暗いニュースも多かった今年もあと少し。来年2023年はもっと、明るく楽しく元気に過ごしたいもの。いつもの氏神様やパワースポットへの参詣もいいけれど、一年の抱負や幸せを願って、たまには珍しいご利益がいただける神社への初詣はいかが? 特に40代女性必見! お願いごとをする人たちが絶えない、知る人ぞ知る神社をご紹介します。来年は少し足をのばして人気スポットに参拝してみては!
★ お稽古ごとを頑張りたいなら「小野照崎神社」~東京都台東区
★ 全国でも珍しい髪の毛の神さま 「関神社」~東京都北区
★ 着きれないほど多くの服に恵まれる御守「芝大神宮」~東京都港区
★ 子どもの健やかな成長を犬張子に託して。現代に寄り添ったカタチの神社「山名八幡宮」~群馬県高崎市
★ 日本で唯一美人証明をいただける「美人弁天」~栃木県足利市
★ その読み方から野球関係者が必勝祈願に「箭弓(やきゅう)稲荷神社)~埼玉県東松山市
韓流スターの参拝で一躍韓流スターファンの聖地に「高麗神社」~埼玉県日高市
高麗神社といえば、『出世開運を祈願するならこの神社』として、地元埼玉県内はもとより、関東各地から参拝に訪れる人の絶えない強力なパワースポット。こちらを参拝した政治家が、大正から昭和にかけて、次々と総理大臣に出世し活躍したため、出世・開運の神として崇敬されています。最近は、政財界をはじめ、各界著名人のほかにも、韓国俳優や歌手などのスター達が何人も参拝しており、韓流スターの聖地として知られるようになりました。
というのも、高麗神社は、韓国とも深いつながりがあります。創建は今から約1300年前の奈良時代。朝鮮半島に栄えた国、高句麗(現在の朝鮮半島北部周辺にあった国)の王族・高麗王若光(こまのこきしじゃっこう)を祀っています。渡来した若光は、高句麗滅亡後、大和朝廷に仕え716年、武蔵国(今の埼玉県・東京都など)に建郡した高麗郡(こまぐん)の初代郡司となりました。高麗郡には、関東七国に住んでいた1,799人の高句麗人が移住し、若光の指揮の下で開拓を進めたのです。そうしたことから、最近では、未開の地を切り開いた出世明神の御利益を求め、韓流推し活を祈願する聖地となっており、遠方のファンからも支持の高い神社です。
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高麗神社
埼玉県日高市新堀833
お稽古ごとを頑張りたいなら「小野照崎神社」~東京都台東区
東京の下町・入谷にある「小野照崎神社」は平安時代の儒学者で歌人としても名を馳せた小野篁が御祭神。学問、芸能にご利益があるとされている神社で、樋口一葉の『たけくらべ』にも登場します。小野篁は百人一首の詠み手で、遣隋使・小野妹子の子孫であり、子孫には小野小町などがいる名門の出身。遣唐使に命じられ、皇太子の教育官や法律に関わる仕事もするなど、国の中枢で才能を発揮し、学問も仕事もできた人物として伝えられています。詩の才があり、絵画も「神に至る」と評されるほどの腕前だったことから、学問と芸術・芸能上達に大きな御利益があるとされ、訪れる人が絶えない神社なのです。『男はつらいよ』の渥美清さんが、無名時代にこの神社を訪れ、もっと活躍できるよう願掛けをしたという有名なエピソードも。芸術系のお稽古ごとに情熱を注いでいる人、もっと真剣に取り組み精進したい人は、こちらで誓いをたててみてはいかがでしょうか。
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小野照崎神社
住所:東京都台東区下谷2-13-14
全国でも珍しい髪の毛の神さま 「関神社」~東京都北区
男女問わず髪に関する悩みを抱える人は少なくありませんが、特に美しく輝く髪は女性の永遠の憧れ。STORY世代がご利益を受けたくなる、大変珍しい髪の神さまを祀っているのが、関神社です。
徳川三代将軍家光の乳母・春日局が、家光の幼少の頃、健康と大成を祈願したところ、めでたく叶ったという伝説にあやかり、子育て大願として人気を誇る「王子神社」。その境内にある末社「関神社」は、百人一首の「これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関」という句で有名な歌人・蝉丸を祀っている神社です。蝉丸は美しい髪が美人の条件であった平安時代、髪が逆立ち悩む姉のために、“かもじ”や“かつら”を作り、髪の毛を整える工夫をした先駆者であることから、江戸時代そのご利益にあやかりたい“かもじ”業者たちが中心となって王子神社の境内にお祀りしたのが、この神社のはじまりだそうです。お社を囲む石柵には、ヘアメーク、ヘアサロン、かつら店や床山さんの名前が寄進者としてずらり。プロからの信仰も篤く、髪の“美”の向上をお願いしてみてはいかが。
着きれないほど多くの服に恵まれる御守「芝大神宮」~東京都港区
ビルに囲まれ、社殿の後ろに東京タワーが見える芝大神宮は、歴史は1000年以上と古く、平安時代の創建。伊勢神宮の御祭神「天照大御神(内宮)」「豊受大神(外宮)」の二柱を主祭神としてお祀りしているため「関東のお伊勢さま」として敬われてきました。鎌倉時代には源頼朝、江戸時代には徳川将軍家や春日局も信仰し、歌川広重の錦絵にも登場するなど古くから人気の高い神社です。
千着の着物に恵まれる、「千木筥」は、芝大神宮でしか手に入らない縁起物で、祭礼の時に季節の果物を盛る器・千木筥を模した高さ10cmほどの御守。色鮮やかな藤の花が描かれた3つの箱は、タンスに納めるとご利益があるそう。 “千木”が語呂合わせで“千着”となることから、「千着の着物に恵まれる」=「財力のある良縁に恵まれる」とされ、女性の幸福守りとして大人気。STORY読者にとって、たくさんの洋服はうれしい悲鳴かも。
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芝大神宮
住所:東京都港区芝大門1-12-7
子どもの健やかな成長を犬張子に託して。現代に寄り添ったカタチの神社「山名八幡宮」~群馬県高崎市
室町時代、後醍醐天皇の孫「君長親王」が、山名城に滞在の折、城主・世良田政義の娘との間にできた子「良王君」の安産を祈願をされ、健やかに成長されたことで、安産と子育ての神社として多くの家族が祈願に訪れる山名八幡宮。応仁の乱で西軍の指揮を執った山名宗全の末裔も含め、日本全国にいる一万人の山名一族にとっての総氏社でもあるそう。2016年には、社殿、神楽殿、授与所、待合所のリニューアルを建築家の永山祐子氏が担当。2020年ドバイ万博の日本館の設計やルイ・ヴィトン京都大丸店などの作品を生み出すトップクリエイターが、創建840年の「祈りの場」としての神社を、現代にフィットする「集いと活動ができる場」のあり方を示した場所としても一見の価値あり。
境内の授与所でいただける縁起物・山名犬張子は、高崎だるまの技術で作られ、山名八幡宮の社紋や、子孫繁栄や、豊作を祈ってお供えされる信仰が今でも残る、二股大根が絵付けされている犬型の張子。犬は、安産多産で子の成長も早く、丈夫なことから、安産と子育ての象徴でもあります。魔除けや邪を払う文様の、目籠を被せることで、子どもに取り憑こうとする悪霊や邪霊を避けると言われており、その愛らしさからリビングや玄関に飾っても。
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山名八幡宮
群馬県高崎市山名町1510-1
日本で唯一美人証明をいただける「美人弁天」~栃木県足利市
「美人弁天」は、厳島神社の御祭神、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)の分身をお祀りしている栃木・足利七福神にも数えられる弁天様。市杵島姫命は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)と素盞鳴尊(すさのおのみこと)が高天原(たかまのはら)で剣玉の御誓(うけい)をされた時に御出現された三女神のひとりと言われています。昔、この地に清泉が湧く池があったので、水にゆかりの深い神として、寛政5年(1793年)に建立、明治維新前は、通称“明石弁天祀”と地域の人々に親しまれていました。「美人」と言っても、外見的な美しさのことではなく、美人弁天が女性の内側から輝き出る美しさ、心のやさしさを守り、「美・健康・長命」の願いを叶えると伝えられています。多くの女性は参拝記念に、輝く女性の内面の美しさをお護りくださるという美人弁天のご加護の証として、美人証明を授かっていくのだとか。
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美人弁天
住所:栃木県足利市本城2-1860
開扉日:毎月第1・第3日曜日
その読み方から野球関係者が必勝祈願に「箭弓(やきゅう)稲荷神社)~埼玉県東松山市
奈良時代、和銅5年(712年)の創建と伝えられ、その規模や社殿の荘厳さ、霊験のあらたかさで、はるか昔より五穀豊穣、商売繁盛、芸道向上など多くの信仰を集めていた箭弓稲荷神社。平安時代の中頃、下総国の平忠常討伐に向かうよう朝廷の命を受けた源頼信が、白狐に乗った神から箭(や)と弓を授かる夢を見て戦に勝ち、 これに感謝して社殿を寄進したと伝えられており、現在の社殿も、天保十四年(1843年)に建立されたもので、荘厳な彫刻も一見の価値があります。
そんな長い歴史をもつ由緒正しきこの神社、最近ではその”やきゅう”の読み方から、勝負の神様、球技の神様としても知られ、野球関係者が多数祈願に訪れています。バットやベース型の絵馬やボールのおみくじも人気で、球技で頑張る子どもを持つママたちの間ではとても有名。家族や知人の、大きな大会や負けられない試合の前、けがなく健康で戦えるように、と思いを込めて参拝してみては。もちろん、自分の推しチームの必勝祈願にも。
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箭弓稲荷神社
住所:埼玉県東松山市箭弓町2-5-14
取材/羽生田由香