昨年「ゲイであること」を公表したアーティストの與真司郎さん。ご自身の経験に基づく人生観、カミングアウト後の今の心境・言葉は、様々な生きづらさを抱えるSTORY世代の生きるヒントになるはずです。
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僕の人生は「美容のチカラ」に救われた
Shinjiro Atae
1988年生まれ。2005年、男女混合パフォーマンスグループ「AAA」のメンバーとして活動を開始。翌年にはレコード大賞新人賞を受賞。人気絶頂の2019年頃からソロ活動をスタート。その後アーティスト活動を一時休止。この夏久しぶりのZeppツアーを開催、話題となっている。
◇ セクシュアリティに関係なく、自分らしく生きると決心するまで
女のコとも仲よくなれるし、男友達が恋愛対象として好きなわけではない。けれど「人と何かが違う」と小、中学生の頃から感じていました。僕が小さい頃は社会の風潮、環境もあって「ゲイであること」を恥ずかしいと感じ、グループの活動中も、隠しながら常に不安を抱えて生きてきました。
9年前、もしこのことが公になって日本にいられなくなった時、別の基盤があったらと、思い切ってLAに移住。それが転機となりました。アメリカでは、「ゲイ=恥じる事」ではないということを知り、衝撃を受けたんです。そこから徐々に自分を受け入れられるようになり、「悪いことをしているわけでもないのに、何で隠さないといけないのか、 僕のように海外に出られた人が、自身の経験を語れば同じような葛藤を抱えている人を救えるのでは?」と考えるようになったんです。
誰かできる人がやらないと、世の中は変わっていかない。そう決心し、2、3年かけて周囲に話をし、昨年開催したファンミーティングにて、ゲイであることを公表しました。ただ実は、カミングアウト前より、その後のほうがバーンアウト状態でメンタル的には辛かった……。もちろん受け止めてくれたファンの方も多かったのですが、ネガティブな反応もあり、公表したことを後悔したり、これからどうやって生きていこうかと悩んだり。その結果、疲れやストレスから帯状疱疹になり、休むことに。でも逆に立ち止まって考えられたことで、完璧な自分を見せなきゃという他人を気にする考え方ではなく、まずは自分の本音を大切に、もっと自分らしく生きようという考えに変わり、ふっと力が抜けたんです。
そこから軽やかな気持ちでツアーを迎え、ファンの方々が温かく迎えてくれて嬉しく幸せな気持ちでいっぱいです。カミングアウト直後ではなく、1年後の今。やっと新しい人生が始まったと感じています。
◇ 美しくいることは健康に気を使うこと
美容=健康。キレイを意識することに男女の差はない。でも無理はしなくていい。〝心地よく〟が一番大事。「美容」は、メンタルを健やかに保つ、僕なりの重要な要素になっていったんです。
覚悟をして決意したカミングアウト
2023年7月26日、無料招待で行われたファンミーティング「與真司郎 announcement」でカミングアウト。「僕のファンの方々はオープンマインド。温かく受け入れてくれたことが心から嬉しく幸せでした」。
ファンの温かさを痛感したZeppツアー
アーティスト活動を再開後、初となるライブ&トークを届けるZeppツアーを終えたばかり。「カミングアウト後は老若男女幅広い方々が来てくれるように。ファンとの距離が近い会場のライブでより絆が深まりました」。
撮影/曽根将樹(PEACE MONKEY)ヘア・メイク/佐藤真希 スタイリスト/SUGI(FINEST)取材/味澤彩子 ※情報は2024年9月号掲載時のものです。