テレビ朝日のアナウンサーから一般企業へ転職した大木さん。局アナ時代は母親として子どもの成長を見過ごしてしまっていると感じ、育児と仕事の両立にも悩んでいたそうです。今の職場では子どもを優先に考えた自由な働き方でやりたいお仕事もでき、幸せを噛み締めているんだとか。小学生のお子さん2人のママならではの子どもとの時間の過ごし方、仕事との両立についてお聞きしました。
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局アナ時代は子育てと仕事の両立に葛藤していましたが、今は子どもとの時間を優先できて満足しています
40歳のタイミングでの転職の決断は私にとって転機だったと振り返ります。アナウンサーという仕事はとても好きで辞めたいという気持ちは正直なかったのですが、当時は夕方の番組を担当していて、育児をするママにとってのゴールデンタイムに子どもと一緒にいられないモヤモヤがどこかでありました。月曜日から金曜日までのレギュラー番組は、GWや祝日などカレンダー上でのお休みとは関係なく放送するので、そういう点も子育てとの両立が難しく、悩みました。アナウンサーの仕事はテレワークが全く適用されないんですよね。今の会社はどこでも仕事はできるという働き方ができているので、リモートワークやワーケーションで自由に働かせていただいてます。朝7時に子どもを送り出して帰ってくるまでの16時の間を仕事時間としています。もちろんそれより遅い時間でのアポイントにも対応はしてますが、基本的には子どもをしっかりみてあげたいので、子どもの学校にあわせてスケジュールを組んでいます。悩んでいた子どもとの時間を確保しつつ、やりたい仕事もでき、毎日が充実していると感じています。
そうは言っても、忙しい時期が続くと子どもの成長を見過ごしていると感じ、母親として罪悪感をいだくことってありませんか?そういう時は週末に集中してその穴を埋めるように遊んだり、長期の休みはたっぷり家族で過ごすようにしています。夏休みは子どもと海外のサマースクールに行って親子留学というのをしているのですが、一昨年はニューヨークに1か月、今年はバンコクに行く予定なんです。子どもがスクールの時間は私もワーケーションでお仕事をしています。海外での生活は日本では見たことのない子どもの成長を感じることができ、親としても楽しみにしている時間でもあるんです。
家族で旅するときはクルーズがおすすめです。昨年の夏、横浜発シンガポール行きに2週間乗ったことがあるのですが、四六時中みんなで一緒にいるので、子どもたちとも十分向き合うことができ濃厚な時間を過ごせました。子どもって1年1年の成長がとても早くて、あっという間に大きくなっちゃうんですよね。だから親の自己満足かもしれないですが、今年の君を母は満喫したい!(笑)。という想いで時間をつくるようにしています。こういう経験も今のお仕事に変えたからできていると実感しますし、両立できていないことに対するモヤモヤからは解放されたので、転職して本当によかったと思います。
私の人生と子どもたちの人生は全く別のものとして捉え、尊重するようにしています
今までは私がこうしたほうが子どものためになると決めたことでも、本人のモチベーションがないことに対してやこれってやるべきなのかと本人が疑問を持っていることには素直に頑張れなくなっていて、親の想いと子どもの意欲が比例しなくなっている部分を感じいてます。特に上の娘は11歳になり、本人のやりたいやりたくないの主張がはっきりしてきた時期でもありますね。親の私からみるとたった11年の人生経験の娘の判断は歯がゆいこともあって、もっとこうした方が絶対いいのにと思ってしまうのですが、その11年が娘にとっては全てなのでどうして私がこうした方がいいと思うかを伝えたうえで、最後の決断は娘に任せるようにしています。私も母親として成長しなければならない時期なのかもしれません。
子どもたちの成長を見る度に私とは全く別の人間で、異なる人生を歩むんだなと気づくんです。当たり前ですが、個々の想いを尊重していかないといけないと感じますね。子どもたちを幸せにすることは私のしてあげられる精一杯のことですが、子どもの幸せがイコール私の幸せに繋がるとは限らないということ。私は私の人生を頑張らないといけないと感じますし、子どもたちの人生にあまり口を出さないようにしなければと思っています。例えば習い事や進路に関しても、どうしても大人の主観で判断してしまいそうになるのですが、そこはちゃんと子どもの意見に耳を傾けてあげないといけない。私にぶつかってきているときは、やりたいやりたくないに関わらず、受け止めてあげる。そっと見守るというのが母親としての課題ですね。
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撮影/浜村菜月(LOVABLE) ヘア・メーク/本多遥香(ROI)スタイリスト/小川真央 取材/小出真梨子