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鈴木拡樹さん「僕と違って器用で謎めいた存在の“黄昏”を、楽しもうと思います」【インタビュー前編】

ミュージカル『SPY×FAMILY』に出演する鈴木拡樹さん(37歳)

新作ミュージカル『SPY×FAMILY』が、いよいよ3月の帝国劇場にお目見えします。遠藤達哉さんの超人気コミックを、初めてミュージカル化。スパイと超能力者と殺し屋が、お互いの正体を隠したまま、かりそめの家族となり……というスパイアクション&ホームコメディです。任務遂行のために偽装家族を作る凄腕スパイを、森崎ウィンさんとのダブルキャストで演じるのは、舞台を中心に活躍する鈴木拡樹さん。特にゲームやアニメを原作とした2.5次元作品で人気を集める鈴木さんに、作品の魅力やご自身の今後の展望などを伺いました。


《前編》
――東西冷戦時代を背景に、世界の平和を託されることになるユニークな偽装家族を描いた『SPY×FAMILY』。鈴木さんは、原作のコミックとどんなふうに出会われたのでしょう?

最初に原作を読んだのは、お話をいただいてからです。話題作になっていることも聞いていたので、なるほど、これは人気があるわけだなと思いながら、一気に読んでしまいました。読んでいて、この作品は音楽と相性がいいんじゃないかなとも感じたんですが、それが確信に至ったのは、その後、アニメの『SPY×FAMILY』を観た時です。やっぱり音楽とすごくマッチする作品なんだなと実感できて、これからミュージカル版をやらせてもらう一人として、すごくありがたかったといいますか、嬉しい気持ちになりました。

――原作やアニメをご覧になった時点で、すでにミュージカル化された時のイメージが浮かんでいたのですね。

そうですね。ただ、自分のルールとして、最初に原作を読む時は、舞台化することや自分が出ることを一切考えずに、純粋に作品の世界を楽しむことにしているんです。なので、まずは一読者として世界観を楽しんで、その後、何回か繰り返し読みながら、この世界観を舞台でどういう風に表現できるだろう? と想像したり、原作者の遠藤先生のことを考えたりしました。僕は、原作から作者の先生を感じることを大切にしているんです。本当は、作品を生み出した先生と一緒に舞台を作っていけたら何よりだと思うんですが、実際には連載が大変だったりして、先生に稽古場へ来ていただくことは、なかなか難しい。なので、先生が作品を描く時に使っている技術や、どう思って描かれているのかということを読み解くことで、少しでも先生の意思や趣向を舞台に取り入れられたらと思っているんです。

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