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40歳前の妊娠、出産そして産後うつ。女性アナウンサーが経験して伝えたいこととは

〝うつ〟を発症して引き起こされる不安や恐怖を伴う様々な症状。しかし、どんな症状よりも苦しいのは「理解されない」こと。正しく理解されていない実情に対し、苦しみの体験をもって、病いに関する知識や意識を高めたい。そう願う女性たちが、自身のSTORYを語ります。

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勝 恵子さん 57歳・東京都在住
フリーアナウンサー

初めての子育てにつきまとう不安感。
眠れず、涙止まらず産後うつと診断

大学在学中にテレビ朝日の報道番組「ニュースステーション」でお天気キャスターとして注目を集め、その後はフリーアナウンサーとして活躍する勝恵子さん。プライベートでは37歳で結婚。流産を経験しましたが、39歳目前で妊娠が判明しました。安定期前に、医師から絶対安静を指示されたこともありましたが、乗り越えるとその後の経過は順調で、仕事も予定日の2カ月ほど前まで続けながら、無事に出産しました。

「最初は授乳が3~4時間おきのため、寝られないのが辛い」というのは、新生児を持つママ共通の悩みですが、勝さんはアナウンサーという仕事柄、細切れ睡眠や不規則な生活には慣れっこ。深夜に起きて早朝番組を担当することもあったため、寝不足に関してあまり心配はしていませんでした。

ところが、いざ自宅での生活が始まると、お子さんが寝ていても「息してるかな…」と気になって眠ることができず、ご主人やご両親がいるときでも、漠然とした子育てへの不安感が消えないまま。テレビでショッキングなニュースを見ると、異常なまでに悲しい気持ちになり、涙が止まらなくなりました。お子さんの成長に伴いベビーカーで外出できるようになっても、気分転換になるどころか、力を振り絞ってなんとか食材を買いに行くような日々。

「あの先生のところに行ってみたら?」…さすがに様子がおかしいと感じたご主人の助言もあり、かかりつけのクリニックを訪れると産後うつと診断され、まずは少しの時間だけでも寝られるようにと一番容量の少ない睡眠導入剤と漢方薬が処方されました。

「買物に行くのも大変だということを先生に相談したら、『買物なんか行かなくていいです。自分にストレスをかけてしまうので、症状が改善するまでは一生懸命頑張って何かやろうと思わないでください』と言われました。うつ病は心の風邪とも呼ばれますが、普通では考えられないような状態になってしまうんですよね」。

服薬から3カ月程度で症状は軽快し、仕事も少しずつ再開しました。

出産後の女性の誰にでも起こりうる「産後うつ」は、軽んじて放置してしまうと、症状が悪化する危険性や、子どもとの関わりにも影響を及ぼす可能性があるため、早めのケアが必要とされています。

「妊娠生活から出産についてまでは、母親学級などでもしっかり話を聞いていましたが、今思えば出産がゴールのように思ってしまっていたのかもしれません。出産後は、クリニックに限らずサポートしてくれる方や制度など、頼れるものには躊躇せずに頼って、できる限り『自分ファースト』でいてほしい。母親が元気でいることが、結果家族のみんなの幸せに繋がると思うんです」。

勝さんは、処方された漢方薬の効果を経験し、自らも学びを深め、現在は「NPO法人みんなの漢方」の理事も務めている。

<編集後記>病院に行くハードルは高い。だからこそ周りの声かけも重要 「自分で何かがおかしいと思っても、病院に行くハードルは高いですよね。精神科の場合はなおさらです」と勝さん。勝さんの場合、かかりつけの婦人科があったので相談しやすかったこともありますが、ご主人の言葉でクリニックに行く気持ちになったとも話していました。周りの人が声をかけてあげることの大切さも、今回学びました。(ライター 篠原亜由美)

撮影/篠原亜由美 取材/秋元恵美 ※情報は2024年7月号掲載時のものです。

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