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Lifestyle憧れリーダー連載

NTTデータ部長・黒崎佳子さん~入社時、“会社”とは男社会なんだと実感~

女性としてこれからのキャリアについて悩むSTORY世代。’22年に女性活躍推進法が改定されてからはますます女性の活躍が期待され始め、徐々に女性管理職比率も高くなってきています。個人として評価され活躍される女性リーダーの方々には、キャリアの狭間で自身の生き方を見つめ、可能性を信じてチャレンジする姿がありました。

今回ご登場いただくのは、株式会社NTTデータで、入社以降から常に第一線で活躍し続ける黒崎佳子さんです。ビジネスの最前線で活躍するその裏側では、母として妻として、そして女性として葛藤や壁にぶち当たったことも……。そんな彼女のSTORYをご紹介します。(全3回の1回目)

黒崎 佳子さん(50歳)
株式会社NTTデータ
金融イノベーション本部 グローバルカスタマーサクセス室
コンサル&セールス統括部 ビジネス創発担当部長
企画部・人事総務担当部長

神奈川県生まれ。株式会社NTTデータ入社後、金融機関向けのシステムの開発や保守に従事する。その後は営業や企画職、開発職への復帰、事業企画などを歴任。2017年に部長に昇格し人事総務を担う。加えて現在では、金融イノベーション本部のコンサル&セールス統括部ビジネス創発担当を兼任。夫と17歳・10歳・8歳の子どもの5人家族。


 

『総合職採用』『一般職採用』という入り口を分ける採用形態に違和感が

STORY編集部(以下同)――バブル経済が崩壊した後、新卒の採用数を減らした企業が増え、多くの学生が就職活動で厳しい時代「超就職氷河期」を過ごした黒崎さん。そんな状況下で何を感じ、どのような活動をされたのかを教えてください。

買い手市場で私も含め、学生たちは色々と振り回され、困惑していたと記憶しています。「自分が何者で、何をしたいのか?」を自分なりに徹底的に自己分析し、どうやって会社の説明会に参加するのか? 面談に進むのか? を調べたり、説明会に参加したり……手さぐりながらみんなで進めていました。大学の学食で愚痴を言い合っていたことを思い出します。

――黒崎さんは何かビジョンをもって、就職活動に臨まれていたんですか?

どこの企業に入りたい! という具体的な目標はありませんでした。でも、当時多くの会社が実施していた「総合職採用」「一般職採用」と入り口を大雑把に分ける採用形態や男女で出発点が違う会社もあり、違和感を感じていました。その違和感を良しとするか、私のようにネガティブにとるか……様々な考えはあると思いますが、私自身は開発職やリサーチ職、コンサルティングなどの“職種”で会社選びをしていました。

――具体的には?

やはり私は、“男女差がなくスタートラインがみんな一緒”だと思える会社を選んでいました。そのことが、自分にとって心地よく働くために大切な要素であると思ったからです。また、自分の直感も会社選びをする上で大切にしていました。

――世界経済フォーラムが発表した‘22年のジェンダー・ギャップ指数の日本の総合順位は、146か国中116位。昨年でさえこの順位の日本……’95年当時はどんな状況だったのかとあまり良くない状況を想像してしまいます。そんな状況下で会社選びの一番のポイントが“男女差のない会社”。その意識はいつ頃から?

私には兄が3人いるんです。四人兄弟の末娘で、男ばかりの環境で育ちました。「大事に育てられたでしょう?」ともよく言われますし、習い事や買ってもらう洋服などには、そんな側面もあったと思います。でも、実際には兄弟の中で男女差を感じることは全くなく、4人兄弟の一人として育っただけ。性別の違いを意識することはなかったと思います。

大学時代に所属していたラクロス部の仲間との一枚。「可愛いユニフォームに反し泥だらけで、マウスピースもつけなくてはいけないくらいハード! まだ学校に部としては存在がなく、私たちで創部したんです」

――実際の就職活動は黒崎さんにとってどんなものでした?

大学時代はラクロス部の部長をしていたこともあり、心象をよくしていたのか、就職活動で辛い記憶は特にありません。むしろ、訪問先の会社の方や世代が違って経験やバックグラウンドも違う方と話すことの楽しさにも気がつくことができました。

――就職活動中に㈱NTTデータに入りたいと思ったのはどの瞬間でどんな理由からでしたか?

当社に勤務する同じ大学の先輩何人かにお会いしました。私自身が女子大出身ということもあり、男性よりも女性リクルーターにお会いする機会が多く、「男女関係なく、スタートがしやすい」、「育成のための研修制度が確立されている」というお話に会社への関心が高まりました。また、OGも何人かいらしたんですが、会う人会う人子どもがいながら働いている方ばかり。彼女たちとお会いして、女性が結婚して子どもが生まれても働くことができる会社なのだとわかったことも大きかったです。

――実際に入社され、就職活動中と入社直後では会社の印象に変化は?

実は最初に行われた研修で男女の人数の差に驚いたんです。男性9の女性1。こんなに女性が少ないんだ……と。その年入社した新入社員全員が同じ研修センターに集められ、クラス別に分かれていたのですが、クラスの男女の比率です。いざ入社して男女差があれだけあるというのをまざまざと見て、驚きました。

見たことのない社会。今まで私がいた世界には男女半分ずつぐらいいるという認識でいたのが、“会社”という社会になると男性しかいないんだ……。そんなことに気づかされたんです。

(中編に続く)

撮影/BOCO 取材/上原亜希子

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