【エルメス、ヴァンクリーフ･･･】吉瀬美智子さんが語る、一流ブランドとの向き合い方

Michiko Kichise

1975年福岡県出身。モデルを経て32歳で女優に転身後、数々の話題作に出演。私生活では8歳と5歳の女の子ママ。STORYで披露するファッションが読者に支持され、セレSTORYプレミアではコラボ商品を開発し話題に。

無駄のない暮らしへとシフトしてきた今
長く使える一流ブランドの小物が
しっくりと馴染むようになってきた

若い頃は、流行りで派手なブランド品に飛びついた時もありました。その時は気分も上がるけど、すぐ飽きてしまう。人と被るし、特徴的な物は時代もわかるのでだんだん使わなくなって。そういう経験をしたからこそ、今は「シンプルで長く使える上質な物」を選ぶようになりました。50歳、60歳の自分は使う？と自問しながら。

人が持っていない一点ものが私は好き。時が経っても価値が下がることなく使い続けられるから。この思いはどこか女優としての生き方とリンクするのかもしれません。女優は誰かと同じことをしても意味がない。唯一無二の存在でなければならない。「吉瀬美智子」がブランドにならなくてはならないと思っているんです。

〈一生もの〉を買うのは、娘２人の存在も大きいです。母親から受け継いだバッグや時計を大切に使っている方を見て、素敵だなと羨ましかった。ごく普通の家庭で育った私にはその経験がなかったから。それもあって、娘に引き継げる物を残してあげたいなと。2人いるからけんかないように（笑）。

少しずつ買い足したブランド小物にはそれぞれに物語や生きてきた証しが詰まっています。それを娘たち、その子どもと代々引き継いでくれたら、夢がありますよね。物を大切にしてほしいという思いも込めて、いつの日か訪れる、私から娘に引き渡すその日を楽しみにしようと思います。

＜HERMÈS＞

世界でひとつだけ――その存在感が私自身の永遠の憧れ

ある時、長年の念願が叶いオーダーできるタイミングがあったのです。革の色、金具、全て自分の好み。バッグの内側には美智子を表す「325」の数字を小さく入れました。1年がかりで私の元に来たバッグは、誰も持っていない、流通していない、唯一無二。それは希少価値という女優としての私の憧れる立ち位置なのかも。

＜FRANCK MULLER＞

未来の自分の理想像を思い描き背中を押してくれるファーストウォッチ

Domaniの専属モデルだった25歳の頃、頑張った自分への誕生日プレゼント。初めての高価な時計選びに慎重になっていた私に、当時お付き合いしていた方のお兄さんが、長く使えるシンプルで男性的なデザインを勧めてくれた。この時計に相応しい女性になりたい。そう心に決めて手にした時計は今でも私を奮い立たせてくれます。

＜Van Cleef & Arpels＞

決めつけていた自分のテイストに新鮮な風を吹き込むジュエリー

クールを好む私には似合わないと思っていた可愛いデザインのアルハンブラ。あるイベントでその甘さがむしろカッコいいと感じたんです。40代での新たな発見でした。ベーシックな色ではなく、赤という冒険色に惹かれたのは、やはり個性的な物を無意識に選んでいたのかな。

　
〈TOP画像〉ジレ￥35,200（エストネーション）Tシャツ￥17,600（エイトン／エイトン青山）パンツ￥24,200（ティッカ／アッシュプラスエリオトロープ）ピアス￥30,800バングル￥66,000リング￥41,800（ともにブランイリス／ブランイリスエストネーション六本木ヒルズ店）靴￥15,400（ピシェアバハウス／ピシェアバハウスルミネ有楽町店） ※バッグ・時計はともに本人私物のため、お問い合わせはご遠慮ください。

〈Van Cleef & Arpels着用画像〉ブラウス￥20,900（ウィムガゼット／ウィムガゼット玉川髙島屋S・C店） ※ピアス・リングともに本人私物のため、お問い合わせはご遠慮ください。〈静物〉右から、ネックレス￥1,148,400リング￥407,000ペンダント￥361,900イヤリング￥693,000（すべてヴァンクリーフ&アーペル／ヴァンクリーフ&アーペルルデスク）

撮影／鏑木穣［SIGNO］（モデル）、清藤直樹（静物）モデル／吉瀬美智子ヘア・メーク／山下景子［KOHL］スタイリスト／石毛のりえ（吉瀬さん）取材／小仲志帆 ※情報は2022年4月号掲載時のものです。
　