美髪へと導く「スカルプケア」は、かなり浸透して聞き慣れた言葉となってきました。ホームケアのアイテムも豊富に出回り、土台である頭皮をいかに健康に保つかが注目されています。 白髪や薄毛・うねりの対策・改善には頭皮のマッサージで血を巡らせたり、老廃物を流すことが大切なのです。約10年前に乳がんになり、放射線治療を受けたことをきっかけに髪がボロボロになった経験をお持ちのエイジングデザイナーの村木宏衣さんに、村木流「頭皮マッサージ」について教えていただきました!
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たるみが気になり始めたら、簡単「頭皮マッサージ」で即引き上げ!
教えてくれたのは…エイジングデザイナー 村木宏衣さん
『10秒で引き上がる 奇跡の頭ほぐし』の著者
エステティックサロン、整体院、美容医療クリニック勤務を経て、独自の「村木式整筋」メソッドを確立。筋肉・骨格・リンパにアプローチするオリジナルの理論と手法で、リフトアップ、小顔、美髪、ボディメイクなど女性の悩みを解決するスペシャリスト。2018年には自身のサロン「Amazing♡beauty」を開設。サロン名はスーパーモデルのケイト・モスが施術を受けた際に「Amazing!」と絶賛したことが由来。サロンワーク、パーソナル整筋指導、講演活動のほか、各種メディアでも大活躍。2023年9月に発売した「10秒で10歳若返る 奇跡のたるみリフト」も好評発売中。
頭皮マッサージで白髪・薄毛・うねりの原因にアプローチ
どんな髪悩みにも言えることは。血流が大切だということ。頭頂部は筋肉がなく、血管が少ないので栄養が届きにくい場所です。栄養や酸素が髪に届きにくくなれば薄毛も増えますし、髪に黒く色をつけるメラノサイトの活動が低下するので白髪が増えてしまいます。また、老廃物や筋肉のコリで頭皮が歪むとで毛穴も歪み、歪んだ毛穴から生えてくるから毛もうねってしまいます。更に頭頂部の頭皮は、紫外線を受けやすく髪ダメージも出やすいところ。日ごろから頭皮のコリをほぐしてきちんと血流を巡らせておくことがとても大切なのです。
髪悩みを防ぐ頭皮マッサージ
1耳をまわして、頭の筋肉の動きをよくする
手のつけ根をエラのあたりに置き、手のひらで耳を覆って、手の位置はそのままで前に落ちてきた筋肉を引き上げるように後ろへまわす。側頭筋に繋がる頬と耳の緊張をほぐす。
2前頭筋と帽状腱膜をほぐす
指の腹を頭皮にあて、筋膜を頭蓋骨からはがすように1〜2mm動かしてほぐす。生え際→後頭部へ指の位置をずらしていき、頭頂部全体のこわばりを解消。
3側頭部をほぐす
こぶしの平らな面をこめかみにあて、小さく動かしながら生え際から耳後ろに向かって側頭筋をほぐす。骨にこびりついた筋肉をはがすイメージで細かく動かす。
4後頭部〜首をほぐす
耳後ろの後頭部にこぶしの平らな面をあて、1〜2mm動かしながら後頭筋をほぐす。頭蓋骨と首の境目までほぐすと血流がよくなる。
実は私も放射線治療で髪がボロボロになってしまったことがあるんです
エステティシャンとして30年以上のキャリアはありますが、そんな私が向き合ってメソッドを研究しようと思ったのは、乳がんになったことがきっかけでした。放射線治療によって、今まで経験したことのないような頭皮と髪のトラブルに見舞われたのです。私が考案した村木式「頭ほぐし」を毎日続けることで徐々に頭皮の状態も改善し、髪のツヤとボリュームが復活することを身をもって体験したのです。本来、頭は丸くツルッとしている状態が理想です。それが噛み締めが強くなると側頭筋が凝り固まって四角い頭になり、ハチが張って頭が大きくなるのです。美しい花を咲かせるには土壌が大切なように、土台となる健康な頭皮にしか健康な髪は生えてきません。今日からでも遅くはありません。白髪や薄毛、うねりを予防する頭皮マッサージを習慣にし、本来のキレイさを手に入れましょう。
撮影/浦田 拓、イラスト/山中玲奈 取材/北野法子