4月に書籍「3歳からの子育て歳時記」を出版し、活躍の場を広げる青木裕子さん。本を出版するに至ったきっかけ、2人のお子さんと一緒に実践してきた体験からの学び、そして子育てに関する想いについて深く語っていただきました!
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「小受」をするしないに関係なく、四季折々に親子でワクワクして
今は、掃除や家事だけじゃなく、教育もアウトソーシングできる時代。
とはいえ、子育て自体がすごく楽になったり、手をかけずとも子どもがいい子に育つ、なんてマジックはないですよね。
どんなに時代が進化しても、子育てには手がかかる。
それなら、子どもと一緒に楽しんじゃおう! 子育てを楽しめたほうがいいな、と思うようになりました。
そもそも、私自身が3姉妹で女性に囲まれて育ったこともあって、男の子2人を育てる日々に出会うことや体験することがすごく新鮮で、楽しい! そう自然と感じられることも多いのですけれど……。
「小学校受験」というと、親子ともに大変! というイメージがあると思うのですが、頭を切り替えると、受験準備にすべきことって、結構楽しいんです。どんな季節にどんな花が咲き、どんな虫がいて、どんな行事がある? といった小学校受験の問題は、生活の中で自然や季節を感じること。
先日出版された著書『3歳からの子育て歳時記』では、小学校受験をきっかけに教育を楽しんじゃおう! と親子で一緒に楽しんだ我が家の四季折々の体験を綴っています。昆虫を飼育したり、ベランダでミニトマトやオクラ、キュウリなんかを栽培したり。こどもの日には、毎年キットを使って柏餅を手作りしています。
夏にオススメなのはトビウオすくい。海上を飛んでいくトビウオの姿は圧巻です!キラキラと美しいし、かっこいいし、何度見ても感動します! キャンプも、アウトドアとは縁遠い幼少期を送った私は親になってから初めて挑戦したんですが、外で寝ることや火をおこすことが新鮮で、ドキドキワクワクしました。
子どもと一緒の体験を楽しめる期間って本当に短いから、できるうちにたくさん体験したいな、と思っています。長男が小学校5年生で思春期に突入し、そろそろ「お味噌作りはもうめんどくさい!」なんて言われるかなと思いきや、「今年もやるでしょう」なんて言われたりして。
案外、子どもたちのカラダに恒例行事として馴染んできているようです。
毎年恒例にすることで、去年より今年、今年よりきっと来年は上手になっていくという成長を感じる機会にもなるんですよ。「体験」というと何か特別なことをしなきゃいけないと思ってしまいがちですが、家で簡単にできることでも意識すれば立派な体験教育になるのだということを知りました。
それに、“やってあげてる”と取り組むのと「ママがやりたいから一緒にやろう!」と私が楽しんでやるのでは、思いや意味が全然変わってくると思います。
自分が楽しんでいると、「やってあげているのに、何で反応がないの!」なんて子どもに見返りを求めなくなる。
小学校受験をするしないに関わらず、親子で自然を感じ、四季折々を楽しむイベントは、子どもならずとも大人も楽しい。まさに、子どもと一緒にワクワクして共に育つ、「共育」なんだと思います。そう、大人も楽しんじゃったもん勝ちです。
本当に必要なのは、偏差値よりも“幸せを感じる能力”!?
思春期になった長男からは、親の私が与えるのではなく「これ、面白いよ」と、教えらえることもあります。
最近、次男はひょんなことから落語に興味を持ち、推しは柳家喬太郎さん。全く落語の知識がなかった私は、今、一から一緒に学んでいるところです。
落語には季節を感じられる噺が多いので、親子で楽しむのにオススメです。
DVDを見ていて好きになった人とか、笑点に出ている人とか、アイドルに会いに行く感覚でテンション上がって寄席に行っています。
落語を見に行った時にもらったパンフレットを見て、「今度は文楽を見に行こう!」と親子で一緒に興味が広がっていっています。
小学校受験を経て一貫校に入っても、やっぱり勉強についていくために気が抜けないのが現状だけど、最近、通知表の成績が良いことがこの子にとって良いことなのだろうか……と思ったりして。
だって、最終的には良い成績より何より、我が子が幸せであることが一番ですから。
必要なのは、もしかしたら”幸せを感じる能力“なのかもしれませんね。
私は欲深いから「もっと、もっと!」と、周りと比べて幸せが麻痺しちゃうこともあるんです。一方で、うちの夫はネットで叩かれても動じないし、周りとも比べない。
「俺は、面白いヤツの隣にいられてラッキー」なんて思ってる。
そういう意味では、うちの夫は “幸せを感じる能力”が高くてすごいのかも(笑)。
そこだけはパパに似て欲しい!
でも、共に楽しんだたくさんの体験の中で、きっと“幸せを感じる能力”も育つと信じています。
『3歳からの子育て歳時記』
3歳から家族で一緒に楽しめる12カ月のさまざまな体験と、教育のお悩みエッセイを収録。さらに小学校受験のプロによる毎月の「自宅でできる知育」具体例を加えて、偏差値だけではない長い目で見た「自ら学ぶ力」、「勉強が好きになる力」を身に着けるためにどうしたらいいのか……小学校受験、中学受験、探究学習のプロによる幅広い子育て層にむけたアドバイスも。
¥1,650(講談社)
撮影/西崎博哉(MOUSTACHE) 構成/河合由樹 取材/香取紗英子