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大ヒット漫画家・東村アキコさんが初めて「文章エッセイ」に挑んだ理由

『東京タラレバ娘』や『偽装不倫』など、大ヒット作を世に送り出してきた漫画家の東村アキコさんが、初めて“全部活字”のエッセイ集『もしもし、アッコちゃん? 漫画と電話とチキン南蛮』を上梓。テーマは自らの子ども時代。懐かしの漫画エピソードや、電話にまつわる話など抱腹必至の1冊!活字エッセイ誕生のきっかけや、故郷・宮崎への深い愛、爆笑“アキコ・ルール”まで、「アッコちゃん」のいまに迫ります!

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Profile 漫画家。1975年生まれ、宮崎県出身。1999年、「フルーツこうもり」でデビュー。『ママはテンパリスト』が100万部を超えるヒットとなる。自身の半生を描いた『かくかくしかじか』は漫画家を目指す人のバイブルに。映画化された『海月姫』をはじめ『東京タラレバ娘』・『偽装不倫』などメディア化作品も多く、同年代の女性の強い共感を得ている。先駆的な活動で日本の漫画界を牽引するのみならず、韓国、米国、フランスなど海外でも広く読者に支持されている。
【INDEX】 文章エッセイへの憧れ
思えば漫画とともに歩んだ人生だった
副題の「チキン南蛮」に込めた宮崎への愛
初挑戦を続けられる、パワフルさの秘訣
自分の少女時代を思い出してほしい

文章エッセイへの憧れ

幼少期のエピソードは、私の鉄板ネタで、飲み会でも大ウケ。いつかまとめたいと思っていたんです。

私の鉄板の面白い思い出話をたくさん詰め込みました。

これまでも自分ネタで漫画は描いてきましたが、この時期のことをお披露目するのは初めて。子どものときって、ほんと突拍子もないことばかりなんですよ。漫画にしませんか?というお誘いはあったのですが、漫画だとどうしても盛らないといけない部分もある。今回ばかりは、純粋に記録として、文にしてみたかったんです。

私、漫画も好きですけれど昔から活字の本も好きで。書籍コーナーに自分の本が並ぶのは憧れでした。かっこいいですよね。さくらももこ先生の『もものかんづめ』も名作ですけど、ギャグ漫画家がエッセイを出すのっていいと思うんです。

あとは、この年齢にして新しいことをやってみたい!という気持ちもありました。自分が文をどれくらい書けるのかな?と挑戦したかったんですね。まあ、大変ではあったもののノリノリでしたし、文を書くのも楽しかったです。いつかフィクションの本も書いてみたいですね。

思えば漫画とともに歩んだ人生だった

エッセイでは、随所に描き下ろしのイラストも

皆さんはどんな少女時代を過ごされたんでしょう?私はもっぱら漫画とともに生きたというか……。本の中にも漫画にまつわるエピソードが満載です。

昭和50年生まれ。私が漫画に夢中になった1980年代は、『りぼん』が200万部とか、とんでもない部数を発行していた時代でしたよね。今はスマホやゲームなど他にも娯楽はありますが、そのころの娯楽ってテレビや漫画?ヒロイン像やヒーロー像しかり、必然的に女性としてのアイデンティティを漫画から形成されていたんじゃないかな?って思います。

みんな恋愛脳でしたしね。どっぷり少女漫画にハマっていた私たちって、“恋愛をするために大人になる”感もあったんじゃないかな。盆暮れ正月、イベントは恋愛!っていうくらい(笑)。まあ、我々それしかレジャーがありませんでしたもん。だからか、恋愛を中心に文化って発達していたんじゃないかな?ファッションやメイク、車やお店もね。

バブル時代の小説も面白くてよく読むんですけれど、甘糟りり子先生の『バブル、盆に返らず』が面白くて。その当時のことが細かに記録されているのですが、昔の自分が体験したことって記録しておいたほうがいいんだなーって思いました。今回のエッセイを書こうと思ったきっかけの一つです。

副題の「チキン南蛮」に込めた宮崎への愛

今回は、宮崎の爆笑エピソードもふんだんに書いています。私、宮崎が本当に好きで!小5から一緒の地元友達は、LINEで今でも毎日連絡を取り合っているんですよ。

宮崎では、のびのびと、なんのストレスもなく育ちました。それに比べて今の子たちを見ていると生きづらそう…みんな宮崎住めばいいのに!

宮崎の人って、本当に優しいんですよ。高校の二者面談で、「先生、私漫画家になりたいんですよ」って相談したときは、県内でも有数の進学校だから普通なら「真面目に……」なんて目くじら立てられそうなものの……。先生は「森さん(私の本名です)やったら手塚治虫みたいになれるわ!」「森さん出世したらオレのこと漫画に描いていいよ〜」とだけ。こんな先生います??おかげさまで自分の能力を疑わず、ますます自我が肥大しましたよね。

東京に出てからも、どんなに鼻をへし折られても、「大丈夫、宮崎では私、褒められてた!」という自信があって、めげませんでした。なんなら、「東京の人は、心を失ってるのかな?」とまで思ってました(笑)。宮崎に感謝です。

初挑戦を続けられる、パワフルさの秘訣

今回は“全部活字”の本に初チャレンジしました。漫画でも、新しい取り組みや、新連載もありがたいことにやらせてもらっています。

周りからは、「先生、元気ですよね!」ってよく言ってもらえます。元気の秘訣は……若い20代30代のアシスタントさんに毎日囲まれていることですかね。自分も同じ世代って思っちゃってますから。一緒に遊んでいるときも途中で「私、休むね……」なんて絶対言わないです。

朝起きたとき、「あれ私何歳だったっけ?」って思うことも多いんです。で、「あ、37歳か」って思ってからしばらくして、「違う、47歳じゃん!」って気づく(笑)。でも、実際37歳だと思って生きているかも! 昔から誕生日とか年齢が本当にどうでもよくて、「365日で1歳年をとるって、そのルールなに?」って思ってますね(笑)。

それと、睡眠時間も長いです!1日に合計で12時間は寝てます。隙間があると寝る。昼寝と、夕方、晩ご飯の後も。旅行に行っても、旅先でほとんど寝てるなって自分でも驚きます。

自分の少女時代を思い出してほしい

このエッセイは、私が漫画では書いてこなかった子どものころのエピソード、その中でも選ばれしモノ、“キングオブ鉄板”が詰まっています。

間違いなく笑えます!後悔させません!

そこから、みなさんの少女時代や子どものころの面白いエピソードとか、あのときいたとんでもない友達のことを思い出してほしいですね。懐かしいと思って連絡をとってみるのもいいのではないでしょうか?老後の友達は、色々昔のことを語り合える幼少期の友がいいですよ!

今はスマホもあって、活字の本を読む習慣が減ってきていると思うのですが、この本は気楽に読めるので、気分転換に読んでみてほしい。そして、普段漫画を読まれない方にも、私の本を手に取ってもらえる機会になったら嬉しいです。

『もしもしアッコちゃん? 漫画と電話とチキン南蛮』
著者:東村アキコ
価格:1,540円(税込)
判型:四六判ソフトカバー
現在好評発売中。書影の写真は、宮崎の「こどものくに」で撮影されたもの。「我ながら可愛い!」とツイッターで出したところ「欧米の政治家みたいな笑顔」とファンから大反響。「まあ、世界を掌握しているというかふてぶてしい子どもだったことがわかる一枚ではありますね」(東村さん)

撮影/松蔭浩之 取材・文/竹永久美子

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