コロナ前までは、そこまで気にならなかったダンナの宇宙人っぷり。お互いが限界状態にある中でモヤモヤが倍増している可能性も。パートナーのタイプ別に、ポジティブな対処法を紹介します。
小児精神科医の先生に先生伺いました
小児精神科医 内田 舞先生
人の個性はまちまちで、重要なのはその個をリスペクトすること。とはいえコロナ禍を生きる40代の夫婦……如何ともしがたい状況もあります。ネガティブな感情が生じた時に、その状況や感情を客観的に整理する〝再評価〟という心理的アプローチなら、ポジティブ変換する救いの一手になることも。しかし、傷つき困り果てているのであればそれを我慢する必要はありません。耐えるべきかどうかも冷静に判断しコミュニケーションを。
何年たってもミステリアス宇宙人
何を考えているのかわからない、という気持ちは自然のこと。〝再評価〟では、例えば、パートナーに選択権を与えて「なんでもいい」と返された時のモヤモヤに対して、それが自分を軽んじられたという思いなのか、単に選択してもらえなかったことへの憤りなのか、はたまた言い方にイライラしたのか……。ネガティブな感情がどこで振れたか見極めることで、相手へのオーダー方法を変えられます。自分の〝モヤッと〟をかみ砕いて伝えることが大切(内田先生)
話が噛み合わない宇宙人
話をしても、全く意思の疎通が図れない場合。手法としては相手が理解できるように工夫して話す(もしくは文字に起こす)ことで解決することがあります。ただ、話し合いの中でこちらの主張を歪めて引用し反論してきたり(ストローマン論法)、問いに答えず人自体を攻撃(whataboutism論法)して論点をずらされていることも。その場合はうやむやにせず、元の論点に立ち返らせるべきです。まずは自分が何を話したいのかを明確にしましょう(内田先生)
言うことなすことナイフ宇宙人
心をえぐられるような接し方は誰しも傷つきます。まずはバイアスにかけず、冷静に相手の言葉を聞いてみること。自分が傷つくと思った場合は、一旦距離を置き、どんな言葉や態度が辛かったのかを書き出すなどしてみるのも○。少し時間を置いてから、その内容を訴えることで心が楽になります。妻を心理的に虐待し洗脳する〝ガス燈〟論法で追い詰められている場合は危険です。無理をしてまで一緒にいる必要はありません。離れることも考えて(内田先生)
好きなものしか見えない宇宙人
本人の中で完結し誰にも迷惑をかけないのであれば問題ないですが、日常生活に支障が出たり、一緒にいる人に迷惑をかける〝度を越した好き〟にはモヤッとするかもしれません。〝再評価〟で、相手の行動のどんなところをネガティブに思うのか? 例えば金銭的なものなのか、生活リズムか、自分に対しての強い執着か? 自分自身に問うこと。時には相手の好きに理解を示し、同じ目線に立って話してみると、意外と早期解決することがあります(内田先生)
撮影/吉澤健太 イラスト/wako 取材/竹永久美子 ※情報は2023年1月号掲載時のものです。