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今どきの子どもの男女交際には危険が潜んでる!?【尾木ママ連載vol.21】

第21回はSNSが必須の中学生の男女交際は親としてどんなことに気を付ければいいかという質問です。

前回はもしかしたら自分は教育虐待しているのでは?悩むママの悩み

A.Kさん(42歳)子ども中2女子の悩み 共学に通う中学2年の娘がいます。娘には同じ学校の同級生に彼氏がいるのですが、いない子たちが焦ってネットゲームで知り合った、“自称高校生”とネット上で付き合いが始まり、実際に会おうという約束をするそうです。事前に親が気がつき、阻止するということがありましたが、この話を聞いてとても心配になりました。
また、男子生徒が自慰行為に使う道具を購入し、それを男子グループのLINEにアップしたところ、それを拡散されるということがありました。同様に、男子生徒が女子生徒に振られた腹いせに、付き合っていた時の写真をあらゆるLINEグループに拡散し、問題になったことがあります。娘の年齢として、お付き合いはいいとしても、安易に写真に残すことが親として不安でもあります。SNSが発達している時代の男女交際は危険性が常にあると思うのですが、親として保護者として何ができるでしょうか。

尾木ママ’s Answer

男女交際に関して取り上げるのは今回が初めてですが、親が中高生だった時代とは大きく環境が違っていますから、心配は尽きませんよね。中学生ですと、多くの子どもたちがスマホを使っているので、その危険性についても、しっかりと考えておくべき重要な問題だと思います。

この方のお嬢さんは同じ学校に通う同級生とお付き合いをされているということで、相手のお子さんのこともある程度はわかっているでしょうし、保護者同士も直接ではなくてもつながっていますから、何かあれば連絡も取り合えますから、ある意味安心ですね。この世代の子は、特にこのお子さんの周りでは、彼氏がいることがステータスになっているんですね。それに巻き込まれてしまい、彼氏がいない子は劣等感を感じるという現象が起きているのでしょう。本当は彼氏がいなくたって全く焦る必要はないんですが、この子たちからすると大問題なんでしょうから、焦る気持ちに共感する姿勢は大切です。その上で、今は簡単にSNS上で見知らぬ人とつながれる時代で、それがどういった危険を伴うことなのかをしっかりとお子さんに伝えて、一緒に考えていきたいですね。
お嬢さんのお友達は「自称」高校生を語る人と会おうとしたとありますが、実際はその人は大人かもしれませんよね。何らかの良からぬ目的を持って中学生の女の子に近づいた可能性もあります。親が事前に気が付いて、ギリギリで危険を回避できたということはとても良かったと思いますが、SNSで知り合った人と実際に会うということは、親として絶対に阻止するべきだと強く言いたいです。子どもたちはデジタルネイティブですから、SNSで知り合うことに対してハードルが低いようですが、悪いことを考えているような大人からすると、お金に関しても性に関しても中高生は格好のターゲットなのです。もちろん、大人の出会い系等のサイトで知り合って、結婚するなどして幸せになっている方もたくさんいますが、それはあくまで大人の話です。総合的な判断力は大人と子どもで違いますし、まだ保護されるべき年齢である子どもがSNSで見知らぬ人と会うことは危険と隣り合わせだということを、親が子どもにしっかりと意識付けしなければなりません。わが子が誰と付き合っているのか、誰と会おうとしているのか、それを確認するのは親の責任でもあります。
また、心配だから子どものスマホをのぞき見するということではなく、まずは普段からお子さんと、「何か困ったことが出てきた時は必ず相談すること。」「必要な場合はスマホの履歴のチェックをするからね。」と、お子さんとスマホ利用のルールを決めておくというのも一案です。お子さんのプライバシーを尊重することも大切ですが、身の安全を守ることが最優先です。何か起こってからでは遅いですから、異変を感じたのであればアクションを起こしましょう。うるさいと思われようと、そこは親がしつこいくらいに確認しながら、子どもの身を守るべきだと思いますよ。

この方のお話には、もう一つ重要な“拡散”という問題があります。個人情報が一瞬にして世界中に発信されるということが、人権侵害や犯罪行為にもつながり、報道されていないものも含めて悲惨な事件もたくさんあるのです。スマホを持たせる時にはその危険性や恐ろしさについて今一度、親子で話し合う機会を持ってほしいなと思います。また、おそらく公立、私立いずれの学校でもネットリテラシーに関する取り組みをされているはずですので、どんな取り組みをしているのか、お子さんや担任の先生に確認してみましょう。今、日本の小学校から高校、大学に及ぶまで、スマホやSNSにまつわるトラブルや問題は、学校の先生方が頭を悩ませ、手を焼いている最大のテーマともいえます。学校に警察関係者やネット、スマホの専門家、通信関係の会社の担当者などを招いて研修や講演をしてもらったり、生活指導として映像を使った授業をしたり、テーマを立てて子どもたちに話し合い考えてもらうなど、ネットやスマホの使い方、危険性について考えリテラシーを高める様々な取り組みが全国の学校で行われています。もし、わが子の学校での指導が十分でないと感じるなら、保護者の立場として、学校に要望を出してみてもいいかもしれません。学校と保護者が連携してSNSの危険性について理解し、子どもたちにも繰り返し伝えていく必要があると思います。

お子さんが彼氏や彼女との写真をSNSにアップするというのも、私は反対ですね。お付き合いをしている時は気持ちも盛り上がっていますが、お別れしてしまう可能性も大いにあります。
この方のお話しにも出てきたように「振られた腹いせに」画像を拡散させるというようなリベンジポルノにつながる可能性もあります。ご存じのように、一度拡散されたものは簡単には消えず、デジタルタトゥーとしていわば永久に残ってしまいます。友達同士のトラブル以上に男女交際の方が危険度は高いのです。そのことを念頭に置いて自制するようにお話ししてあげてください。お付き合いする時に「SNSで発信しない」と相手とルールを決めるのも良いでしょう。お子さんには具体的な事件を取り上げて、自分事として考えさせるのが効果的だと思います。

中学生でのお付き合いは我々世代にとっては早熟だと思ってしまいますが、時代は変わりましたね。今は小学生でもお付き合いをしている子たちも珍しくないと聞きます。誰かを好きになって仲良くお付き合いしたいと思うのは自然な感情ですし、相手を思う気持ちで自分の行動が変わったり、頑張ろうという気持ちになったりもします。また、振ったり振られたりなど、いろいろな経験を通して、様々な感情が芽生えることは子ども自身の成長にもつながり、素晴らしい経験にもなります。せっかくのその楽しい時間や思い出がSNSによって、後々、心の傷になってしまわないように、大人が子どもを危険から守ってあげたいですね。

取材/小仲志帆

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