40代は、心にも体にも「揺らぎ」を感じ始める時期。そのうえ、コロナだ、円安だ、と世の中までぐらぐら揺らぎ、不安を抱える方も多いのでは?そこで、アネフォー、アラフォーのみなさんに、乗り越え方を語り合っていただきました。今回は三輪記子さん×犬山紙子さんの夫婦関係についての対談です。
profile
<右>アネフォー/三輪記子さん(46)
弁護士。京都府出身。東京大学法学部卒。各種ハラスメントや男女トラブルのエキスパートとして、またメディアでも活躍中。夫は作家の樋口毅宏氏。2022年に第二子出産。
<左>アラフォー/犬山紙子さん(41)
コラムニスト、イラストエッセイスト。大阪府出身。雑誌連載や、TVやラジオのコメンテーターとして活躍中。夫は漫画家の劔樹人氏。2017年に長女を出産。インスタグラム@inuyamakamiko
【三輪記子さん×犬山紙子さん】40代の揺らぎ...夫婦について
◇ 問題を抱えていない夫婦はいない。そう思って、何かのアクションを始めることが大事
犬山さん(以下敬称略)
わが家は結婚後3年目くらいに夫婦でカウンセリングに通ったんですよ。私が怒りっぽいのに対して夫が自罰的…このままだとよくない方向にいくんじゃないか?と。
三輪さん(以下敬称略)
40代、夫婦間コミュニケーションで相談にくる人多いよね。妻のほうが頑張りすぎてて心配になっちゃう。
犬山
ほんとそれ。仕事も家事も育児も! 完璧になんて絶対無理!!
三輪
うちは夫が主夫業を引き受けてくれてて。でもそうじゃなきゃこんなに仕事に没頭できなかったかも。だから部屋が埃だらけだろうが、お惣菜のパックそのまんま食卓に出ていようが、「ありがたい!!」って本気で感謝してる!
犬山
世の夫婦がお互いそのマインドなら離婚率下がりそう。わが家も夫が料理を担当していますが、同じ気持ちです。子どもが赤ちゃんの時は市販のベビーフードもよく使ってましたし、手作り離乳食は…趣味でやるくらいに割り切って。
三輪
でもね、いま産後5カ月で体型戻ってない中、だらしなく座っているところとか旦那が嬉々と写真撮って送ってくるんですよ。
犬山
愛されてますね〜。
三輪
なんか、“コイツ不倫しないだろ”って舐められてて腹が立つ。
犬山
え? 信用されてるんでしょ?
三輪
今に見てろ! 1年がかりでダイエットして、Tバックはいたろ! て。いつ他の男に誘われるかと心配させたい!
犬山
全然わからない(爆笑)。そういえばお互い夫がジェンダーバイアスに偏ってない人であるというのは大きいですね。
三輪
妻が本気で仕事をするうえで、夫がこのバイアスに囚われているかどうかはかなり大きい。同業周りは強固な人が多いかも。でも本当は稼ぎと家庭内の力関係って関係なくない?
犬山
本当に。稼ぎが少ない側が、我慢させられたり。夫婦間に上下関係持ち込んだら支配関係ができちゃう。
三輪
夫婦だけでなく、子どもにも…そういうお金とかステータスとか、安易な基準を自分の物差しにしたくないかな。私は夫がオモロイっていうのが基準(笑)。
犬山
老後も笑っていられそう! うちはお互い尊重し合えるかどうか? が大事でした。今回の本でもいろんな夫婦の話を聞く中で、結婚生活はそれに尽きる! と。
三輪
お互いにリスペストは大事! 子どものために自分さえ我慢すれば…っていう人もいるけど、我慢するって自分をなくしていくこと、それは習慣化しちゃいけないことですから。
犬山
私は学生の頃から母親の介護で仕事も1年半でやめなければいけなくて。自分さえ我慢すれば…って。でも周りにSOS出した時から、同じ大変さでも精神的に楽になったんです。
三輪
弱っている時は自分が人に助けを求める立場だと認めたくないのよね。
犬山
やっぱり臨床・公認心理士の資格を持つカウンセリングがお勧め。夫を誘うのが難しい時は自分が悩んでいるからついてきてほしいと言うとか。
三輪
話し合ってみたら、男の人も案外悩んでたとかあるもんね。うちの夫「俺は我慢してる」とかゆうてるけど、私は我慢させてるつもりはない! て。
犬山
三輪さんが昭和のお父さんやん!(笑)。逆に女の言うことなんて聞く必要がないという夫とは離婚も視野に入れていいと思う。離婚もポジティブな行為ですから!
三輪
離婚で相談に来た人、しばらくして、顔が全く別人! 輝いているのをよく見ますもん…。
犬山
関係改善を目指すなら、我慢ではなく関係性を変える行動を。私は夫とは絶対的な味方同士でいたいです。
三輪
うちはイチャイチャしてたい!何年たっても夫に浮気を疑われる自分でいたい(世間にじゃなく…)。
犬山
夫婦なんて元は他人同士。長く一緒にいるために、何ができるか? 関係性は生き物ですからね。
〈右〉夫婦間で起こる様々な問題を取材した夫婦問題リカバリー本。『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(著・犬山紙子/扶桑社)
〈左〉女の子が生きるために力になる分かりやすい法律の本。『これだけは知っておきたい男女トラブル解消法』(著・三輪記子/海竜社)
撮影/森脇裕介 取材/竹永久美子 ※情報は2023年2月号掲載時のものです。