本誌1月号p.206-209の「『睡眠離婚』で夫婦円満のミライが見える!」を担当したライターの小出真梨子です。
人生の3分の1は睡眠に費やしていると言われるほど、睡眠は大切な時間と言われています。そんな大切な時間は、できる限り快適に過ごしたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで夫婦の寝室について、読者さんと専門家の方々に取材を行いました。夫婦円満のためには寝室が大きな鍵を握っているような気がして…。
私自身も寝室について改めて考え、感じたことをこちらに書かせていただきます。
みなさんの寝室は別室? または同室? それとも?
新婚のときは夫婦でダブルベッド、子どもが産まれてからは川の字で寝ていたという方も、お子さんが大きくなり、夫婦だけの寝室になるタイミングで、少しずつ新しい寝室の形を考え始めるようです。
「結婚していたら同じ部屋で寝るのが当たり前でしょ?」
「夫婦別寝室なんて仲が悪いからじゃないの?」
「寝室を別にしたら、夫も私も快眠できるようになりました」
「いやいや、子どもも自立しているし、夫婦もそれぞれの寝室で楽しむべきです」
今回のリサーチでは、「不満がありながらも夫に言えず、夫婦同寝室で我慢している」という方が予想以上に多いことがわかりました。主な不満は「エアコンの温度設定が合わない」「イビキが気になって熟睡できない」「就寝時間が異なるため夜中に起きてしまう」など。
この夏の出来事
そもそもこの企画の発端は、結婚10年めのわが家で起きた初夏の出来事。
まだ夜は冷える日もあるというのに、帰宅すると、わが家の寝室がキンキンに冷やされていました…。うちの夫は、年間の3分の2は《半袖&ビーサン》という人で、子どもの友達から「お父さん、いつも涼しそうな格好だよね」と言われるほどの暑がりさん。そのため、就寝前に寝室のエアコンを【温度設定18度・強風】でピッとつけ、MAXに冷えた寝室で寝るのが幸せなんだとか。同室就寝をしていた私は、夏でも羽毛布団をかけながら寒い寝室で我慢をしていたのですが、最近は「これって、おかしくない?」と気づき、寝室のエアコンのリモコンをこっそりと隠すことにしました。すると、エアコンのつけられない暑い寝室に耐えられなくなった夫は、別の部屋で寝るようになりました。そして、そのままこの夏はお互い別々に寝る日々を送ったのです。夫はエアコンの付く部屋をキンキンに冷やして熟睡、一方、私は寒くて震えるような寝室で眠ることはなくなりました。それはそれは快適な夏!〈今まで何を我慢していたんだろう…〉と笑ってしまうくらい幸せな時間を手にしたのです。
夫婦関係のことで我慢していてはダメ
この一時的な別室就寝をきっかけに、わが家では「夏と冬のエアコンを使う時期は、お互いに別室で寝よう!」ということに決定しました。「このベッド、どっち向きにしたほうがいいと思う?」なんて夫に聞きながら、この冬も既に夫婦別寝室の準備を始めています。初めて自分の部屋をもらえた時の子どものように、なんだかワクワクしています!
別々の部屋で寝ている夫婦は仲が悪い…なんていう噂はどこからやってきたのでしょうか?
むしろわが家は同室で我慢して寝ていた時より、イライラすることもなくなり、清々しい朝を迎えているような気がします。それくらい寝室のかたちや睡眠は大切だったのだと、実感しました。
私は、これまでに夫婦についての企画をいくつか担当してきましたが、〈結婚生活が長くなればなるほど、夫婦はお互いに何も言わなくても通じ合える〉というのは間違いだとということがわかってきました。我慢していても、何も発展しないのです。
夫婦だからこそ、面倒でもひとつずつ確認し合って、状況によって変化していくことが、何よりも円満へと繋がるのかな…と感じています。
現在、夫婦同寝室で不満がある方も「寝室のことなんだけど、少し話さない?」と切り出すことで解決できることがあるかもしれません。
夫の側でも「実はオレも…」と何か言いたいことを秘めていたりして…。
取材/小出真梨子