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スポーツへの取り組みは”ガチ勢”と”エンジョイ勢”に分かれる時代?!【尾木ママ連載vol.19】

第19回は子どもの好きなバスケをより上達する環境でと考える母心と、スクールに入りたがらない子どもの気持ちの間で悩むママからの質問です。

前回は10歳でもフィギュアでごっこ遊びする幼さを心配するママのお悩み

K.Kさん(46歳) 8歳男子ママのお悩み 息子は週末にパパとバスケの練習をしています。運動神経は悪くないし、本人も上手くなりたいという気持ちが強いので、スクールに入って、きちんと教えてもらった方が上手くなり、より楽しくなるのではと思い、スクールに入ることを提案したのですが、新しい環境でみんなの輪に入ることが恥ずかしかったり、上手くできないことを気にして、スクールに入りません。すでにできていることを繰り返し練習をして、「できた!」という感覚になっています。親が口出しをするとやらないこともわかっているので最小限にしているのと、私自身も押しつけてやっても意味がないとわかっているのですが、少し頑張った先の広い世界を見てほしいと思うのです。それもあり、最初は厳しく指導してもらえる環境の方が良いのかとか悩んでいます。

尾木ママ’s Answer

息子さんはお父さんとバスケを楽しんでいるご様子で、素敵ですね!

お子さんはせっかくバスケに夢中になっているし、うまくなりたいという気持ちがあるようだから、より上達するようにスクールに入れたいというお母さんの気持ちも理解はできます。上手くなってほしい、試合などで活躍する姿を見てみたいという思いを抱くのはどの親も同じではないでしょうか。そして、楽しさや努力の先に広がる違う景色を見せてあげたいというお母さんの理想もよくわかります。

ただ、お子さん自身は今、お父さんとバスケを練習することを楽しんでいますから、そこをもっと大事にしてあげていいと思いますよ。きっとお父さんがとても褒め上手なんでしょうね。素晴らしいことだと思います。すでにできていることを繰り返し練習をして“できた”という感覚になっているということも心配されているようですが、この“できた”という達成感を味わうことは、息子さんの自己肯定感や意欲を高めるのにとても大切なことなんです。あえて難しいことにチャレンジして、技術力や精神力を高めるという方法ももちろんありますが、どのような方法がお子さんの性格に合っているかを見極めて対応するのがいいと思います。新しい環境に入ることを恥ずかしがったり、上手くできないことを気にしているようですので、どちらかというと引っ込み思案のお子さんなのかしら。そういうお子さんの場合は特に、お母さんが勇み足にならないようにした方がいいかもしれませんね。すごく負けず嫌いで、我先にという積極的なお子さんでしたら、対処法もまた違うのですが、スクールに入ることを提案しても入りたがらないというところを見ますと、現時点では、今の環境を変える必要はないように思います。無理に入会させて、バスケ自体を嫌いになってしまっては本末転倒ですからね。
お母さんも、口出しすると逆効果なので最小限にしている、とお子さんの気持ちにも寄り添っていらっしゃるのはとても立派だと思います。その通りで、お子さんは8歳という思春期にさしかかる年齢ですから、心理的にもデリケートで難しい時期です。このような時期は新しい環境に入れるということよりも、今のお子さん自身のバスケの楽しみ方を尊重してみてはいかがでしょうか。
この先、中学で部活に入った時など、年齢的にも自分を人と比較したり、他を意識する時期がきたときに、「もっと上手くなりたいからスクールに入りたい。」と言い出すかもしれませんよ。かといって、言い出す日を待っていてもずっと言わない可能性もあります。要は、どういう風にバスケと向き合うかという選択とそのタイミングは子ども本人に委ねるという姿勢でいいのではないでしょうか。親は見守り、必要な時に後ろからサポートしてあげてください。

「厳しく指導してもらえる環境」とお母さんは言われていますが、日本でも“厳しい指導”“スポ根”があたり前の時代から、今は指導法も多様になり、楽しむことを重視した指導法も広がってきました。多くの海外の国のように「生涯にわたってスポーツを楽しむこと」を政府も推奨しています。また、“厳しい指導”が必ずしも良い指導で上達につながる指導というわけではありませんので、そこはお母さん自身のスポーツへの考え方をアップデートする必要があるかもしれません。
“強豪校”“強豪チーム”と言われているところで厳しい指導の下、野球やサッカーをしていた人が引退すると燃え尽きてしまい、そのスポーツから離れてしまうというケースも現実的には多いのです。
部活のあり方もそうですが、スポーツへの取り組み方は昔と変わっています。部活でも全てをそこに注ぎ込む“ガチ勢”と、楽しむ前提の“エンジョイ勢”などと子どもたちの間では言われたりするようですが、向き合い方も人それぞれ違います。これは生涯スポーツという文化が広がりつつある流れなのでしょう。野球のWBCでの日本チームの活躍は素晴らしかったですが、どのチームやスクールもそのような選手を育てることを目指すのかと言われると、そういうわけではないでしょうから、時代の流れとしては“エンジョイ勢”が増えていくのかもしれません。スポーツを生涯にわたって本人の意思で楽しむことができたらいいですよね。

取材/小仲志帆

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