10代の頃のデビューから芸能生活32年。今でも変わらず美しい奥菜恵さん。2023年には自身の病気について公表し話題となりました。そんな奥菜さんが病気と向き合うなかで、今想うことについてお聞きしました。
病気の認知が広まればと思い公表しました
3年前に発症したのですが、肌の色素が抜けてしまう病気で、今のところ治療法も原因もわからないんです。最初は「あれ?なんで白くなっているんだろう?」と自分の身体を見て気づき、ネットで調べてみると色々と情報が出てきて、その時点である程度が予想はつきました。その後、皮膚科に夫(俳優の木村 了)と行き、先生に「尋常性白斑という病気です」と告げられました。
今は薬を塗っている状態ですが、消えてきている箇所もあれば、新しい箇所に出てしまうこともあります。完治することは難しいようですが、進行を遅らせるようにはできるようです。私の場合、顔回りや手足などの見える部分に症状は出ておらず、公表しなければ気づかれないものなので本当は公表するつもりはなかったんです。
ただ、この病気をきっかっけに、自分で美容液をプロデュースすることになったのですが、時間をかけて情熱を注いで作ってきたので、その開発の経緯を聞かれたときに病気のことを伏せてお話しするのは違うなと思い、SNSを通じて公表しました。そうすると予想以上に同じ病気で悩んでいる人からの反応があり、たくさんのメッセージをいただきました。その中にはこの病気のことを理解してもらえず傷つき、いじめられているという方も。私が公表したことで、世の中の認知が広がればと思い詳しくお話することにしました。
やっと整理がついたときに受けとめられました
初めは正直、不安でしかなかったです。どんどん広がっていき、完治するかもわからないと言われていたので、どうしよう…という恐怖もありました。ただ、この病気から逃げることはできない、と自分自身でやっと整理がついて「向き合うしかない」と受け止められたのが発表のときだったように思います。夫は病院に一緒について来てくれたので、この病気の治療には根気がいるのだと理解していて「やれることは全部やろう」という向き合い方でいてくれています。子ども達は「へぇーそうなんだー、でも大丈夫だよ!」と結構明るく受け止めてくれたので、そこに救われた部分もありました。
コロナ禍の閉塞的で独特な空気だったステイホームをしなければいけない時期に病気が発覚したんです。それが良くも悪くも、私にとっては嫌というほど自分と向き合い、家族とも向き合うことができた時間でした。これまでの生き方、価値観をいったんストップさせて、これからどう生きていくかを一つ一つ確認しながら、ゆっくり進んだ時期でした。
そこまで進行が早いわけでもなく、命に関わることでもないので今ある状況を受け止めて、楽しく生きていこうと切り替えました。子どもたちを見ていると、生きてるだけで充分だと教えられるんです。
今この時を後悔しないように50代に向かって生きていきます
どこかで私は人生100年時代と考えていないところがあって、時間は限られているので毎日を後悔しないように生きようと思っています。「ありがとう」「ごめんね」を思った時に言うことや、今やりたいと思うことをどんどん形にしていくこと。その先の未来で過去を振り返ったときに、思った以上に長生きで楽しかったなと感じられたらいいなと思います。50代も楽しく過ごせるようにしっかり生きていきます!
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撮影/BOCO ヘア・メイク/田宮裕子 スタイリスト/平田雅子 取材・文/小出真梨子