。でも、ランチ中は全員がオールスペイン語を心がけてくれ、私も知っているスペイン語を必死にかき集めてなんとか会話が成り立ちました。後日、その中の1人から誘われ、学校開催の日帰りバスツアーへも参加。「好きな食べ物は?」「最近旅行に行った?」「子供いるの?私も!」会話に困らないよう事前にメモを作り、出来るだけ記憶していきました。この時初めて‘友達’と呼べる人ができた気がして……実は涙が出るくらい嬉しかったです。学校に通い始めて2ヶ月目のことでした。
一往復で終わらない会話をなんとか持続!
留学生は2~3週間の短期生が多く、仲良くなっても直ぐにお別れ、そして次々と新入生が入り、また新たな出会いが始まります。中級クラスになると授業を引っ張ってくれる積極的な生徒が多くなり、そんな彼女達について行けるよう隣の席に座るように心がけました。20代の彼女らが興味を持ってもらえるような話題を用意し、相手の答えも想像しながら次の質問も予め考えておき、一往復で終わらない会話を心がけました。そうして少しずつ距離を縮めて行った結果、次第に海岸や食事にも誘われるように! 私が理解しにくい会話は身振り手振りでフォローもしてくれ、レベルの差があっても声をかけてくれる有難さに甘えています。
そして、最近の新しいカフェ仲間は60代の元教師女性。授業が早めに終わった日に、勇気を出して私から声をかけてみました。彼女とは「今からでも新しい事を始めたくて!」と共感できる話が多くホッとします。
挨拶しかできない時期は誰とも会話が成立せず、1人時間ばかりでした。私はマイペースで実は1人があまり苦にはならず「友達ができなくても全然平気」と思っていましたが、真新しい仲間が増えることは、想像以上の嬉しさがありました。当初は誘いを待つことしかできずに受け身でしたが、学校でもカフェでも自分から話しかけることで、交流の幅が必ず広がることを実感。今は話しかける怖さは無くなってきましたが、いまだに十分な会話力が無い為、メモ書きはどこへ行くにも手放せません。内容は、興味を持ってもらえる自己紹介文、どんな人へも使える質問事項、隣席になった人と会話できる話題……どこでも友達を増やせる準備をして毎日を過ごしています。
この記事では月2回の連載を通して、楽しい50代を過ごす為の挑戦を、読者の皆様と共有していきたいと思っております。無鉄砲な新たな人生を、一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです!
撮影・文/Rita
Ritaさんの日常がリアルタイムでわかるTwitterはこちら