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Lifestyle憧れリーダー連載

学生バイトから執行役員へ。原動力は“楽しい”という気持ち|ユナイテッドアローズ執行役員 山崎万里子さん

女性としてこれからのキャリアに悩むSTORY世代。’22年に女性活躍推進法が改定されてからはますます女性の活躍が期待され始め、徐々に女性管理職比率も高くなってきています。第一線で活躍している女性リーダーの方々にお話を伺うと、そこには、キャリアの狭間で自身の生き方を見つめ、可能性を信じてチャレンジする姿がありました。今回ご登場いただくのは、株式会社ユナイテッドアローズ執行役員の山崎万里子さん。お洒落が大好きだった少女がユナイテッドアローズに入社して32年。彼女が積み重ねてきたSTORYをご紹介します。(全3回の1回目)

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山崎万里子さん(50歳)
株式会社ユナイテッドアローズ/執行役員・チーフヒューマンリソースオフィサー・人事本部 本部長

1973年福岡県生まれ。学習院大学経済学部在学中にアルバイトとしてユナイテッドアローズで働く。卒業後、同社に入社し、販売促進、広告宣伝、経営企画等に携わり、2010年に同社女性初の執行役員に就任。ユナイテッドアローズ本部副本部長等を経て、2021年に人事本部本部長 兼 人事部部長、2023年より現職。


 

17歳の私に対等に接客をしてくれた販売員さんに感動。その時「大人になったらこういう世界にいく」と決めました

STORY編集部(以下同)――山﨑さんとユナイテッドアローズの出合いを教えてください。

渋谷明治通り沿いの店舗がユナイテッドアローズの第一号店なんですが、なんと、2号店は福岡なんです(全国展開へ向けて、平成2年11月福岡市中央区天神にUA福岡店をオープン、その後平成3年9月中央区大名に移転)。「なんか大名にかっこいいお店ができたらしい」という話を聞きつけ、福岡在住のおしゃれ大好き高校生の私としては、「これは行かねば!」と訪れたんです。

――店舗を訪れた時のことは覚えていらっしゃいますか?

鮮明に覚えています。店舗があったのは、福岡県の大名という場所。日本や欧米のデザイナー、古着やヒップホップのレコードを扱うインディーズショップが混在しているような街で、いつ訪れてもワクワクするような場所でした。そこにユナイテッドアローズがオープンしたんです。セレクトショップというものが、当たり前のようにある今とは違った時代に、自分の知らないブランドの服が店内を埋め尽くし、素敵にディスプレイされている空間がすごくカッコよかった。それと、店員さんがお洒落!

――当時のスタッフさんは20代後半くらいでしょうか?

おそらく、そのくらいの年齢だと思います。お洒落度の高い店員さんのことだけでなく、彼らが当時17歳の高校生だった私に対して、大人と対等な接客をしてくれたこと。それがすごく嬉しかったことを覚えています。「あれ? お母さんと一緒?」じゃなくて、一人のお客様として、とても丁寧に対応してくれました。見た目のみならず、そういった姿勢も含めて、とても洗練された空間でしたね。その時、私、明確に「こういう世界に身を置きたい」と感じたんです。

――「こういう世界に身を置きたい」を達成するため、山崎さんが起こした行動とは?

一番手っ取り早い策は? と考えた時、やはり東京の大学に行くことだ! と思ったんです。今でもそうではあるんですが、流行のファッションは、まずは東京、それから地方に展開されていくという流れなんですよね。だから、東京の大学に行けば、今よりも確実に流行に触れられる機会が多くなるはず。就職のことを見据えてというよりも、実際には洋服を買ったり、遊びたいっていう気持ちの方が強かったかもしれないです。ただ、大学に合格するというモチベーションには繋がりましたね。

――希望通り、東京の大学に合格! ユナイテッドアローズ一号店には行かれましたか?

もちろんです。大学生になり、お店にお客さんとして通っているうちに、店頭レジ前にアルバイト募集のPOPを発見したんです。すぐにレジにいた人に、「私、これがやりたいんですけど、どうしたらいいですか?」って聞いたんです。その時、レジにいて私が質問した人は、今も会社にいらっしゃいます。そして、その場で応募したという(笑)。

――とうとうお客様という立場から、お店の人へとなるわけですね! 

大学生の時、アルバイトとして働いていた当時は販売職もオフィス職も境がないような時代でした。原宿の店舗にオフィスとお店があるという感じ。全員で朝礼しお客様をお迎えして、時間が空いたらデスクに戻って事務仕事をする。レジ締めも全員が見守る中行われ、私も同じ動きをしていました。アルバイトの私には色々なことが頼まれ、任され。それら全てが楽しくてたまらなかった! 正直言うと、仕事なのか趣味なのかよくわかってなかったですね。

  • 渋谷に第一号店をオープンした翌年、1991年にユナイテッドアローズで初めてのヴィジュアル本を自主制作しようということで作られた『Styling Edition』。“カタログ”のようなものだけれど、モノの紹介だけで終わりたくないし、かと言って、格好つけただけのモノにもしたくない。そんな制作意図の中で、アルバイトの私もスタッフの一人として携わりました。
  • 15号まで制作された『Styling Edition』。中でも、Vol.7は、当時、私が住んでいた大学の寮で撮影が全て行われたという一冊。コンセプトは『寮生活』。自分がいつも生活しているリアルな空間の中に、ユナイテッドアローズで販売されている洋服たちを纏った私の友人がモデルとして登場しています。日々の洋服を着る上でのヒントをくれるカタログ的な要素もありますが、純粋に写真やスタイリングがカッコいい! と感じられる一冊です。

――なかでも楽しかったこととは?

年に数回、催事場のような場所で行われる在庫処分のための外販イベント、年末から準備し元旦から行う初売り。忙しかったけど、バイトしていた時の思い出はどれも楽しかったという記憶しかないです。それは、単純にファッションの業界に携われたからだけではなく、ユナイテッドアローズのメンバーと一緒になって何かを作りあげたこと、そして、アルバイトと正社員という垣根なく、様々な経験をさせてくれたからだと思います。

 

楽しくてたまらなかったというバイト時代を経て、’96年大学卒業後、ユナイテッドアローズに新卒2期生として入社。会社は山崎さんが入社される前年から新卒採用を正式に開始し育成スキームも確立し始め、いよいよ大きく成長していくという中で山崎さんが担っていった役割とは?

(中編に続く)

撮影/BOCO 取材/上原亜希子

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