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Lifestyle私たちのチャレンジSTORY

潮田玲子さん「生理なんてこなくていい、そんな間違った認識を変えたい」

鍛え上げた体力や練習を重ねて培われた技術を駆使して、競技に臨む女性アスリートたち。ちょっと前までは根性論がまかり通り、女性の体についても非科学的な認識しかなかった――そんな場所で活動している選手たちをサポートする方々を取材してきました。

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潮田玲子さん(39歳・千葉県在住)
バドミントン元日本代表選手・一般社団法人Woman's ways代表

○ 潮田玲子さん
バドミントン元日本代表として2008年北京五輪バドミントン女子ダブルス5位入賞、2012年ロンドン五輪バドミントン混合ダブルスに出場する。

“生理なんて来なくていい”
そんな間違った意識を変えたい
引退したからこそ、
発信できることがあります

情報番組のコメンテーターやタレントとしても活躍している、元バドミントン日本代表の潮田玲子さん。2021年に女性アスリートの体の変化や生理などの課題に向き合いサポートする、一般社団法人Woman's waysを立ち上げました。きっかけは、現役時代の生理とコンディションについて取材を受けたことでした。

「現在の女性アスリートが抱える生理の悩みや間違った知識は、私の現役時代からアップデートされていませんでした。当時私は生理とコンディションを切り離して考えていました。生理中で体調が悪くても我慢するのは当たり前。コンディションが悪いのは自分の練習が足りないから、生理なんてない方が楽だと。現在も同じような思いをしているアスリートが多いことを知ったのですが、学べる場所がありませんでした。そこで、生理について正しい知識を深める環境を提供するため、活動を始めました」。

スポーツを頑張る少女やその親、指導者向けに『アスリートの三主徴(利用可能エネルギー不足・無月経・骨粗しょう症)』をテーマとしたセミナーをしています。利用可能エネルギー不足とは、少ない食事量に対してオーバーワークをしてしまったり、過度なダイエットをしてしまうことです。そうすると、生理が止まってしまうことがあります。生理がない状態は、骨を安定して保つホルモンの分泌が低下してしまうため、骨粗しょう症を引き起こします。

「競技のために食事を制限していたことが、生理を止めてしまい、結果、骨粗しょう症を招き、疲労骨折をしてしまうという悪循環に。食べることの重要性や、無月経は体のSOSであることなどの注意喚起をしています」。

無月経になると、将来の妊娠や出産にも影響が出てきます。自分の長い人生を見据えて体と向き合う時間を作ってほしいと願う一方、若い人にはなかなかイメージが湧かないのが現実。限られた期間で結果を残す必要があるため、生理や自分の体のことよりも、結果を優先させてしまうのです。若いアスリート自身ではコントロールしづらいからこそ、しっかりとサポートできるように、食生活を管理している親や、指導にあたる監督やコーチが知識を深める重要性を訴えています。実際、セミナーでの声を拾うと、男性の指導者やパートナーなど身近な人に聞いてほしい、という声が多かったそうです。

「〝生理がくるのは、練習が足りないからだ〟と言う指導者もいたようです。また、〝やる気がないなら帰れ”と言われることも。もし周りに生理中と言い出しやすい環境があって、さらに指導者に生理の知識があれば、アスリートにかける言葉も変わってくるはず。結果、良いパフォーマンスに結びつくと思います」。

また、PMSについての理解も重要です。「生理前になると、昨日できたことが今日できなかったり、やる気が出ないことがあります。それがホルモンのせいだと分かれば、自分を責める必要がなくなって、楽になれるんです。その時の体調に合わせて、練習内容を見直すこともできます」。

潮田さんら元トップアスリート自らが実体験を交えて話すことで、より多くの人の目に留まってくれることを期待しています。「私たちは医学の専門家ではない、という葛藤はありました。でも、協力してくれる医療従事者の方からは、私たちが発信するからこそ言葉が届くので、頑張ってほしいと」。

その言葉を励みに、発信を続ける潮田さんですが、現役時代には競技以外で他の悩みもありました。いわゆるルッキズム問題です。自分の意図しないことでメディアに取り上げられ、さらに批判や心ない言葉を浴びせられることもありました。こうした悩みは、現役中にはなかなか発言できなかったと言います。「現役選手は競技に集中したいので、競技以外のことで声をあげにくいんです。現役の選手たちが発信しづらいことを、私たち引退した選手が発信することも、一つの役割ではないかと考えています」。

昨今は、企業の生理休暇制度や、漫画で生理が題材にされるなど、生理についてタブー視されなくなりつつあります。しかし、まだ生理そのものの知識は深まっているとはいえないのが現状です。「指導者になるためにはライセンス取得が必要なケースが多いです。そのカリキュラムに、生理や女性の体について学ぶ項目を取り入れてほしいと思っています」。

ただし、潮田さんはスポーツ界だけを見据えているわけではありません。生理は全ての女性が抱えている問題。男女問わず様々な場面で意識が変わることを願い、今後の活動を広げていきます。

  • 現役引退後は、タレントやコメンテーターとして活動するほか、女子アスリートを取り巻く課題を解決するWoman’s waysの代表を務める。
  • 北海道日本ハムファイターズ主催のセミナーでは、12歳から23歳までの女子アスリート、その保護者やチーム指導者も加えた74名が参加。
  • この日はWoman’s waysの理事である、元バレーボール選手の狩野舞子さんと登壇。

一男一女の母でもある潮田さんは、お子さんには絵本や漫画を活用して性教育をしている。「家庭からも意識を変えていければいいですよね」。

<編集後記>タブー視せずに、話せる環境を作りたい 潮田さんたちは、高校や大学の授業の一つとしてセミナーを行うことも。男子学生も恥ずかしがらず耳を傾けてくれて、将来のパートナーのために聞いておいてよかったと言ってくれたことが嬉しかったそうです。私自身はPMSがひどく、1日中イライラしてしまうことも。夫に理解してもらうのに苦労したことを思い出しました…(ライター・星 花絵)

トップス¥35,200 パンツ¥53,900(ともにワッカ/ドレスアンレーヴ)ピアス¥71,500(A.T.C.S./ドレスアンレーヴ)ブレスレット¥24,200(1DKジュエリーワークス/ドレスアンレーヴ)

撮影/BOCO ヘア・メーク/かんだゆうこ スタイリスト/今井聖子〈Canna〉 取材/星 花絵 ※情報は2023年3月号掲載時のものです。

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