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LifestyleFUTURE STORY / 夫婦のカタチ

【対談・三輪記子さん×犬山紙子さん】30年間、同じ男とずっとSEXしていたら……

40代……。さまざまな揺らぎを感じる世代です。その揺らぎは夫婦間でも顕著に。出会った頃から、子育て期間を経て、そして夫婦2人がこれからと向き合うときに少しずつ関係性が変わることもあります。

インタビュー前編はこちら

 

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妻のステータスは変わってきたけれど ジェンダーギャップにはまだ課題が……

三輪さん(以下敬称略) 私、雑誌好きで10年前にもよく手に取っていたけれど……この10年間で、妻のステータスは変わったよね?

犬山さん(以下敬称略) 確かに。「トロフィーワイフ」的な価値観から、女性の主体性が重視されるようになり、少しずつ女性の社会的地位も上がってきましたね。

三輪 「夫にプレゼントしてもらう」から、「自分で買う」に変化してるのも面白い。

犬山 時代って、本当にありますよねー。女性が働く前提かそうでないかで、夫に求めるステータスも変わる気がします。

三輪 昔は仕事バリバリな女性は、美も家事も育児も完璧なスーパーウーマンばかりで気が引けたけれど、段々と、等身大にはなってきているような……。とはいえ、メディアも個人もまだまだ綺麗な部分を切り取ることが多いと思うけれど。

犬山 “ゆるさ”って必要ですよね。私もSNSを上げるときには少しは綺麗な部分を……と思っているけれど、それだと疲れちゃって。だから女友達4人と「きったない部屋」っていうLINEグループを作って、だらしない写真をあげてます(笑)。ベッドの上散らかっている服が大変な写真とか、口角の下がった自分の顔とか。

三輪 いや、ベッドとかソファって、洗濯物置き場だよね。何でもできる人ってすごいけれど、そうじゃなくても死なないし。私、YouTubeにはあえてすっぴんだったり、家も汚いままで発信します。そういうほうが見ていて安心しない?

犬山 しますします! 私、筋トレが趣味なのですが、よく見ている宅トレチャンネルの女性が上げてくれた〈お腹の肉がゆるっとしている写真〉を見て安心しましたもん。夫婦もね、そういう“ゆるさ”を認め合うのがいいなーって、思ってます。

三輪 きったない部屋でも文句言わない夫なのは、お互いありがたいよね。うちはそもそもが家事育児において夫が頑張ってくれてるんだけど……。でないと私はこれだけ働けなかったと思うし。でもたまに、夫に「オレは我慢してるんだ」って言われることがあってさ。まあ、「お前に我慢させているつもりはない!」って言ってるんだけど。ひどい妻だと思う、我ながら。

犬山 わが家も家事を夫が多く担当しています。で、「お願いだから遊びに行って! 私も遊びに行きたいし」とお願いしているんだけど、夫は「申し訳ないから……」って遠慮するのが悩みだった。最近ようやく友人と夫が会うことに罪悪感をあまり持たないでくれるようになってきた。お互い月2くらいで友人と遊べると家の空気が明るい。

三輪 分かる……! 自分が自由にやって家庭から離れている分、相手にも家庭から離れて自由な時間持ってほしいって思うよね。だけど、これが、「どっちがより稼いでいるか」っていう基準で、家でやらなきゃいけないことに偏りが出るっていうのは、今の話とは違う問題だよね。

犬山 本当にそう。夫が稼いでくるから、そのぶん妻が多く家事をするのが当たり前となるのは怖いこと。逆もしかり。仕事にせよ家事にせよ、お互い動いている時間の総量や体調で見ればいいのに。

三輪 いやー、私も男に生まれてたらマジでやばかっただろうな……(笑)。実際には、女だからこそ、いろんな壁にぶち当たって矯正されているもの。同業でも、1日20時間とか働き続けて年収数千万円稼いでるって男性もいるけれど「それで何が偉いのか?」って今の私は思うんだよね。なんだろう、全てを犠牲にしてもお金さえ稼げばいいって価値観に心が追いつかないというか。もちろん各家庭の合意が問題なのかもしれないけれど、妻・子どもを養っていても、家では何もしてないってことでしょう? 同じくらいの時間、家で働いている母親よりも稼いでくる父親のほうが偉い? そんなことを子どもに擦り込んじゃダメな気がするんだよね。そういう家庭に育ったとしても、その子どもが同じように稼ぐ人になったり、たくさん稼げる人と結婚できるとも限らないわけで。そのあたりが本当に難しいと思ってる。

犬山 稼ぐのも立派だけど、家事育児も同じく立派。そこに上下はないですよね。夫婦に上下関係を持ち込んじゃダメだし、それこそ、すべての人間関係を上下関係で見るのも怖いことですよね。

三輪 収入とか年齢とか、簡単に測れるものを自分の物差しにしたくないよね。私自身はもっと大事な物差し、誰かに持たされた物差しじゃなくて、自分自身が大事にしたいことを自分の物差しにしたいんだよね。自分は自分の人生を生きるのであって、他人の人生を生きるわけではないもんね。

犬山 とはいえ、そういう関係から簡単に逃れられない方のお話もよく聞きます。「子どものために……」とか。そう思わされる環境がある。

三輪 「子どものために」というのは、本当に気持ちはよく分かるんだけど、自分の基準のように見えるけど、実は子ども基準だよね。何度も強調したいのは「気持ちはわかる」んですよ! だけど、それが本当に「子供のため」かどうか、わからないという問題もある。とても難しいことかもしれないけれど、私は、「あなたが我慢することをお子さんは喜んでくれるでしょうか? ご自身の気持ちや状態に素直に向き合ってみてはいかがでしょうか?」っていうようにしているんだよね。自分自身で決断するっていうことに向き合うことが必要な場面があると思う。“自分さえ我慢すればいい”――これが頭の中に何回も出てきたら注意してほしいよ。

犬山 その先にあるのは孤立。パートナーがいても孤立しちゃいますよね。

三輪 そういう悩み、「自分さえ我慢すれば」という思いを抱えている人には「一生我慢できる?」って自問自答してみてほしいなと思う。そんな我慢に気づいてくれる人がいたとしても、だからといって誰かが助けてくれるわけではないんだよね。我慢せずに誰かに助けを求めてもいいんだよ。誰かに助けを求めることは悪いことじゃないし、恥ずかしいことじゃない。実際のところは、相談された方は「相談してくれてありがとう」って思ってるもんですよ!!

犬山 実際にさまざまな夫婦の相談話を聞いていらっしゃる三輪さんのお話、響きます。「自分ひとりで頑張っているのは無理……」となったら、絶対にSOSを出してほしいですね。

三輪 そうそう。我慢することは美徳じゃないし、我慢はNG!それよりもSOSもっと簡単に出してもいいんだよ、っていうことを伝えたいです。世の中というものは、誰かに助けを求めたり、求められたりしてこそ成り立っていますから。すべてを自己責任論にしちゃいがちな日本社会だとやりにくいのかもしれないけれど。

犬山 私たち夫婦は、そこまで深刻ではない状態でカウンセリングに行きました。私は性格的に怒りっぽくて、夫に怒りをぶつけけしまうことがあった。これがDVに発展する可能性はゼロでないはず。理不尽に怒ったり、イラっとする時の対処法を知りたかったんです。でもカウンセリングを受けたことで、怒りたくなった時は本当は甘えたい時なんだということを理解しました。腑に落ちたことで、その後は随分良くなりました。ただ、夫婦関係に問題があっても、プライドの高い相手だと、なかなか一緒にカウンセリングに行ってくれない場合もありますよね。そういうときには諦めずに、「私が悩んでいて、一人だと勇気がでないから、カウンセリングに付き合ってほしい」といって一緒に来てもらう。もちろんカウンセラーにも根回しが必要ですが。「臨床」「公認」の資格をもつカウンセラーさんで信頼できる人を見つけるのも大切。プロに頼って、自尊心を守るのが大事!

三輪 あとは子どものことね。ときどき、育児方針が異なって、一方の配偶者が「そのお金は必要ないから出さない。子どもに習い事うをやらせたいなら自分で出して」っていうようなことを聞きます。子どもの教育について、経済的に余裕があっても、子どもの意向関係なく、自分の気分次第でお金を出す出さないと決める人というのもよく聞く話です。育児の方針や教育方針が違って離婚ということもありえますからね。

犬山 話し合いで解説できるのがベストですけれど、コミュニケーションって、コストがかかるんですよね。夫婦の話し合い方って、軽い話し合いを重ねることで成功体験を積んでいかないと。だいたい「子どもの責任を負うのは女性」と押しつけられるのはおかしいですよ。まずは小さなことから話し合えたらいいですね。私たち夫婦が大切にしているのは、「私たちは味方同士であって、絶対敵ではない!」ってこと。当たり前のことですが、それを意識するだけでも全然違います。

夫婦にとってのコミュニケーションとは?

三輪 コミュニケーションのことで言うと、私たち夫婦は、コロナ禍の前から子どもを預けて、よく2人きりでライブに行ってるの。あと、いつSEXするか。これもちゃんと決めました。決めておかないと、「忙しい」とか「今日は疲れた」とかなってしまうから。私はSEXがコミュニケーションの一部だと思っています。

犬山 コミュニケーション、そうですよね。例えば産後とか、したくないのに無理してする必要はないし、互いに重要視していないならSEXというコミュニケーション方法にこだわる必要もない。様々な夫婦に取材する中で、SEXが目的なのではなくて、お互いの体を尊重した先にSEXというコミュニケーションもあるという認識になりました。

三輪 私ね、ずっと同じ人とSEXをするのって、めちゃくちゃすごいこと、レア度の高いことだって30代半ばから思うようになったんだよね。だって若い新しい男とSEXするほうが簡単でしょ?

犬山 若い新しい男のくだりはわからない(笑)。でも、本能的なものだけでなく、慈しむためのSEXができるのは人間だけと思います。

三輪 60歳になったときに、30年間、同じ男とずっとSEXしていたら、そのときのほうが成熟度が高くて人生が豊かなんじゃないかなと思ったんだよね。目指す頂、めちゃくちゃ高いじゃん!すごいことに気付いた!! ってなったんだよね(笑)。
だから、現時点ではどんなにいい男が目の前に現れても我慢することにしてる(笑)。

犬山 パートナーのトランクスを毎日履いてね。

三輪 そう。でも不倫しちゃったら夫が悲しむから……それは耐えられないし、多分しないんだけれど。とはいえ、安心されていると高みを目指せないでしょ? だから、夫にはいつ不倫されるか焦らせるぐらいがいい。そのためには、もう少し痩せてTバックが履ける自分にならなきゃ! 愛のないSEXはいくらでもできる(かもしれない)けど、それをしないでいることをもっと褒められてもいいはず。そこも評価してもらいたいわ。

犬山 高みとは。でも、三輪さんが言うと説得力ありますね。男女ともにそうですよね。いつまでも親がラブラブなのも良いなあと思います。「もうやめてよ」って子どもに言われるくらいに。子どもが思春期になっても、そうありたいなー。

三輪 毎日チューチューしていて、「パパとママはそういうもんだ」っていうふうに育てたいかな。ずーっとイチャイチャしてたいし、夫に浮気を疑われるくらいの自分でいたいな。

犬山 そこですか(笑)。私はお互い疑わないコースがいいです(笑)。

 

三輪記子さん(46) 弁護士。京都府出身。東京大学法学部卒。各種ハラスメントや男女トラブルのエキスパートとして、またメディアでも活躍中。夫は作家の樋口毅宏氏。2022年に第二子出産。
犬山紙子さん(41) コラムニスト、イラストエッセイスト。大阪府出身。雑誌連載や、TVやラジオのコメンテーターとして活躍中。夫は漫画家の劔樹人氏。2017年に長女を出産。インスタグラム@inuyamakamiko

撮影/森脇裕介 取材/竹永久美子

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