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友達の皮をかぶった狼「フレネミー」に狙われた時にはどう対処すればいい?

いつも仲良くしていると思っていた女友達。でも最近なんだか私をイライラ&モヤモヤさせる……。〈この違和感は何?〉〈もしかして私って攻撃されてる?〉そんな体験ありませんか。今回は「羊の皮をかぶった狼=フレネミー」の対策について異常心理学の研究者、杉浦義典先生に伺いました。

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目次 ★ フレネミーに狙われた時にはどう対処すればいいの?

フレネミーに狙われた時にはどう対処すればいいの?

◯ 異常心理学の研究者、杉浦義典先生に聞きました

広島大学人間社会科学研究科准教授。異常心理や「今この瞬間の心」に向き合うマインドフルネスのほか、倫理や幸福についても研究。「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など多数のメディアに出演し、多くの人に心理学の楽しさを伝えている。


◇ 度合いこそさまざまですが感情を揺さぶるフレネミーは、サイコパスに近いものがあります

一般的によく知られているマウンティングは簡単に言えば自慢です。言動の裏に自慢が見えているから裏表はあまりないですよね。鬱陶しいかもしれないけど、まだわかりやすい。

でもフレネミーというのは〈あなたのことを慮っている〉というメッセージがあるんだけれど、受け手からすると〈すごく利用されてる〉と感じる。プレゼントをくれたり、優しい言葉をかけてきたかと思えば、急に機嫌が悪くなったり。だから、違和感を覚えながらも「本当はこの人は、私のことを誠実に思ってくれてるのかな?」と思ってしまう。

計算ずくで相手を利用する性格のことを心理学では「マキャベリアニズム」と言いますがそれ以外にも迷惑な性質としてご存じの「サイコパス」や自分のプライドだけを追求する「ナルシシズム」があります。異常心理学的に、この3つはダークトライアドと言われるのですが、これらの性質が親しい間柄で発揮されると、いわゆるフレネミーになります。

昔はトラウマやコンプレックスが攻撃的な性格と関係していると考えられていましたが、最近では元々の本人の先天的な性格の傾向として考えられています。人の性格形成のうえでは、遺伝と環境が半々。だから親がフレネミーだと、同じような環境で育つ子どももまたその傾向が強くなってきます。

攻撃を受けた場合、主な対処法は3つ。

「多くの人と繫がっていることをアピールする」
「静かに離れる」
「周りを巻き込んででも相手のフレネミー行動を明らかにする」

です。

対処①「私は他にもいろいろな人と繫がっているのよ」ということをアピールする

対処② 静かにそのフレネミーから逃げる

対処③ たとえ波風が立つとしても、フレネミーから受けた被害を公表して、問題提起する

フレネミーは他者との繫がりを断ち切ろうとしてくるのですが、コントロールしているという後ろめたさがあるので、周りにバレるのが怖いんですね。相手を牽制するためにも、他との繫がりがあることをアピールすることが大切です。フレネミーは表面的に仲良くするのは得意だけれど、根本のところで情が薄いので、友達ごっこはできても本当の友達にはなれません。

改善は見込めないので、矯正しようとしたりせず、静かに離れるのがいちばんです。

ママ友関係だと〈子どものために事を荒立てたりしないほうがいい〉と我慢する方も多いかもしれませんが、被害が大きくなるよりは波風が立ったとしても行動を起こすことです。フレネミーにとっていちばん困るのは、やはり周りにバレることですから。

取材/佐藤奈保子、竹永久美子 イラスト/kame ※情報は2023年3月号掲載時のものです。

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