本誌11月号P.212~の「『まだ女でいたいの?』夫の一言に戦慄が走った日」を担当したライターの小出真梨子です。
この企画は、ある女性からのひと言がプランになりました。リサーチをした結果「もう夫に女として見られていない…」と悩む女性が、なんと多いことか…。なかなか言えない、そんな妻の悩みについて取材しました。
私自身が、妻として、母として、そして女として感じたことを、こちらに書かせていただきます。
みなさんの夫婦仲はどうですか?
結婚生活が長くなり、子どもも成長してきた時に「うちは問題なく順風満帆です!」と声を大にして言えるご夫婦はどのくらいいるのでしょうか。「仲はいいけれど、実は問題があります」という夫婦は少なくないと思います。夫は今後も長く一緒に生活をしていかなければならない人。毎日問題なく幸せに過ごせるのがいちばんなのですが…。
私はSTORY10月号で「カンベンして!夫が『わが家の長男化』」(P.220~)のページを担当しました。2号連続で夫婦についての取材を担当してみて、共通していたのは“妻の出産をきっかけに、事は起こっている”ということ。女性は出産をし、母親になることから、夫婦の形にも少しずつ変化が見られるのだとか。
10月号では心理学者の山脇由貴子先生が
「出産後、妻のイライラや小言が増え、夫は長男化してしまう傾向にある」
また11月号では夫婦カウンセラーの安東美紀子さんが
「子どもの母親になったことで、夫が妻のことを女として見れなくなってしまう」
と、それぞれ語っていました。
出産当初はどうしても女性であるという意識より、〈いい母親でなければ〉という気持ちが現れてしまうものなのでしょうか。
そんな中で、「気づいたら夫婦生活がなくなっていた」というご夫婦がアンケートでは半数以上。人生100年時代と言われる今、40代はまだ折り返し地点にも立っていません。それにも関わらず、いちばん身近な異性(夫)から女として見てもらえないのは悲しい現実です。
「私はもう女として終わってしまったの?」
TVドラマ「あなたがしてくれなくても」の脚本家・おかざきさとこさんによると、一度セックスレスになった夫婦は修復するのが難しいのだとか。
今回は、実際に長年のセックスレスで苦しんでいる読者の方と取材でお会いしました。彼女は3人の女の子のママですが、最初は夫の愛情が娘たちにシフトしてしまうことで、自分自身への愛が薄くなっていったのだと感じていました。女の子ママならではの悩みですね。そして、時折、夫に求めても触れてもらえないし、女として見られていないことに、自分自身は被害者だと今までは感じていました。そして、8年間セックスレスに悩んでいることを友人に話したところ「もう夫を解放してあげたら?」と言われて、ハッとしたのです。求めていた私だけでなく、実は夫にとっても求められることがプレッシャーでストレスだったのです。セックスレスを意識することをやめて、お互いに割り切るようになってからのほうが夫婦喧嘩も減り、仲が良くなったということでした。この問題には何枚もの壁があって、簡単にクリアできることではりません。
「悩んでいるなら他に目を向けるのもひとつの手なのかもしれません」
と、おかざきさとこさんは語っていました。
この問題に悩んでいる方、出口がわからず苦しんでいる方は、我慢せずに新しい道を見つけることもありです。その時には離婚という選択肢もひとつの道でしょう。ただ、そうなると自分自身の経済力を考える必要があります。
結婚すると女性はどこかで仕事をセーブしていて、自分自身で生活していくための経済力が備わっている人は少ないかもしれません。
今回は多くのSTORY読者を取材しましたが、経済的に自立している人ほど、自分の意思もしっかりと持ち、夫との間に問題があっても我慢することなく、自分自身の道へと進んでいました。やはり、結婚したら夫に養ってもらう妻ではなく、1人の女性として自立できる経済力を身につけることが大切だと痛感しました。その後の女性としての将来は、そこにかかっているのでしょう。
本誌11月号も、ぜひ合わせて読んでいただければと思います。
ライター・竹永久美子の「原田 愛さん・龍二さんINTERVIEW続編」はこちら
取材/小出真梨子